●アジア以外は陰毛処理率90％
昨年春、本連載でCAM4のことを書きました。
アメリカのエロチャットです。
世界中の人たちがここでオナニーやセックスを生中継していて、その意味ではエロ版Ustreamと言ってもいいでしょう。

その原稿で「アジア以外の国の人たちはほとんどが陰毛を剃っている」と書きましたが、前号でデータのことを書いたくらいで、私はなんでもデータをとります。
CAM4でもさまざまなデータもとってまして、陰毛について言えば顕著な地域差が出ます。

アフリカ大陸の人たちはCAM4にはほとんど出ないのでデータがとれないのですが、それ以外の地域で見ると、アジアを除く全地域で9割程度がパイパンです。
残りも、ボーボーというわけではなくて、サイドを落としていたり、ハート型にしていたりします。
残しているサイズも小さいです。
日本女性のようなボーボーは、わずか数パーセントしかいません。

男子は地域差がさらに出て、中南米は9割が残していますが、ヨーロッパでは約半数がパイパン。
なぜかドイツがもっともパイパン率が高くて、男子でも6割に達します。
礼拝の時に首から下を剃る習慣があるので、イスラム圏では、剃った形跡のある人が多いです。

CAM4に出ている点で偏りがありますが、他のデータから推測しても、セックスをする層の女子に関して言えば、欧米、中南米の8割以上がパイパンにしていることはまず間違いなさそうです。
また、スポーツ選手に関しては、男子もその程度かそれ以上の率で絶賛パイパン実施中です。

1990年代には、アメリカのポルノ女優も男優もほとんどがパイパンになってましたが、いったいいつからどうしてこうも剃ることが一般化したのか。
これについてはなお調査中で、仮説の域を出ていないのですが、キーワードになっているのは「陰毛は不潔」ってことです。

事実、陰毛には雑菌が大量についているので衛生上よくない。
そりゃいろんな汁がついたりしますし、布で覆われてますから。

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文 = まつざわくれいち／1958年生まれ。『エロスの原風景』（ポット出版）、『風俗お作法』（小社）など著書多数。
イラスト = 友沢ミミヨ