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お金に仕事に恋愛問題、そんな日常のトラブルを解決する法律のなるほど。後藤弁護士がズバリ解決!
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ローン会社から、私が保証人になっていた、いとこのA男の借金を返せ!という連絡が来ました。A男に確認してみると、確かに返済が滞っているということ。でも、A男は持ち家に住んでるし、わりといい車も持っています。現金がなくたって、お金に換えられる財産はあるんです。だから、ローン会社に私から支払いはせず、次に電話があったとき、A男本人が家や車を持っている、ということを話しました。でも、なぜか私への請求が続くんです。ローン会社のしてること、おかしいですよね?
- (借家住まいさん/27歳)
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- いとこのA男がローン会社から借金をした際、保証人になった
- A男の返済が滞り、ローン会社から、返済を求める連絡があった
- A男は、家や車などの財産を持っている
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いわゆる「保証人」には、単なる「保証人」と「連帯保証人」の2種類があります。この2つ、名前は似ていますが、中身は大違い。ポイントは、連帯保証人がお金を借りた本人と同じ責任を負わされるのに対し、保証人には「催告の抗弁(民法第452条)」と「検索の抗弁(民法第453条)」の権利があることです。催告の抗弁とは、「保証人である私に言う前に、お金を借りた本人に請求してよ!」と求めること。検索の抗弁とは、「本人が財産を持ってるから、先にそっちを差し押さえて!」と求めることです。つまり保証人の場合、まずはお金を借りた本人が財産を処分し、それでも足りない分を支払う責任を負います。でも連帯保証人の場合、返済を求められたら、たとえ本人がお金や財産を持っていたとしても、お金を返さなければならないのです。
では、ローン会社との契約で、借家住まいさんが「保証人」となっていればセーフか? といえば、残念ながらそうではありません。お金を貸すのが商売のローン会社から借金をすることは、「商行為」です。日本の法律では、商行為の保証人は、すべて連帯保証人と見なされるのです(商法第503条、511条2項)。つまり、知り合いからお金を借りたような場合なら、書類上「保証人」となっていれば、「まずはA男に……」と言うことができます。でも、相手がローン会社の場合、返済を求められたら、とにかく返さなければなりません。返済せずにいると、給料差し押さえなどの強制執行をされる可能性あるので、気をつけましょう。
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- 裁判官を15年間務め、1989年より民事専門の弁護士に転身。帝京大学にて法学・労働法の講師を担当するなど、若い女性の「法的トラブル」相談者として活躍中。ペットは猫派。
イラスト/つぼいひろき