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お金に仕事に恋愛問題、そんな日常のトラブルを解決する法律のなるほど。後藤弁護士がズバリ解決!
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長く一緒に暮らしていたA男が、突然、帰ってこなくなりました。共通の友達からの情報によると、別の女性と付き合い始め、その娘の家に転がり込ん
でしまったらしい……。電話にも出ないので、きちんと別れ話もできませんでした。A男のやり方が頭にきたし、彼を思い出すのもイヤだったので、うちに残っていたブランドものの洋服やアクセサリー、マンガなど、彼のものはすべて、質店やネットオークションで処分してしまいました。でも、出て行ってから半年後、急にA男から連絡があり、自分の荷物を送ってほしいと言うんです。「もう処分してしまったと」言うと、「弁償しろ」って……。勝手に出て行って、連絡を絶ったのはA男なんだから、弁償する必要なんてありませんよね?
- (断捨離子さん/2 2歳)
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- 同居していた彼が突然出て行き、ほかの女性と暮らし始めた
- 連絡を取ろうとしたけれど、彼が電話にも出なかった
- 家に残っていた彼の洋服などを、質店などで処分した
- 半年後、彼から洋服などを返してほしいと言われた
- 処分してしまったことを伝えたら、弁償を求められた
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A男さんに腹を立てる気持ちはわかりますが、状況は断捨離子さんにとって不利。A男さんの態度に問題はありますが、彼は、自分の持ち物の所有権を放棄したでしょうか? または、断捨離子さんに贈与したでしょうか?
残していったもののうち、特に高価だったり貴重だったりしないと思われるマンガは、所有権を放棄したと考えることもできます。ただし、ブランドものの洋服やアクセサリーは、簡単に「もういらない」と思うようなものではないでしょう。さらに、衣類などは男性用でしょうから、断捨離子さんが彼からプレゼント(贈与)されたと解釈するのも不自然です。つまり、マンガ以外のものは、出て行ったあともA男さんの所有物。断捨離子さんに処分する権利はないため、弁償に応じなければならないでしょう。
ただし、二人が「内縁関係」にあったのなら話は別です。内縁とは、「結婚式は挙げたけれど、籍は入れていない」「知人や家族から夫婦と認められている」など、世間的には夫婦として通用している関係のこと。その場合、彼からの一方的な同居の解消は、離婚とほぼ同じです。「捨てられた妻」である断捨離子さんには、二人でつくった財産を分け合う財産分与と、彼の浮気による離婚で心を傷つけられたことに対する慰謝料を請求する権利があるのです。弁償する義務がなくなるわけではありませんが、彼に痛い思いをさせることができて、少しはスッキリするはず。慰謝料などをもらえれば、経済的な負担も軽くなるのではないでしょうか。
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- 裁判官を15年間務め、1989年より民事専門の弁護士に転身。帝京大学にて法学・労働法の講師を担当するなど、若い女性の「法的トラブル」相談者として活躍中。ペットは猫派。
イラスト/つぼいひろき