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しかし、実際のところはどうなんでしょうか? まず、風俗やAVで働いている、あるいは働いたことのある女の子の実数を考えてみましょう。この連載の第3回で書いたように、現在都内の風俗店で働いている子だけでも5万人という数字を算出できます。経験したことがある人数ともなれば、その数倍。さらにAV経験者の数字をここに加えると、何十万人というレベルになります。それほど、風俗やAVの仕事に関わったことのある女の子は多いのです。そして、それはこうした仕事から他の仕事へ「転職」した女の子が、僕らの想像以上にたくさんいるということでもあります。そんな女の子は、少しも特別な存在ではないのです。
とある試算によれば、現時点で風俗などで働いている20代前半の女性の数は、同年代の女性のフリーターの数と、なんとほぼ同じ。もはや風俗やAVは、(数の上では)普通のバイトと変わらなくなってきているということなんです。この傾向はますます進むでしょう。と、なれば、元風俗嬢・元AVモデルというのは、元マックのバイト、元コンビニのバイト、という意味とあまり変わらなくなってしまうかもしれません。 元コンビニのバイトから転職、とはあまりいわないように、元風俗嬢から転職、とことさらいうこともなくなるわけですね。ま、そこまではオープンにはならないでしょうが。
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女の子が風俗などで働いて、一度金銭感覚が狂ってしまったら、もうまともな生活ができない、など思っている人もいるでしょうが、実際はそうでもないというのが、こうした数字からもわかるでしょう。だって、それならば世の中は、もっと「まともじゃない」女性ばかりで溢れているはずですから。 「実は私も昔、風俗やってたことあるんですよー」 と、僕に打ち明けてくれる現在カタギの女の子、たくさんいますもん。大丈夫。ちゃんと元に戻れますって。もちろん本人次第なんだけど。
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ただ、辞めた当初は連絡をくれていた子も、だんだん音沙汰がなくなっていっちゃう。どうしたかなぁ、と思って連絡してみようとすると携帯番号もメールアドレスも、変えられていたりします。 だから実は本当のところ、辞めた子がその後どうしているのか、あまりわからないんですよ。カタギに戻って幸せにやっているのだったら、ハダカ仕事をやっていた過去は一切封印したくて、僕らとも縁を切っちゃいたいんでしょうけどね。 ああ、今でもちゃんとやってるなぁって、僕がわかっている女の子って何人もいないんですよね。僕としては、みんなきっと上手くやってるんだろうと思うしかない。そう思いたい。
というわけで、このコラムを読んでいる、元風俗嬢、あるいは元AVモデルという方がいらっしゃいましたら、今の生活について教えてもらえませんか? 数字の上では、ものすごい数がいるはずなのに、実情がまったくわからない「元」の人たちの話、聞きたいんですよね。もちろんプライバシーは守りますよ。安田理央までメールください。お願いしますです。 |
安田理央(やすだ・りお) 1967年生まれ 埼玉県出身 美学校考現学研究室卒業。雑誌編集プロダクション勤務、コピーライター業を経て1994年よりアダルト系フリーライターに。得意なジャンルは、風俗、AV、デジタルエロ、マンガなど。現在、『デラべっぴん』(英知出版)、『BUZZ』(ロッキングオン)をはじめ多数の雑誌でコラムを連載中。著書に『OPEN&PEACE 風俗嬢ヴァイブス』(メディアックス)など。またAV監督、デジタルカメラマン、バンドのボーカリストなどとしての顔もアリ。妻子もアリ。 http://www.lares.dti.ne.jp/~rio/index.html |
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撮影/安田理央 |