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お金に仕事に恋愛問題、そんな日常のトラブルを解決する法律のなるほど。後藤弁護士がズバリ解決!
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賃貸マンションの2階にある私の部屋、ベランダには非常階段のような外階段が付いていて、簡単に入ってこられます。ある休みの日、部屋でくつろいでいたら、ベランダに人影が! びっくりしてよく見ると、下の階に住む大家のおじいさん。声をかけてみると、「掃除をしてた」って……。どうも、今までもちょくちょく私の部屋のベランダ掃除をしていたみたいなんです。同じマンションに住む大家さんとはいえ、これって不法侵入じゃ……?
- (キャー娘さん/ 21歳)
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- 賃貸マンションの2階にある自室のベランダに、大家さんが無断で入ってきた
- ベランダには外階段がついていて、出入りは簡単
- 大家さんはこれまでにも無断でベランダに入り、掃除をしていた
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部屋でくつろいでいたら、ベランダに人影が! なんてことがあったら、驚くのは当たり前。大家さんは、不審者として警察に通報されなかっただけでも運がよかったと思うべきです。法律上、マンションのベランダは、居住者の共用部分(建物の区分所有等に関する法律第4条)です。でも、だからといってすべての居住者が自由に出入りしてよいわけではありません。
人には、平穏に暮らす権利があります。ベランダは部屋に付属しているものですから、部屋で平穏な生活をする権利は、このベランダまで及ぶものです。部屋でくつろいでいる時にベランダに勝手に入ってこられたら、この平穏を害することは間違いありません。ベランダに出入りすることによって他人の生活をかき乱すことは許されません。大家さんのしたことは住居侵入罪(刑法第130条)に当たります。
大家さんにしてみれば、「自分の所有する物件」という気持ちからしたことなのでしょうが、貸している以上、どうしてもベランダの掃除がしたいのなら、キャー娘さんの許可をとるべき。たとえ所有者(大家さん)であっても、緊急時以外は、居住者の許可なく部屋や部屋につながるベランダに出入りすることは許されないのです。
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- 裁判官を15年間務め、1989年より民事専門の弁護士に転身。帝京大学にて法学・労働法の講師を担当するなど、若い女性の「法的トラブル」相談者として活躍中。ペットは猫派。
イラスト/つぼいひろき