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- 第21回
●仕事ができることが韓国では男の条件
韓国に詳しい人が言っていたのですが、韓国では「私と仕事とどっちが大事?」をめぐって、こういうやりとりがお約束になっているんだそうです。
朝、ベッドで起きてもっとイチャイチャしていたい女性が、会社に向かう準備をしている男性にこう聞きます。
「ねえ、もっと一緒にいたいよ」
「ダメだよ、遅刻するよ」
「私と仕事とどっちが大事なの?」
「おまえの方が大事に決まっているだろ」
「ホント? じゃあ、今日は会社を休んで」
「わかったよ、もう会社は辞めるよ」
そう答えて、男性は会社に電話をするふりをします。
「やめて。あなたの気持ちはわかったからもう十分」
二人はしっかと抱き合って儀式は終了し、女は気持ちよく男を送り出します。
韓国では仕事ができることが男性の絶対条件で、仕事より恋愛を大事にするような男性は尊敬されず、女性にもバカにされます。
そういう文化がしっかとあるがために、あり得ない想定を楽しむのかもしれない。
これだったら、私も演技をしないではないですが、お約束が合意されていない日本では、「じゃあ、早く上司に電話して会社を辞めてよ」と言われかねないです。
韓国においても、「私と仕事とどっちが大事?」は女子のセリフと決まっているわけですが、日本の若い世代では、男子もこれを言うと聞いてビックリです。
これを読んでいるのは若い世代が多いでしょうから、言われたことがある人もいるのでは?
文 = まつざわくれいち/1958年生まれ。『エロスの原風景』(ポット出版)、『風俗お作法』(小社)など著書多数。
イラスト = 友沢ミミヨ