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お金に仕事に恋愛問題、そんな日常のトラブルを解決する法律のなるほど。後藤弁護士がズバリ解決!
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駅から自宅へ帰る途中に広い歩道があり、深夜にそこでスケボーをしている男の子たちがいます。いつも危ないとは思っていたのですが、この前、仕事帰りにぼんやり歩いていたら、スケボーに乗った子と激突! 私は転んで手首をねんざしてしまいました。でも、私を転ばせた男の子は、「すみませ~ん」なんてお気楽に謝っただけで、スケボーで逃走。これって、ひき逃げじゃないの?
- (全治10日さん/25歳)
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- 歩道を歩いているとき、スケボーに乗った男の子とぶつかった
- ぶつかったせいで転び、手首をねんざした
- スケボーに乗っていた子は、謝っただけで行ってしまった
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法律では、交通事故を起こした車両の運転者に、すぐに車などを止め、けがをした人の救護や道路における危険防止の措置をとること、警察に事故を報告すること、などを義務づけています(道路交通法第72条)。事故の際にこうした義務を果たさず、けが人を助けもせずに立ち去るのが「ひき逃げ(救護義務違反)」です。全治10日さんのケースでポイントとなるのは、衝突した乗り物の種類です。けが人の救護などが義務づけられているのは、「車両」の運転者。言い方を換えれば、車両の運転者でなければ道路交通法上の救護の義務はない、ということになります。
法律で「車両」とされているのは、自動車、原動機付き自転車、軽車両、トロリーバス、の4種類です。唯一、スケボーが当てはまりそうな「軽車両」に含まれるのは、自転車、荷車のほか、人や動物、ほかの車両にひかれて走る車やそり、牛馬など。さらに自転車は、「ペダルまたはハンド・クランクを使って人の力で運転するもの」と定義されています。以上のどれにも当てはまらないスケボーは、つまり「車両」ではない、ということになります。そのため、救護義務を果たさずに逃げても、道路交通法上はひき逃げにはなりません。
ただし、歩行者の場所である歩道でスケボーを乗り回すのは、明らかに危険な行為。全治10日さんは、スケボー少年の不法行為を理由に、治療費などの損害賠償を請求することができます(民法第709・710条)。スケボー少年がわざとぶつかったような場合は、傷害罪(刑法204条)に当たる可能性もあります。
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- 裁判官を15年間務め、1989年より民事専門の弁護士に転身。帝京大学にて法学・労働法の講師を担当するなど、若い女性の「法的トラブル」相談者として活躍中。ペットは猫派。
イラスト/つぼいひろき