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大人の階段登る……お話を聞いたあと、小室の頭にはあの曲がリフレインしてました。誰しも悩み、心痛めながら自分のあり方を見つけてゆくんだね。ねだらず、掴み取る未来は本物だ! 今月は町田・くりぃむのひめちゃんのインタビューです。
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- 第54回 ひめちゃん(21)
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名前:ひめ
年齢:21歳
生年月日:ヒミツ
星座:ヒミツ
血液型:ヒミツ
趣味:猫と遊ぶ
お仕事歴:3年
出勤:5日/週
月収:80万/月
所属店舗:「ぶっかけ!!服射女学園 くりぃむ」
http://www.fukusya.com/
「初めは誰しも完璧にできるわけではありません。あなたの優しさ、一生懸命さがお客様に伝われば十分だと思います。分からないことやご相談など、何でもスタッフに聞いてくださいね」
キャバクラだと思って、面接に行ったら実は……
- ●風俗を始めたきっかけは?
- 「ほかの仕事もしながら掛け持ちで始めたんですけど、たしか貯金したかったんじゃないかな。ずいぶん前のことだからよく覚えてないんだけど……初めはキャバクラにいたんですけど(風俗に)体験入店してみたらやれそうだなと思って」
- ●キャバクラではダメだったの?
- 「お酒も飲めるしやれないことはなかったんだけど、喋るのがあまり得意じゃなかったし騒がしいのも苦手で。風俗はお客さんと1対1で接客出来るから。正直お金も違ってた」
- ●どう違ってたの?
- 「キャバクラって何もしなくても時給でお金がもらえて、今考えればそれってラクかも!?って思うけど、風俗は1回のお金が大きいでしょ。そうそう! 思い出した! 初めはティッシュに書いてある広告を見て面接行ったんです。キャバクラって書いてあったのに、行ったらピンサロだったんだ!」
- ●えっ!? そうなの???
- 「キャバクラじゃないの?って聞いたらそんなお店はないって。やけに時給がいいと思ったらそういうことだったらしくて(苦笑)」
- ●そこが風俗デビューだったのね。
- 「1年くらい続けたのかな? でも、そのときの彼氏が性病になっちゃったんです。そこのお店の衛生管理がすごくしっかりしてたとは言えなかったし、やっぱり私が移しちゃったんじゃないかと思って。それでしばらく風俗は辞めたんです」
- ●戻って来たのはどうして?
- 「そのときの彼氏がスロッターだったんです。しかも勝ってないスロッター」
- ●それって最悪じゃん(苦笑)!!
- 「そう! しかも私が何をしてるとか、そのお金はどこから沸いてくるとか無関心でただ遊べる金があればいいなぁくらいにしか思ってなかったんです」
- ●かなりの額を渡してたんじゃないの?
- 「それでも負けたらご飯おごる程度で。ギャンブル以外のところをお手伝いしてたかな。それでも自分も一緒に打ってたから出費はかさみましたよね」
- ●じゃぁ彼のために戻って来たの?
- 「いや、自分のためです。欲しい物とかやりたいことのために貯金とか。正直お金の回りがよかったのは大きいかも。免許取ろうとか、家買ってやる!って思ってました」
- ●おお~! それはすごい!
- 「でも、いつの間にかこのお金は何のために貯金してたんだっけ……?って、本当の目的が何だったのかわからなくなっちゃうんですよね」
基本的に身体を動かす仕事が好きです
- ●身体を使ったサービスをすることに抵抗感はなかったの?
- 「最初はありましたよ。でもそれってその日の気分かも」
- ●気分?
- 「今日は放っといてほしいのにしつこくされるとイヤだとか。私はそういうところですごく左右されるかな」
- ●同じことされてもいい日と悪い日があるの?
- 「具体的にこれはダメ!っていうのはないんだけど自分でもどこからNGなのかわかんない。例えば……『今日は顔NG』とか」
- ●今日は、なのね(笑)?
- 「そうそう(笑)。だからスタッフさんに『次のお客さんこういうオプションなんだけどやれる?』って聞いてもらってます。生理中にあんまりハードなことしたくないし、放尿だって出ないときは出ないですよ~。55分コースでオプションつけたとしても、出したばっかりだったら出来ないし」
- ●現在のお仕事は風俗一本?
- 「前は新聞配達や建築現場とかのバイトを掛け持ってましたけど。基本的に身体を動かすほうが性に合ってるみたい。あと単体で動ける職種」
- ●集団行動は苦手?
- 「パチンコ屋さんで働いてたときは仕事終わりは必ず飲み会があって、ほぼ毎回出席してましたよ。なんていうか、すべて自分の責任でやれる仕事がいいんだと思う」
- ●風俗のお仕事で楽しいと思えることは?
- 「お客さんとおしゃべりするのは楽しいですね。年齢も自分と全然違うし。私のお客さん、30~40代の人ばかりで自分が知らないことを話してくれるとあんまり興味がなくても聞き入っちゃいますよね」
- ●お金の面では?
- 「その日によるかな。1人こなしたから幾らって考えないようにしてます。今日はこれだけ稼げたって思ってても清算のときに考えてた以上にもらえたらうれしいでしょ? 短い時間で間を開けずにやれる感じがいいです」
- ●そういえばひめちゃんの勤務時間って1日4時間なんだよね。
- 「わがままだけど1日4時間なんとか埋めてもらってます。時間が長いと、次の日がキツいし、次のお客さんまで時間が空いて、その間に(気持ちが)落ちちゃう。だったら次の日に切り替えたほうがいいかなって。その代わり週5、週6出てます」
- ●一度テンション落ちると上げるの大変じゃない?
