- 風俗求人てぃんくる >
- コンテンツ >
- 松沢呉一のカシコイおもてなし >
- 第17回
前回のおさらいです。
ある女性が、つきあっている彼氏はゲイかもしれないと疑いだします。
その相談を受けた私の知人は「なんだっていいんじゃね? 今は楽しくセックスできているんだし」と答えます。
ところが、彼女はこう言ったそうです。
「このまま3年間つきあい続けたあとで、彼氏が男に走ったら、この3年間はなんだったのって話になるじゃないですか。そんなことになるんだったら、早く別れた方がいい」
私の知人は「3年間が無駄になる」という意味がわからず、「どういうこと?」と問いただしたのですが、彼女もその感覚をうまく言葉にできず、今度は私が彼から相談されたって次第です。
●「3年間が無駄になる」という発想
「彼女は何を気にしているんですかね」
「うーむ、オレも理解できないが、これは男と女の違いを明らかにする深い課題かもしれないな」
そんな勘が働いて、さらに私はいろんな人に聞きました。
そのカップルがどうなろうと知ったことではないし、その後どうなったのかも聞いてないのですが、話として面白すぎます。
さまざまな人の意見を聞いた結果、ここには男女の大きな差があることがわかってきます。
ことごとくの男性は、私ら同様、彼女が言う「3年間が無駄になる」という発想は「意味がわからない」と言います。
男女を入れ替えて、「3年間つきあっていた彼女が実はレズビアンで、女に走ってふられたらどう思うか」との質問をした時に、「ふられることは悲しいが、そのあと男に走ろうと女に走ろうと関係がない」というのが男たちの考えです。
「そんなことで不安になるより、今現在、好きな彼女とつきあえて、毎日セックスできればいいじゃないか」と。
また、「むしろ自分を捨てて走った相手が女だった方が嫉妬心が生じにくくて気が楽」という男性も多いものです。
文 = まつざわくれいち/1958年生まれ。『エロスの原風景』(ポット出版)、『風俗お作法』(小社)など著書多数。
イラスト = 友沢ミミヨ