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お金に仕事に恋愛問題、そんな日常のトラブルを解決する法律のなるほど。後藤弁護士がズバリ解決!
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市営公園の遊歩道を歩いていたら、ジャケットの肩に、カラスのフンがボタッ。その後、ジャケットをふいていたら、通りかかった女性が「この公園、木にカラスの巣があるのよね」と教えてくれました。きっと、こんなフン害にあったのは私だけじゃないはず!それなのに、巣が放置されてるってどういうこと?
管理してる市に責任はないの? ジャケットのクリーニング代ぐらい、払え!
- (22歳・フン子さん)
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- 市営公園で、カラスのフンで服を汚された
- そのカラスの巣は、公園内の木の上にある
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国や都道府県、市町村には、公の営造物の設置または管理に瑕疵(かし)(あるべき安全性が欠けていること)があったために他人に損害を与えた場合、それを賠償する義務があります(国家賠償法第2条)。フン子さんを攻撃(?)したカラスの巣があるのは市営公園。つまり「公の営造物」です。ですが、公園内にカラスの巣があることが、「管理の瑕疵」にあたるかどうかは微妙なところです。
たとえば、今までにもフン害が続出しており、市にも苦情があった、または公園の利用者などから巣を取り除いてほしいという要望が出ていた、などの事実があるなら、市の責任は明らか。カラスの巣があることによって被害が出ていることを知りながら放置したことになりますから、「管理の瑕疵」といえます。反対に、これまで問題はなかったのにたまたまフン子さんが被害にあってしまった、というような場合は「管理の瑕疵」とは考えにくく、市の責任を問うのも難しいでしょう。つまり、市に責任があるかどうかのポイントは、園内にカラスの巣があることによって、こうした被害が出ることを予見できたかどうか、ということなのです。
こうしたケースではこれまでの状況によって対応も違ってくるはずですから、まずは市役所に連絡し、状況を説明してみるべき。市の責任が明らかな場合は、損害賠償(国家賠償法第2条)としてクリーニング代などの支払いを求めることができます。ちなみに、「公園内に巣をつくっているカラスが公園の外まで飛んできて服を汚した」というパターンも考えられますが、さすがにこうした場合まで市の責任を追及するのはムリ。くやしいでしょうが、だれのせいにすることもできませんから、いっそのこと「ウンがついた!」と前向きに受け入れたほうがいいかもしれません。
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- 裁判官を15年間務め、1989年より民事専門の弁護士に転身。帝京大学にて法学・労働法の講師を担当するなど、若い女性の「法的トラブル」相談者として活躍中。ペットは猫派。
イラスト/つぼいひろき