レディコミ人生劇場〜さかもと未明さんが愛するレディコミを詳しく解説。〜第３回|風俗求人てぃんくる

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第3回　第3回『ベッドの鉄人』の巻

　みなちゃま、お元気ー?お陰さまで未明も元気でーす！今月はレディコミ界の巨頭として10年以上輝きつづけておいでの、汐見朝子大先生の人気連載、『ベッドの鉄人』(宙出版/コミックス定価630円発売中。アヤ・スペシャルで連載中)シリーズを紹介しようと思います。

　汐見先生といえば、ちょっとSMチックなハーレクイーンでその名をはせたお方。レディコミブーム初期は、実に先生のロマンス系作品連で作られたようなものだとあたしは思っているのね。いつもあたくしは汐見作品の、濃ゆい昼メロ系ストーリーにノックアウトされてました。星がキラキラ、バラがバラバラなバックを駆使して、先生は全盛期少女漫画の香りさえぷんぷんさせて、「これがロマンスよーーっ!！」って作品を見せて下さっていたものです。

　だから正直最初に『ベッドの鉄人』を読んだときはびっくりしたの。あの、ロマンス系汐見作品にいつも出てくる、影のある男性キャラクターとは全然違うタイプのモッサリした男が主人公なんですもの!！どうしちゃったの!？汐見先生!?って思ったわ。

　でもね。これが読み続けるとハマるのよ。この男、一見全然セクシーじゃないのに、実はエッチ道の達人っていうところが妙にセクシー。言葉遣いも「あっ、いけませんね奥様。そんなに欲望をためていてはいけません。……ほら……なんですか？このクリ豆は…（クリ豆って言い方は先生お得意!なんだけど妙にいやらしいよね)淫らな下の唇がヒクついているよ…」なんてだんだんにイヤらしくサディスティックになってくるのが超魅力的!!どこにでもいそうな庶民的なキャラクターがそうして変貌するのを見せつけられるせいで、あたしだんだん近所のクリーニング屋さんとか、酒屋のおにいちゃんのセクシーさに開眼するようになっちゃったわよ!!いやだけど、この言葉責めのすごさ、いやらしさが、なんといっても汐見作品の醍醐味よね。言葉責めが下手な男には、是非とも汐見作品を朗読してもらって、学んでもらうといいでしょう。ホンっと、あんなしゃべり方する男がいたら、あたし絶対好きになっちゃう!!

　本作品は、人物やエピソード、毎回登場する主婦たちの悩みがまたなんとも下世話で、お下品ギリギリなのが魅力。それが汐見先生のお力ゆえに、ものすごく笑えるエッチに昇華されているので、見ていて清々しいほどです。まさに名人芸の域よね。

　さて、この仕事で明るいほうに針がふりきれたのか、この作品がのりはじめて暫くしてからの汐見先生のシリアスものは、ハード&エロティックになる一方!コメディーとシリアス、両方描くひとのほうが振幅激しいっていうか、大きなドラマを見せてくれるのはなぜなんでしょうね。シリアス漫画のSM系責めの激しさが増すほどに、今度はコメディーもより楽しくなっているんですもの。いま現在、汐見先生は第二の大波にのって描いていらっしゃるように見えるから是非チェックよ!!　そのときはイケイケ状態のシリアス系と、コメディー系を食べ合わせてみるのが、新しい汐見作品の楽しみかたかもしれない。互いがスパイスっていうか、補完的な隠し味になっていて、飽きずに深く楽しめると思うの!

　P.S。さらに先生は最近『MAY』(少年画報社）という雑誌で青い香りの青春もののような作品も連載開始！これもひと味違ってすごく楽しめるんだな。まったく、どこを切っても違う味わいなのが汐見作品！ぜひチェックして先生の多彩なエロスを楽しんで頂戴ね☆

■さかもと未明
OLから漫画家へ。レディースコミック、エッセイ等各誌で連載を持ち、最近「文學界」で小説デビューも果たす。著作は「ゆるゆる」（マガジンハウス刊）「だって幸せになりたいんだもん」（朝日ソノラマ刊）等多数ありのスーパーお姐さん。

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