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お金に仕事に恋愛問題、そんな日常のトラブルを解決する法律のなるほど。後藤弁護士がズバリ解決!
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3日前、賃貸マンションに引っ越しました。契約する前に内見もしていたのですが、実際に入居した途端、不具合が続出! つけた30分後にエアコンが動かなくなるし、洗面所で水を勢いよく流したらパイプから水が漏れてくるし……。
内見したときはエアコンも動いたし、パイプの水漏れもなかったはず。頭にきて不動産屋に連絡したら、「内見で納得していただいたはずですよね?」だって!
対応も感じ悪いし、修理もすぐにしてくれないしで、もうキレそう。こういうときって、解約したらお金を返してもらえるの?
- (22歳・引っ越し魔さん)
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- 引っ越したばかりの部屋に問題がある
- 内見したときは問題に気づかなかった
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買った物に、普通に注意していても気づかないような隠れた瑕疵(かし/※欠点・欠陥のこと)があった場合、1年以内であれば買い主は売買契約を解除し、さらに売り主に損害賠償を求めることができます(民法第570条、第566条)。これは売買契約に関する法律ですが、賃貸住宅の契約にもほぼ同じことが当てはまると考えてよいでしょう。
引っ越し魔さんは入居前に物件を内見し、設備などをひと通り確認したうえで賃貸の契約をしたわけです。でも、一般に内見は短時間で行うものですから、エアコンをつけてみるのも、洗面所の水を流してみるのも、ほんの短い間のはず。そして、そのとき異常に気づかなければ「大丈夫!」と判断するのが普通です。ですから、実際の生活の中で使ってみたらあれもダメ、これもダメ、というのは、明らかに「普通に注意していても気づかないような隠れた瑕疵」といえるでしょう。
引っ越し魔さんは、エアコンも洗面所もきちんと使える部屋を借りる契約をしたのですから、それが使えないのは、相手側の契約違反。引っ越し魔さんは、これらの瑕疵を理由に契約を解除し、さらに損害賠償を求めることができます。「契約解除」というのは、契約を結ぶ前の状態に戻すわけですから、前家賃、敷金、礼金、仲介手数料など、契約時に支払ったお金はすべて取り戻すことができます。さらに、損害賠償には、引っ越し費用なども含めることができます。また、不動産業者が物件の瑕疵を知りながら、引っ越し魔さんが内見したときにわざとそれを隠して告げなかった場合は、詐欺罪(刑法第246条)が成立する余地もありますよ。
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- 裁判官を15年間務め、1989年より民事専門の弁護士に転身。帝京大学にて法学・労働法の講師を担当するなど、若い女性の「法的トラブル」相談者として活躍中。ペットは猫派。
イラスト/つぼいひろき