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しかしTさん、ソープ時代に患っていた鬱病のため、その仕事も長くは続けられなかったのです。結局こっそり風俗に戻ることになりました。その時は「やっぱり私は風俗でしか生きられないのかな~」なんて思ったそうです。ところが、そうこうしてるうちに、Tさんは今のご主人と出会いました。鬱病のことも、ソープ嬢をやっていたことも素直に話しました。ご主人は少し驚いたものの、構わないと言ったそうです。Tさんは1年前に結婚、今は専業主婦です。「旦那の愛のおかげで、今は鬱も完治しました」だそうですよ。熱いよ、ヒュー、ヒュー。
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「やっぱり、今は不況ですし一般人に戻るのはなかなか難しいと思います。資格や技能などがないと、なかなかね…。私も、たまに元同僚から相談されます。今までソープの世界にどっぷりだったので、他の世界のことがわからないというんですね。でもいくらこちらがアドバイスしても、最後には『あんたのような勇気はない』という答えがほとんどなんですが…」
そうですね。新卒の女子大生でも簡単には就職できない時代ですからね。別に風俗嬢じゃなくてもキビシイんだよなぁ。ま、問題はいきなり給料が下がることでしょうね。Tさんみたいに時給4万円(!)が850円になってしまう覚悟も必要なのかと。しかし凄いですね、約50分の1ですよ。
「やっぱり時折、戻ろうかなって考えが頭をよぎります。一ヶ月、夜だけバイトしてがっちり稼ごうかしら、なんて思います」 とあったのはLさんからのメール。 |
Lさんはセクパブ、キャバクラ、そしてSMの女王様を2年ほどやっていたそうで、現在は某会社で現場責任者。彼女もセクパブ時代には最高130万円も稼いでいたそうですが、現在は20万足らず。うーん、それは厳しい。厳しいけれど、これも現実。 Lさん、今でも当時のお客さんたちと連絡をとって友人付き合いをしているそうですし、職場の仲間でも何人かはSM時代のことを知っているとか。
「飲み会の席で、たまたまSMの話が出た時に何も現場を知らない人に知ったかぶりされたりすると、一所懸命やってただけに悔しくて、つい『そうじゃないですよ』なんて話しちゃうんですよね。大人げないですね。SMの仕事をやっていたことは後悔してません。バレるなら、ばれろと思ってます。もしバレても『わかったのはそれだけですか?』なんて言えますから…」 |
さすが現場責任者をまかせられるだけあって、しっかりしてますLさん。そんなしっかりした人でも、つい戻ろうかななんてことを考えちゃうわけです。
風俗に戻ることが悪いことなのかどうかは難しいトコですよね。僕ら、客の立場で考えても、戻ってきてくれるのは嬉しいのか、それともどこか寂しい気持ちになるのか…。風俗の仕事は悪いことじゃない、そう思ってる僕でも、複雑な気持ちになっちゃうんですよね。
OLをしながら、キャバクラやSMクラブ、そしてAVモデルをしていたKさんは、彼バレがきっかけでこっちの仕事を辞めました。
「27歳なので、いつまでもこの手のお仕事できないな、こういう生活も、もういいかな、と思って携帯の番号とメールアドレスを変えました。でもAVなどをやったことには後悔はしてません。勉強にもなったと思ってます。若気のイタリで決めたことじゃなかったから、始めた時からいろんな気持ちがありました。これはバレた彼をはじめ、誰にいってもわからないとも思うけど。いっしょうけんめいモノをつくるっていいじゃないですか。業界にはいろんな人、いましたけど。仕事に真剣にとりくんでいる、だけどちょっとおかしい人ばかりでおもしろかったですよ」
Kさんからのメールはこう結ばれていました。 「うまく元の世界?に戻れた人にもやっぱり抜けられなくって戻ってしまう人にも、全ての女にがんばれーって思います」
僕もがんばれーって思いますよ。メールをくださったみなさま、どうもありがとう!
でも、もっとメール待ってます。卒業生(笑)の近況、もっと知りたいです。
※(写真は本文とは関係ありません) |
安田理央(やすだ・りお) 1967年生まれ 埼玉県出身 美学校考現学研究室卒業。雑誌編集プロダクション勤務、コピーライター業を経て1994年よりアダルト系フリーライターに。得意なジャンルは、風俗、AV、デジタルエロ、マンガなど。現在、『デラべっぴん』(英知出版)、『BUZZ』(ロッキングオン)をはじめ多数の雑誌でコラムを連載中。著書に『OPEN&PEACE 風俗嬢ヴァイブス』(メディアックス)など。またAV監督、デジタルカメラマン、バンドのボーカリストなどとしての顔もアリ。妻子もアリ。 http://www.lares.dti.ne.jp/~rio/index.html |
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撮影/安田理央 |