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移動する風俗嬢たち(2/2)

癒し系、ゆるふわ系で増える指名

そんな福島の人たちには申し訳ないですが、その後、聞いたところによると、都内の風俗店はやはり調子がいいみたいです。
「今までで一番忙しい」と言っているデリヘル嬢もいます。
東京から脱出してしまったのもいるので、出勤が確保できず、少ない人数で回しているために忙しいということも
あるんでしょうけど、客の絶対数も増えている。

水商売は危機的、風俗は震災前に戻った、あるいは震災前より人が入っていることに対して、
「生命の危機を感じると性欲が高まる」との解釈をしている人もいます。
自分が終了しそうになると、子孫を残したくなる。
疲れマラもそうだと言われていますね。

それもなくはないのかもしれないですが、SMクラブに人が集まっていることから見ても、生殖活動とは関係ないんじゃないかな。
やはり不安が衝動になっている。

 あくまで私の周りの印象ですが、指名が増えているのは、癒し系、ゆるふわ系が多いように思えます。
そういうタイプこそが今は求められています。
当面は、そっち方面にキャラをスライドしておいた方がいいかも。

 なんにしても、東京の風俗産業がボチボチ調子がいいのは救いです。
被災地の女の子たちを受け入れられる余地がありますので。

予想していた通り、横浜や都内で、福島から来た女の子たちが面接に来ているとの話を聞きます。

東京だってすでに安心ではないとも言えますが、福島よりはマシ。
家族がいるとまた別ですが、風俗嬢は身ひとつで移動が可能です。
思い切って東京に来てしまうのも手です。

こっちも人が足りませんので。
彼女たちは不安でいっぱいなので、皆さん、優しく受け入れてやってください。
日頃、世の中から、白い目で見られる風俗業界だけは、困った時には互いに助け合いたいものです。

プロフィール
文 = まつざわくれいち/1958年生まれ。『エロスの原風景』(ポット出版)、『風俗お作法』(小社)など著書多数。 イラスト = 友沢ミミヨ

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