みなさま、ご機嫌うるわしゅう♪

　アタクシはあんまりご機嫌じゃござんせん。

　もうっ。聞いて聞いて～！　ホント、久々に自分の立場っちゅうものを思い知らされる事件がありました。……って、実はあんまり詳しいことは書けないんだけど(苦笑）。いろいろ事情がありまして。

　要はね、「小室友里は元AV女優だからうちには来ないでくれ」みたいなことを言われたのさ。契約もなにも全部済ませた後に。

　いや～、久しぶりに落ち込みましたわ。話を聞いてしばらくは平気だったんだけど、時間が経つにつれ、

「その話はおかしいんじゃないか」

から始まり、

「なんでそんなことを言われなくちゃいけないんだ」

と憤り、

「やっぱり私って……」

と涙した。

その話を聞いてくれた人は「人権侵害だ」とか「差別だろう」って。

　確かにそうなのさ。それは差別。そして偏見。もし元AV女優であるということが許されないのなら、では元AV女優だから街を歩いちゃいけないのか、買い物をしちゃいけないのか、ご飯を食べちゃいけないのか。そういうことになる。

　AVだったり風俗だったり水商売だったり、昔ならひた隠し、それがバレた時には白い目で見られ、回りまわって身内にまで被害が及ぶ。そんなお仕事だったことが最近は、女の子たちにとってごく当たり前の「お仕事」「ビジネス」「アルバイト」になって、

「やってるよ、だからなんなの?」

とプライドを持てる人もたくさん増えてきた。それはすごくよいこと。後ろ指差されることも少なくなったし、世の中が認めてくれるようになってきた。

　だけど、やっぱりそうでない方々もまだいらっしゃって。それは至極当然のことで。

　元AV女優ってことをあからさまに見下されることもここのところなかったから、すっかり自分がAVをやっていたということを忘れていたのかな。そして、裸を売りにするということ、それが本来どういう見られ方をしてきたか、ということも忘れていただけのかもしれないな。

　どんなに世の中が進んでも、なくならないのが性風俗。同じくそれを「有害」「青少年育成の妨げ」だと忌み嫌う人たちもいなくならない。それに携わる人たちもいなくならない。その青少年たちが年齢を詐称し、自ら進んで入ってくる世界なのだから。実際の話、14歳を18歳だと偽りデリヘル嬢をしてた子も知ってる。結局、めぐり巡って行き着くところは同じなのよね。問題はなんにも解決されてない。

　ただ、やっぱり私のしてきたことって自慢できることじゃないと思ってる。自分が信じて、これだと思って続けてきた。その自負・自信はある。けど、それを見せびらかしたり、それがあるからと大手を振って歩いたりはできない。AVに出ていたことなんて、決して自慢できることじゃないから。事実は事実として存在するけど。

　性風俗に真面目に取り組んでいる人の気持ちも、またそれをふせようとする人の気持ちや状況も、私にはわかる。……わかっているつもり、かな(苦笑）。自分の中に生まれ出た気持ちの板ばさみになっちゃって、自分の気持ちを強くおすことができなくて、ただ

「納得がいきません」

と泣くしかなかった。それしかできなかったんだよね。私が「小室友里」として泣くなんて何年ぶりのことだろう？　それだけスタッフに、関係者に助けられ甘やかされてきたってことなんだろうな。今後、今と同じ、または今まで以上の活動をしていくのであれば、多分もっと風当たりは強くなる。出る杭は打たれるということ。今まで以上に歯を食いしばって頑張んなくちゃいけないんだろうね。今更ながらに「AV女優・小室友里」という名前だけが大きく残っていることを思い知らされる。でもそれがAV界で私がしてきたことに対する、イイコト、ワルイコト、全部ひっくるめた『報い』なんだろうと。

　私だけじゃない。みんなみんな同じような悩みを抱えているんだろうと思う。悩んで、傷ついて、それでも自分がいる場所を探して。

　結局ね、「Naked　Girlたち、頑張ろうぜ！」ってことが言いたかっただけなんだよね。うん。