- 「大変ですね。私はお客さんがつかなかったら帰っちゃう」
- ●か、帰っちゃうの~(笑)???
- 「帰ってゲーセンとか行っちゃう。全然違うことしないと気持ちが続かない。それでもついダラダラしちゃうと……『無』になる」
- ●無……!?
- 「接客ギリギリまで、例えば携帯で仕事とはまったく関係ないことをしながら向かえば、あとはもうやるしかないでしょ?」
- ●落ちたときって素の自分が出て来たりするよね。ここにいるひめちゃんと、ホントのひめちゃんって違うのかな?
- 「結構違いますね。ひめは何もに考えてないように思われてるかも。『悩みなさそうでいいね』って結構言われる。けど、一人でいるとよく落ちてますよ。将来のこととかしょっちゅう考えるし。実行出来るんだけどしようとしない自分がいて……」
- ●そういうときもあるよ。将来どうなったらいいなと思うの?
- 「落ち着きたい。まずははっきりとした目標を立てて動けるようになること。今はまだ見つけられないんだけど、それが見つかったときお金がなかったら出来ないかもしれないでしょ」
- ●小さなことをコツコツやって大きな目標を達成したい、と。
- 「大きすぎても届かないと思うから。それに遠すぎても夢を見てるだけになっちゃうかもしれないし」
- ●お仕事はいつ頃までにあがろうか、なんて考えてたりするの?
- 「2年後までには……多分このままだと辞められなくなる気がして。前も同じようなこと言ってたんです。あと3ヵ月、あと半年で辞めるからって。でも、それじゃいけない、今回ははっきりしようと思って」
- ●一般のお仕事に就くってことね。
- 「全部じゃなくても掛け持ちはしたほうがいいと思う。(掛け持ち)してる頃は自分を切り替えられたんです。けど、風俗一本に絞ったらお金は稼げるけどダラダラしちゃって。稼げた翌日はまぁいいや、なんてお休みしちゃったり。自分でもよくない方向に変わってるなと思うんです」
- ●自由出勤の盲点かもね~。
- 「それに前のほうが目標を持って働けてたと思うんです。風俗ってお金稼げるぶん、現実社会とちょっとずつ離れてっちゃうのかも。私自身、現実見えてないなって思うことがよくあるもの。お客さんと話してると『戻ってる』と思うんだけど……バイトするにしても今はなにをしたらいいのやら……って感じです」
- ●バイトだってそれがやりたいと思わなきゃ踏み出せないよね。
- 「どうしたらいいか見えてるんだけど、この状況からなかなか抜け出せなくて」
元彼とは不倫だったんです
- ●そう感じることが大事なんだよ。ところで今彼氏はいるの?
- 「いやそれが……いたはいたんですけど……」
- ●別れちゃった?
- 「つい最近。キャバクラで体験入店してたときに知り合った人なんですけど……不倫だったんです」
- ●だった? 過去形?
- 「奥さん子供と別れて私のところに来たんです。すごくうれしかったんだけど、じゃぁ自分がその人と将来を考えられるか?って言ったら、前の奥さんと同じように捨てられたくないし、そんな要素が彼の中に見えるんですよね」
- ●彼も相当覚悟して、ひめちゃんを選んだんじゃないの?
- 「彼の場合は、ただの現実逃避ですね。最初は現実から逃げるのに私の存在が都合よかったんだと思う。自分の結婚願望はあるけど相手は彼じゃない。だって、彼自身『そうなったらまた逃げちゃうかも』って言ってるくらいだし」
- ●マージーでー!?
- 「仕事のことも、よく思ってなくてケンカしても『いい客がついたんだろ』とか言われちゃうし。それでもはっきり『辞めろ』って言わないのは辞められたら困るから。収入面で」
- ●助けてたんだ。彼、仕事は?
- 「してなかったんです。ていうか、私のところに来てしなくなっちゃったんですよね。彼の仕事って、前妻さんのお義父さんの仕事をやってたんです。だから家族を捨てたときに一緒に仕事も捨てて来ちゃったんです」
- ●でも、仕事してくれないと困るよね?
- 「ホントに困ってた。仕事してって言ってもしないんだもの。収入がいくらあるかなんて言えないし『本当は風俗って稼げないんだよ』って半分くらいはヘソクリして。使い込みとかはなかったからまだよかったけど……」
- ●友だちに『早く別れな』って言われなかった?
- 「言われた言われた(笑)! けど、そうじゃないと頑張れないような気もしてたんです」
- ●仕事を?
- 「そう。今は自分のために頑張ってますけどね。風俗やっててもほかの仕事は見つけたいなって思うし」
- ●今考える、風俗を完全にあがるタイミングっていつだと思う?
- 「目標を達成したとき、かな。今はまだそれがみつけられないけど。それか本当に好きな人が出来たときかな。ちゃんとした人で(笑)」
- ●恋人のために風俗をやめるって、ひめちゃんは出来る?
- 「出来ますね。そりゃ確かに時給800円とかになっちゃって、しばらくはキツいだろうけど……そういう日がいつ来てもいいように、今は頑張って貯めないと。そうしないとこの仕事してる意味がないですよ。せめて1年くらいは生活出来るような額を貯めて、それから動き出したいです。とにかくいろんな意味で『落ち着くこと』が今の私の目標ですね。」
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1975年7月28日生まれ。獅子座O型。
18歳でグラビアデビュー。AV女優として4年間活動した後、女優兼ライターに転身。現在は映画、舞台、執筆、講演会を中心に活動中。趣味は自転車に乗ること。 -
- ☆小室友里自身が書き上げた自叙伝「Confession~告白~」好評配信中☆
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