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第24回 エイズ後天性免疫不全症候群
エイズの原因、HIVの感染者は年々増加しています。
もはや人ごとではない、あなたの身近に存在している感染症です。
監修/赤枝恒雄(赤枝六本木診療所)
まずは『エイズ』を知ることから始めよう
エイズは「後天性免疫不全症候群」といい、病原菌などから身体を守る役割を持つ、免疫システムが機能しなくなる病気です。
エイズの原因は「HIV(ヒト免疫不全ウイルス)」というウイルス。このウイルスが体内に入ると、CD4陽性細胞という、免疫力を持つ細胞を破壊。長い時間をかけて、徐々に身体の免疫システムを低下させるため、健康な状態では発症しにくい感染症やガンなどの病気にかかりやすくなってしまうのです。そして、このような病気が発症した状態をエイズと呼びます。アメリカやカナダなどの先進国はエイズ患者が減少傾向にあるのに対し、日本は年々増大。無自覚な感染者が、感染を広めている実態があります。
唾液や尿では感染しない!
HIVが含まれる体液と感染経路
エイズの原因となるHIVはHIV感染者の血液、精液、膣分泌液、唾液、母乳、尿等の体液に含まれています。このうち、唾液や尿に含まれているHIVは微量で、せき、くしゃみ、握手、抱き合う、軽いキス、同じトイレ・お風呂の使用、プール、同じ食器の使用などでは感染に至ることはないようです。
【感染経路1:セックス】
男女ともにもっとも多い感染経路は、コンドームを使わないセックス。口の中に傷があった場合、オーラルセックスから感染することも
【感染経路2:注射針の共有】
感染者が使用した注射針を他人が使用することにより血液感染が起こる。薬物中毒者に多い感染経路
【感染経路3:輸血】
現在は献血された血液に対し、HIV抗体検査を実施している。そのため感染率は低いがゼロとはいえない
【感染経路4:出産による感染】
母親がHIV感染者の場合、生まれてくる子供にも感染する可能性がある。母乳からの感染も
感染しても気づかないことも……。
自覚症状が表れたときにはエイズ発症の可能性あり
HIVに感染しても、ほぼ何の症状も表れませんが、2週間~2ヵ月後に発熱、のどの痛みといった症状が表れることもあります。軽い症状のため、風邪と間違えることが多く、感染症状であることに気づかない場合がほとんどです。
感染してからエイズを発症するまでの潜伏期間は長く、数年から十数年。この間、自覚症状は表れません。しかし、いったん発症すると、身体の免疫機能が低下し、発熱、下痢、体重減少、倦怠感などの症状が表れます。さらにエイズが進行すると、カリニ肺炎や結核、カポジ肉腫などの病気にかかりやすくなり、死に至ることも少なくありません。
セックスでの感染が約9割!
コンドームの使用は必須
HIVはセックスでの感染が約9割のため、コンドームの使用によりかなり高い確率で防ぐことができます。セックスのパートナーが決まっていたとしても、コンドームの使用は必須。パートナーが別の相手からHIVをうつされ、それに気づいていないということも考えられます。
エイズに対する完全な治療法はまだ確立されていないのが現状。しかしウイルスの増殖を抑える効果のある治療薬は開発されているため、早期発見により適切な処置を施せば、エイズの発症、進行を遅らせることもできます。治療により、感染者であっても今まで通りに生活することが可能なのです。
もし、心当たりがあれば必ずエイズ検査を受けること。検査は医療機関や保健所で行い、結果は1~2週間後に判定。保健所であれば匿名、無料で受けることもできる。赤枝先生が実地している「街角無料エイズ検査」では、その場で15分後に結果が判明。詳しくはHP(www.akaeda.com)で
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産婦人科医
赤枝 恒雄 - 1944年生まれ。東京医科大学卒、医学博士。1977年、赤枝六本木診療所を開業。六本木での「街角健康相談室」やラジオパーソナリティなど、活動は多岐にわたる。女のコの身体の悩みをQ&A方式でまとめた『これってヘン?』(小社刊)が好評発売中。
- HIVは血液から感染すると聞きました。感染者の血を吸った蚊に刺されたら、感染の危険はあるのでしょうか。
- 蚊が人間の体内に注入するのは血液ではなくだ液のため、前に吸った人の血液が次の人に注入されることはありません。また、蚊の吸う血液は、HIVに感染する危険性のある量の約10万分の1といわれているため、蚊によって感染する心配はないでしょう。
イラスト/トシダナルホ