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第31回 水虫対策
水虫なんておじさんの病気だと思ってはいませんか?それは、もう過去の話。現在では若い女性にも水虫持ちは少なくありません。フットケアをさぼっているとなんだか足がむずむず……なんてことも。
監修/戸佐眞弓(まゆみクリニック)
症状にかゆみがない場合も。
自分の手足をチェックしてみよう
水虫の原因は「白癬菌(はくせききん)」というカビの一種。皮膚の角質層の奥深くに寄生し、ケラチンというたんぱく質をエサに増殖します。白癬菌は皮膚ならどこでも感染する可能性がありますが、手足に感染するものを水虫と呼びます。
水虫の症状は、ただれてかゆみが起こるだけでなく、タイプによりさまざまです。
◆水虫のおもなタイプ
・趾間(しかん)型
指と指の間にでき、白くふやけて皮が剥ける。かゆみはない。もっともできやすいタイプ
・小水疱(しょうすいほう)型
足の裏や指の間に小さな水泡ができ、ただれたり、激しいかゆみをともなう
・角質増殖(かくしつぞうしょく)型
水虫が慢性化したもの。足の裏やかかとの角質層が厚くなり、ひび割れを起こす
・爪白癬(つめはくせん)
爪にできる水虫。爪が黄色に変色したり厚ぼったくなり、内側がもろくボロボロになる
高温多湿な場所に注意!
水虫の感染経路
水虫は何らかの経路から感染し、増殖します。水虫の人が裸足で踏んだ床やマットには、白癬菌が無数に存在。そこに接触すれば、当然白癬菌は自分にくっついてしまいます。一緒に生活している人が水虫の場合、感染してしまう可能性は高いでしょう。しかし、角質層に入るまでには時間がかかるため、すぐに洗い流せばほぼ感染を防ぐことができます。
白癬菌は、温かくじめじめとした場所が大好き。他人と共用する、高温多湿なスペースには注意が必要です。
◆感染しやすい場所
プール・スポーツクラブ・お風呂の足拭きマット、共同スリッパ、共同タオルなど
◆水虫になりやすい足
足の指が太く指と指の間が狭い、自分で足の指を動かせない人は要注意。足が蒸れやすいため、水虫になりやすいかも……
清潔を保って水虫予防を!
水虫を予防するには、清潔が一番。水虫を寄せつけないよう、身の回りはいつでもキチンと清潔に保ちましょう。
■フットケア
石けんできちんと足を洗うこと。指と指の間も忘れずに。洗ったあとは乾いたタオルで水気を拭き取り乾燥させる
■同じ靴を続けてはかない
湿った靴の中は白癬菌の温床に。一日履いた靴はよく乾燥させること。脱臭、殺菌作用のある中敷を使うのも◎
■床掃除
水虫患者からはがれ落ちた皮膚から感染してしまうことも。床はこまめに掃除をして、常に清潔を保って
■タオルやスリッパは専用のものを
他人と共有しがちなタオルやスリッパ。併用はなるべく避けて、自分専用のものを携帯して。家では洗濯を忘れずに
■水虫は夏より冬に注意!
夏場のように、素足にサンダルでは足が蒸れることも少ないが、冬に履くブーツや厚手の靴下の中は白癬菌が繁殖しやすい。一日中ブーツを履いたまま……なんてNG
■スカルプチャーにもカビが!?
ネイルサロンで人気のスカルプチャーも、手入れを怠ると緑色に変色することが! これは通称「グリーンネイル」といい、「緑膿菌」というカビが原因。爪とスカルプチャーの間に水が入り込んだことにより起こる症状。ケアを忘れずに!
再発の可能性も高い病気
恥ずかしがらずに病院へ!
水虫なんて恥ずかしいから病院に行きづらい……という人もいるはず。市販薬もたくさんありますが、キチンと治すには、症状に応じた薬を処方してもらうのが大切。恥ずかしがらずに皮膚科で検査を受けるのがベストです。
皮膚科では、抗真菌薬の塗り薬、もしくは飲み薬を併用して治療を行います。治療を始めるとすぐに症状は治まりますが、途中で治療をやめてしまうのは絶対、NG。白癬菌は角質層にすみ着いているため、完治するまで、肌の生まれ変わる周期である約1ヵ月以上かかります。
再発する可能性の高い病気なだけに、面倒くさがらずに時間をかけて、最後までしっかり治療しましょう。
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形成外科・皮膚科医
戸佐 眞弓 - 11月3日生まれ。東京女子医科大学卒、医学博士。東京女子医科大学 形成外科学教室、帝京大学医学部附属病院 皮膚科学教室を経て、まゆみクリニックを開業。専門は、ピーリング、レーザー治療、脱毛レーザー、スキンケア。
- 父が水虫です。今は離れて暮らしているのですが、遺伝によって、将来私も水虫になることはあるのでしょうか?
- 水虫になりやすい体質は遺伝することも考えられますが、水虫が遺伝するということは考えられません。水虫患者と一緒に生活している場合は、タオルなど共有するものを使用したり、生活環境が同じことから感染する確率は高くなりますが、離れて暮らしているのであれば問題ありません。
イラスト/トシダナルホ