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第75回 対人恐怖症
人前で話すとき緊張で手に汗がにじむ、声が震える、そんな経験ありますよね。一対一で面と向かって話すときも多少の緊張感はあるものです。自分が人からどう見られているかを気にするあまり、緊張が恐怖感へと変わり、本来やるべきことができなくなり、その場がフリーズしてしまう……。今回は対人恐怖症に注目してみました。
監修/榎本稔(榎本クリニック)
●対人恐怖症とは
大勢の前での講演や会議でのプレゼン、あるいは一対一の面接といった場面で、まったく緊張感を覚えないという人はいないと思います。個人差はあるものの、ドキドキしたり、汗をかいたり、落ち着きがなくなったりなどの変化は誰にでも表れるのではないでしょうか。汗や動悸(どうき)、落ち着きがない……。緊張によるこうした状態がエスカレートした状態を対人恐怖症といいます。そもそも「対人恐怖症」という病名は存在せず、専門的には「社会不安障害」や「回避性人格障害」などと呼ばれています。ここではわかりやすいように対人恐怖症という表現を使います。
●対人恐怖度をセルフチェック
対人恐怖症は、ある程度自分自身でチェックすることが可能です。以下に挙げる症状で、社会生活に困難が生じるレベルであるようなら、心療内科、精神科に相談することが大切です。
病気か否かの線引きは、緊張によって大量の汗が噴き出たり、呼吸の回数が増えたり、卒倒したりといった症状を引き起こすかどうかです。「相手の目を見て話せない」にしても、たとえ目を見ていなくても必要事項をきちんと相手に伝えることができればよいのであり、「緊張で手が震える」にしても、ペンやコーヒーカップが持てないほど震えていたら病的ですが、多少の震えは緊張にはつきものです。何となく、基準はおわかりでしょうか?
こうしたことを踏まえて、自己診断を行い、日常に支障があると思われるなら、早めに心療内科を受診しましょう。
●治療法
症状の程度や性格によって治療法はさまざまですが、カウンセリングを行い、どのようなときにどんな不安に陥り、どんな症状が起こるのかといったことを通して、原因となりうることを明らかにし、対処法を考えます。場合によっては、抗うつ薬や精神安定剤などの投薬も併せて行います。
対人恐怖症になりやすい傾向
対人恐怖症が引き起こされる原因もまたさまざまです。一説には、セロトニンという神経伝達物質の量が少ないと不安を感じやすいともいわれており、脳内物質のドーパミンと並びセロトニンは何らかの関わりがあると考えられています。また、幼少時の経験も原因の一つと考えられています。「人見知りが強かった」「厳格な親に育てられた」「自分ではないが、目の前で失敗した人がひどく叱責(しっせき)された場面に遭遇した」などの、幼少期の恐怖体験が引き金となる場合も少なくありません。
セルフチェック項目
□人前に出ると緊張する
□人前で話すときに声が震える
□相手の目を見て話せない
□他人の視線が気になる
□表情がひきつる
□手が震える
□会話が続かない
□自分のニオイが気になるなど
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心療内科医
榎本 稔 - 1月11日生まれ。東京医科歯科大学医学部卒、医学博士。日本外来精神医療学会理事長。成増厚生病院副院長、東京工業大学保健管理センター教授を経て、榎本クリニックを開業。 榎本クリニック/電話 03(3982)5321
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イラスト/トシダナルホ