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第34回 髪の健康
どんなにパーマやカラーでバッチリきめても、枝毛だらけのボサボサヘアーじゃ台無し!髪を美しく見せるのに、もっとも大事なのは「髪の健康」。乾燥やゴワつき、抜け毛など髪のトラブルに悩んでいる人は要注意!
監修/戸佐眞弓(まゆみクリニック)
3つの層からなる髪の構造
髪は皮膚の角質層が変化してできたもので、じつは肌の一部。しかし、皮膚の表面に出ている毛は死んだ組織でできています。そのため、髪には自己修復機能がありません。ダメージを受けても自分で治す力がないため、髪を傷めないよう日頃のケアがとても重要になります。
髪の断面は下の3つの層からなり、それぞれ役割が異なります。
■キューティクル
たんぱく質が主成分。透明のうろこ状をした細胞が重なり合って内部を保護している。表面部分にあるため傷つきやすい。髪のつやを左右する部分。
■コルテックス
繊維状のたんぱく質が主成分。柔軟性や太さなど毛髪の性質を左右する重要な部分。
■メデュラ
髪の中心部。刺激により空洞ができやすく、加齢とともに強度が低下。空洞ができると白くくすんで見える。
理想的な髪から遠ざける
ごわつき、パサつきの原因は!?
健康で理想的な髪は、キューティクルが内側のコルテックスやメデュラをしっかり守り、ツヤのあるなめらかで枝毛のない髪。しかしさまざまな刺激を受けると、キューティクルがはがれたりすき間ができるため、髪のツヤが失われてしまいます。そして保護力の低下によりダメージが内側まで進行。たんぱく質や脂質などの成分が流失するため、髪のごわつきやパサつき、枝毛などのトラブルを招いてしまうのです。下記の、髪にダメージを与える原因をチェックして、しっかり予防しましょう。
■紫外線
紫外線はたんぱく質の結合を弱め、髪の水分力を奪う。脱色や乾燥の原因に。
■ヘアカラー、パーマ
刺激の強い薬剤を頻繁に使用するのは危険。パサパサと乾燥した髪に変化。
■ダイエット
極端なダイエットによるたんぱく質不足は、抜け毛や細毛のもとに。
■ドライヤー
たんぱく質は熱に弱いため、長時間のドライヤーは×。乾燥やくせ毛の原因に。
●頭皮のごわつきが、たるみ顔の原因に!●
じつは頭皮と顔のたるみには密接な関係が。不規則な生活により頭皮が固くなると、むくみが輪郭にたまり、たるみ顔やしわの原因になることも。指先で頭皮を軽くつまみ、全体を圧迫するマッサージ法で血行アップを習慣に。
ヘアケアの基本をしっかりおさえて
憧れのツヤサラ髪に!
ヘアケアの基本は正しいシャンプー。髪を傷めない、やさしいシャンプーを心掛けることが大切です。
●正しいシャンプー方法●
1. シャンプーの泡立ちをよくするため、頭皮と髪をしっかり濡らし数回すすぐ。
2. シャンプーを髪になじませ、指の腹を使いマッサージをするように洗う。特に地肌を重点的に。摩擦を防ぐためにもシャンプーはたっぷり泡立てて。
3. シャンプーを残さないようすすぎはしっかりと。濡れた髪は傷つきやすいため、無理に指やクシですいたりするのは×。
4. リンスは毛先を中心に、髪全体になじませてからすすぐ。トリートメントの場合、髪に浸透しやすいようしばらく時間を置く。なじませている間、蒸しタオルで髪を包むとより効果的。
●「乾かしてから寝る!」を習慣に●
濡れた髪はちょっとした刺激でキューティクルがはがれてしまうほど敏感。濡れた髪のまま寝てしまうと、枕に髪がこすれ、ダメージヘアの原因に! ドライヤーで9割乾かし、あとは自然乾燥がベスト。
●髪によいブラシとは?●
過剰なブラッシングはキューティクルを傷つける原因に。静電気が起きにくく、キューティクルや地肌を傷めない、歯の表面がなめらかなブラシを選んで。植毛が密過ぎないものが使いやすいはず。
食生活を改善して
髪の栄養不足を防ごう
肌同様、髪も栄養不足により衰えるのは当然。外から栄養を与えるのもいいけれど、食生活を改善することも必要です。髪の成分であるたんぱく質を多く含む食品とともに、発育を促すヨード、ツヤやハリを与えるコラーゲンを含む食品を摂ると◎。
◆たんぱく質を多く含む食品
サバ・サンマなどの青魚、大豆製品、乳製品など
◆ヨードを多く含む食品
ワカメ、コンブ、ヒジキなど
◆コラーゲンを多く含む食品
ヤマイモ、サトイモ、レンコン、納豆など
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形成外科・皮膚科医
戸佐 眞弓 - 11月3日生まれ。東京女子医科大学卒、医学博士。東京女子医科大学 形成外科学教室、帝京大学医学部附属病院 皮膚科学教室を経て、まゆみクリニックを開業。専門は、ピーリング、レーザー治療、脱毛レーザー、スキンケア。
- まだ20代なのですが、最近抜け毛が目立つように感じます。特に心当たりがないので、少し心配なのですが……。
- 髪は一日に約50~100本ほど抜けるのは正常ですが、もし抜け方が目立つようでしたら何らかの原因が考えられます。最近病気にかかったり、薬を服用中ということはありませんか? また、偏った食生活、ストレス、月経周期の乱れなどの原因により、抜け毛が起こるケースもあります。気になるようでしたら、早めに皮膚科に相談しましょう。
イラスト/トシダナルホ