「たかが便秘」なんて
甘く見ていると大変なことに

　自然な排便のメカニズムが乱れることによって起こる便秘。ストレスを受けやすい社会に暮らし、食生活が乱れがちな現代人は、便秘に悩まされがちです。
　健康な人は一日に１回便通があるといわれていますが、個人差があるため、苦痛を感じない場合は２～３日に１回でも心配ありません。逆に毎日きちんとお通じがあっても、苦痛やスッキリ感がない場合は便秘と同じこと。
　腸内に老廃物（便）が長時間たまると毒素が発生し、身体にさまざまなトラブルを引き起こします。ひどい場合は大腸ガンや動脈硬化など、病気の原因にもなるため、注意が必要。
　たかが便秘、と見過ごさず、キチンと解消して快適な毎日を送りましょう。

☆便秘によって起こるトラブルや病気
イライラ、不眠、ニキビや吹き出物、腰痛、肩こり、めまい、アレルギー、大腸ガン、動脈硬化など

便秘の原因を把握することで
スッキリおなかを目指そう

便秘を解消するには、まずは原因を知ることが大切。
当てはまる原因はありますか？

○水分不足
水分を取らないと便が硬くなり、排便しにくくなる

○精神的ストレス
ストレスがたまると自律神経のバランスが乱れ、便秘を引き起こす

○生理前
生理の直前は体温が上がるため、腸の水分量が少なくなる

○トイレを我慢しがち
我慢を繰り返すと、便意を伝える刺激が脳に届きにくくなり、鈍感な体質に

○ダイエット
食べ物の量が少なくなれば便の量が減るのは当然。野菜不足の人にも多い

○運動不足
運動不足により腸の動きが鈍くなり、便意をもよおしにくくなる

☆おやつにも一工夫
おやつがほしくなったら、便秘解消に役立つものをチョイス。大学イモやアップルパイ、ところてんがオススメ。またドライフルーツは食物繊維たっぷり。刻んでヨーグルトに入れれば、おいしくておなかもスッキリ！

生活習慣や体調だけじゃない
便秘の隠れた原因

　不規則な生活習慣や、食生活、過労などによって起こりやすい便秘ですが、先天的な体質や、病気によって起こる場合もあります。特に女性の場合、気をつけなければいけないのが婦人系の病気。子宮が腸を圧迫することで便秘を引き起こすケースも考えられます。下記の解消法を試してみてもまったく便秘が改善されない、便秘以外にも身体の不調を感じると言う場合は、早めに産婦人科を受診してみましょう。

○子宮後屈
子宮が正常な位置より後ろに傾いている症状。先天的なもので女性の２割に見られるといわれているが、手術の必要はない。妊娠、出産により元の位置に戻ることが多い。

○子宮内膜症
子宮内膜が、子宮の表面や子宮と直腸の間などほかのところにでき、まわりの臓器と癒着を引き起こしてしまう病気。生理痛や過多月経、腰痛などの症状が見られる。

「すぐに便秘薬」ではなく
生活を見直すことから始めよう

　便秘が続くと、どうしても薬に頼りたくなりますが、まずは日常生活を改善することから始めてみましょう。バランスのよい食生活や定期的なマッサージを取り入れるだけで、かなり症状が緩和されるはず！

○食生活
食物繊維（海藻類、イモ類、豆類、根菜類など）や乳酸菌（ヨーグルト、キムチなど）を積極的に摂ろう。

○ゆとりをもって行動
朝は余裕をもって起床し、ゆっくりトイレに行ける時間をつくる。湯冷ましを１杯飲んで、腸に刺激を与えると効果的。

○マッサージ
右下→右上→左上→左下と、円を描くようにおへそのまわりをマッサージ。ちょっと痛いな、と感じるくらい強めに押してもOK。

○運動
適度な運動によって腸の動きが活発に。排便に必要な腹圧を鍛えるために、腹筋に力を入れるエクササイズも◎。

☆便秘解消ストレッチ
床にあお向けに寝転び、左ひざを立てて右足をのばす。左ひざを両手でかかえ、太ももで下腹を圧迫。これに、３秒息を吸う→２秒息を止める→１５秒息を吐き出す、という呼吸法をプラスして行おう。

無自覚だけど、本当は……？
便秘予備軍チェック！

もしかしたら便秘になりやすい生活を送ってる！？
当てはまる項目をチェックしてみよう。

□朝はギリギリまで寝ている
□トイレを我慢することが多い
□運動不足だ
□水分をあまり取らない
□野菜が苦手
□お菓子やインスタント食品をよく食べる
□肉料理が好き
□日頃、長時間座りっぱなしのことが多い
□ストレスを感じている
□不規則な生活が続いている

５個以上の人は……
これでは便秘になるのも無理はないかも。
食事や生活習慣を見直してみて。

イラスト／トシダナルホ