ジャパンホームビデオさんといえば、業界の老舗中の老舗。
SODさんとはまた違う、会社の方針があるのです。
そんなわけで、メーカーさんのカラーに合わせて、まりかもゼロからのスタートとなりました。
この時まだデビューして1年生。
なのに、移籍先では後輩ができて、合同撮影では「リードして、まりかちゃん!」なんて言われる始末。
この業界は回転が早いので「専属契約2社目」なんていったら、まだまだ何もできなくても、甘えられない立場になるのです。
あわわわわ。
どうしよう・・・。
もちろん、メインのお仕事であるVTRの撮影現場でも、壁にぶち当たりました。
今までSODさんでは、いつも同じ監督、スタッフさん、メイクさんに撮影してもらっていたんです。
でもそれってやっぱり、作品のカラーが偏っちゃうし、同じ監督に連続・・・って、業界でもかなり稀みたいで。
「ゼロから育ててもらう」という意味では、すごく良い環境だったと思うけど、裏を返せば、ほかの監督の作品づくりの現場を知らないってこと。
つまり、移籍して大手メーカー2社目専属で順風満帆に見えるけど、ある意味「新人」に戻っちゃったわけです。
EROTICAさんの作品コンセプトは「見たい! 出たい! 作りたい!」。
ファンの方も一緒に企画・出演して、ゼロからみんなで作品をつくり上げていくという、表現者としてすごく楽しそうな言葉。
EROTICAさんの看板作品ジャケット。『まりかといく! 混浴露天バスツアー』
・・・楽しそうだけど、今まで学んだメーカーの作風と、まったく違ったのです。
でもって、臨機応変に対応できるエッチのスペックや頭の柔らかさが、その時のまりかにはまだなくて・・・。
監督:「カット!」
まりか:「今のシーン、あれで大丈夫ですか?」
監督:「まりかちゃんがあれが良いと思ったから、ああいうふうにしたんでしょ? まりかちゃんの作品なんだからね」
って感じで。
今までの監督だったら、1つずつ、顔の角度もダメ出ししてくれてたのに・・・。
ほかにも、
監督:「まりかの今までの作品見たけど、アイドル売りか、M売りだよね。でも本当のお前は、男をイヤらしく攻めるほうだから、次回作品は痴女でいこう」
・・・と、監督によって、まったく撮影の方針が違うんです。
↑これ、今ではすごく仲良くしていただいている二村ヒトシ監督の言葉なんですが、いきなりすごい形相で、次回作の面接で言われて。
痴女なんてやった事ないし、セクシーなお姉さまのジャンルだと思っていたから、もう泣きそうでした(笑)。
初めての体当たり痴女作品『待ちぶせしてしゃぶって合体!』。何てダイレクトなタイトル(笑)。でも、楽しかったなー。
そうこうしているうちにだんだん慣れてきて、EROTICAさんでのお仕事が、すごく楽しくなってきました。
でもその反面、新人としての甘えは許してもらえない時期。
毎回違うことを求められ、言われ、どの言葉を信じればいいのか? 正解がわからなくなってしまって・・・。
エッチに対するポテンシャルも元々高くなく、プライベートでは「電気消して」とか言っちゃうくらいだったまりかは、すごく悩みました。
そんな時でした。
EROTICAさんのプロデューサーさんが言ってくれたんです。
「どんどんNG解禁しろ!ってわけじゃないけど、やらず嫌いもよくない。あと、女優の仕事って、毎回違う監督のカラーに染まる事でもあるんじゃないかな?」
この時期があったからこそ、今のまりかに繋がるんです!
こうして、まわりの皆さんのおかげで、壁を一歩づつ乗り越え、少しずつ強くなっていったまりか。
しかしまたしても、EROTICAさんという「大切な2つ目の心の故郷」を卒業する時期が訪れました。
さぁ、次はどうしよう?
2010年秋の事かあ・・・。
(つづく)