- 風俗求人てぃんくる >
- コンテンツ
お金に仕事に恋愛問題、そんな日常のトラブルを解決する法律のなるほど。後藤弁護士がズバリ解決!
-
急にお金がいることが続いてどうしてもお金が足りなくなり、職場の同僚のS子に3万円借りました。借りたのは給料日の1週間前。迷惑をかけたくなかったので、給料が出たその日にお金を返しました。私は最初、お礼を言って3万円渡したのですが、S子に「利息も払って」と言われてびっくり。まさか友達に利息を取られるとは思っていなかったんです。金額を聞くと、「5000円」。そのときは仕方がないのかな、と思ってなんとなく払ってしまったのですが、あとから考えると高過ぎるような気がします。それに、お金を借りるとき、利息のことなんて何も言わなかったのに。払った利息を全額、または一部、返してもらうことはできる?
- (25歳/弱気で損したさん)
-
-
- 友人にお金を借り、1週間後に返した
- お金を返すとき、利息を請求されてその分も支払った
- お金を借りるとき、とくに利息についての取り決めはしなかった
-
お金の貸し借りに利息がつくのは当然、と思っている人もいるかもしれませんが、それは間違い。必ず利息が発生するのは、「商行為(利益を得るための仕事)」としてお金を貸した場合に限られます。それ以外のケースで利息を取ることができるのは、お金を貸すときに利息の取り決めをした場合だけ。「借りるとき、利息のことなんて何も言わなかった」のであれば、S子さんに利息の請求権はありません。すぐに全額返してもらいましょう。
また、仮にS子さんが商行為としてお金を貸したのだとしても、5000円の利息は高過ぎです。利率に関する取り決めをしなかった場合に請求できる利息は、年に6分まで(商法第514条)。取り決めをした場合も、利息制限法の定めによると、元本が10万円未満の場合は年2割、10万円以上100万円未満の場合は年1割8分、100万円以上の場合は年1割5分が利率の上限。それを超える分は無効になります(同法第1条1項)。弱気で損したさんが借りたのは3万円、借りた期間は1週間ですから、発生する利息は最大で115円(3万円×0.2÷365日×7日=115円)。支払った5000円のうち、4885円は無効となります。法律では、任意(自由な意思)で支払った利息の返還を求めることはできないことになっていますが(同法第1条2項)、弱気で損したさんはS子さんの言葉で利息が正当なものだと思い込んでしまったわけですから、任意で支払ったとはいえません。S子さんとよく話し合い、せめて無効となる分は取り返しましょう。
-
- 裁判官を15年間務め、1989年より民事専門の弁護士に転身。帝京大学にて法学・労働法の講師を担当するなど、若い女性の「法的トラブル」相談者として活躍中。ペットは猫派。
イラスト/つぼいひろき