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お金に仕事に恋愛問題、そんな日常のトラブルを解決する法律のなるほど。後藤弁護士がズバリ解決!
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うちの家族の趣味はマージャン。私が実家に帰るたびに、両親&兄と私とでジャラジャラ楽しんでいます。盛り上げるために、毎回、お金も賭けているのですが、金額はほんのちょっと。ひとり勝ちしても、数百円にしかなりません。ゲーム感覚で家族で楽しんでいるんだし、賭けているお金だって少しだけなんだから、私たちがしていること、「賭博」じゃないですよね? 警察にバレても、つかまったりしないですよね?
- (リーチ一発さん/ 21歳)
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- マージャンをするとき、現金を賭けている
- マージャンをするのは家族だけで、他人が加わることはない
- 賭けている金額は、とても少ない
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競馬、競輪、競艇といった公営ギャンブル以外の賭け事は法律で禁止されており、違反すると賭博罪(刑法第185条)に問われます。賭博に当たるのは、技術や能力ではなく、偶然勝負が決まるもの。ただし、「一時の娯楽に供するもの」を賭けた場合は罪になりません。例えば賭けの対象が、ちょっとした菓子類や食事など、すぐに消費してしまうようなものならセーフです。
リーチ一発さんのケースでは、マージャンに現金を賭けています。マージャンの場合、上手下手はあっても、並べられた牌を順番に引いていくわけですから、勝敗は「運」に左右されるはず。また、現金は額の多少にかかわらず、「一時の娯楽に供するもの」とは見なされません。家族で楽しんでいるものであろうと、賭けているのが少額であろうと、賭けマージャンは賭博罪に当たります。でも、牌をジャラジャラ混ぜている音を聞きつけて警察が踏み込んでくるかといえば、その心配はないでしょう。そもそも賭博が罪に当たるのは、偶然お金がもうかる賭け事を認めてしまうと、国民の勤労意欲が失われ、社会が乱れてしまう可能性があるため。家族間のゲームで数百円のやりとりをしたからといって、「地道な仕事はやめてギャンブルで生きていこう」とは思わないでしょうから、あえて立件はしないのが普通です。ただし、逮捕されることはなくても、賭けマージャンが違法行為であることは確か。これからは現金ではなく、お菓子などを賭けて楽しみましょう。
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- 裁判官を15年間務め、1989年より民事専門の弁護士に転身。帝京大学にて法学・労働法の講師を担当するなど、若い女性の「法的トラブル」相談者として活躍中。ペットは猫派。
イラスト/つぼいひろき