おいっす！

……会場から（どこの会場だよ！）「おい～っす！」と子供達の声が聞きたいっすね。

先月の上旬に、渋谷の某クラブにて行われたイベントに参加させてもらったんです。その時にも、というかそこで初めて公表したんだけど……。

今年いっぱいで脱ぐ脱がないに関わらずメディアに出るお仕事を引退しようと思います。グラビアも、映画も、舞台もすべて。続けていくのは執筆業だけ。

「もったいない」「まだまだ出来るよ」とありがたいお言葉を何人もの方からいただいて、本当に感謝しています。でも、出来るから、出来ないからじゃないんだよね～。

この世界に飛び込んだ時、まさか自分がこの歳までやるなんて考えもしなかった。考えるほどの余裕がなかった、考えたくなかったというのが正しいんだけど(苦笑）。

その考えもつかなかった歳になってみて、時間的にもゆとりが出てきて。ゆとりが出てくるとこれまでに想像が及ばなかった世界に心が向かう。

『自分の将来』

『これからの人生』

このままでいいのかな?　って思った。

18歳でいわゆる公人に近いものになって。社会の勉強もしないまま、あれよあれよと言ううちにオトナになっちゃった。20代の女盛りをAVとヌードの世界にどっぷりと自分を浸からせて、ホント、井の中の蛙でこれまでの人生送ってきちゃった気がするんだよね。

それがいけなかった、後悔してる……なんて全然思わない。この業界にいたからこそ今の自分が形成されたわけだし、すごく楽しかった。

正直、やっていこうと思えばまだまだやれることはある。女優業にシフトしていけばピンク映画やVシネマの人妻ものや熟女もののお話もあるだろうし、舞台女優としてはまだまだ学ぶべきことはいくらでもある。その間に文筆も出来る。

でも、今のままじゃ『それ以上』がないような気がするんだ。もちろん自分が諦めた時点で『それ以上』がないのは当たり前なんだけど。

AV辞めてから4年。もうすぐ5年だよ。自分自身で思うよ。進展してないなぁって。CD出させてもらったり、舞台に上がらせてもらったり。それはもちろん進展なんだけど、あくまで『小室友里』としての進展であって、自分自身の進展じゃないんだよね。

『小室友里⇔自分自身』

両者が持ちつ持たれつ、支え合ってこの関係が成立してた。お互いに与え合えるものがあった。だから前進してこれたんだと思う。どんなに歩みが遅くてもね。

ところが、今はこうなっちゃってる。

『小室友里⇒自分自身』

あれしなきゃ、これしなきゃって、小室ばっかり焦ってて、自分自身がそれに付いていってない。だから小室が観る世界しか見えてこない。はっきりいって、視野が狭い。このままじゃ芝居をやらせてもらっても、文章を書かせてもらっても、同じところをぐるぐると回っているだけ。なんか、それって意味ないなぁって。

意味がないなんて、生きている時間には存在しないのかもしれない。1分1秒、生きている事実に人間は意味を持っているのかもしれない。けどさ、演者の、エンターテイナーの端くれの端くれとして、それじゃぁいけないんだよね。常に何かを提示しなければ……ね。

今の関係を続けていって、自分自身から発信出来るものを探す。これも手段。そしてリセットをかけるのも……手段のひとつ。

今の自分を迷うならば、リセットしちゃってもいいんじゃないかなって思ったんだ。私はゲームじゃない。今までの人生をゲームでやってきたつもりはない。自分を今まで応援し続けてくれたファンの人も自分を操るゲーマーとして扱ったつもりもない。だからこそ、納得の出来ない自分を見せ続けるくらいなら、リセットをかけようと思ったんだ。……そんなに簡単じゃないけどね。

執筆は……まだ『小室友里⇔自分自身』が成立してる。やりたいことが自分自身から発信出来てる。その間は頑張ってみて損はないよね。いつかAV女優を脱却して官能小説家になる夢も諦めてないし、うん。

決してネガティブな思考で今回の引退を決めたわけではないので、その辺を分かっていただけたらなぁ、と思っちょります、ハイ。

毎度のことながら、牛歩が大好きなワタクシですが、今後ともヨロシクオネガイシマス。　m（_　_）m

であであ、また来月～（ ^_^）/~~~バイバイ!

2004.4.13up