ファッションヘルスからソープランドまで、風俗のありとあらゆる業種を経験。現在は「風俗系文学作家」として活躍中の酒井あゆみさんが、自らの経験を活かし、悩めるてぃんくら~からの質問にお答えします。誰にも相談できなくて苦しんでいるなら、ここでスッキリしちゃいましょう!
面接で「どうしてうちのお店を選んだの?」と聞かれます…。特に金銭面で困ってないけど稼ぎたい。別に夢や目標もないんですよね…。でもそのまんま言ったら印象悪そうだし、「やる気がない」とか思われたらホント嫌だし。やっぱ嘘でも理由をでっち上げたほうがいいのでしょうか?
あなたのキャラクター(人柄)にもよるし、面接担当者のキャラにもよると思うけど、まぁ、『ホントっぽい』理由があった方が無難におさまるかもね。本当は夢や目標がなくても「目標があって、そのために貯金したいんです!」とか無難な返事をしておけば、それで終われるし。まぁ、どうせ、すべてを正直に話してもいいことばかりではないでしょう。
あなたのように『別に夢や目標もない』『でも、お金はあった方がいい』というように、なんとなく働いてるコって意外に多いんですよ。「借金もないし、特にお金にも困ってないけど、今後、何があるかわからないから貯金しておきたい」とかね。働く理由はそれでいいと思うんです。ただ、自分を見失わなければね…。
これは、私が取材で出会ってきた多くの女の子たちを見ての感想なんだけど、あなたのように漠然とした気持ちで風俗の世界に入ってくるコはズルズルと風俗嬢を続けてしまうコが少なくないんです。でも結局は時々贅沢をしたりして、浪費しながらダラダラと続けているから貯金もないのね。だから、またズルズルと続けるという悪循環…。
逆に『自分でお店を持ちたい』とか、目的を持ってこの世界に飛び込んでくるコの方が、短期間でイッキに稼いで風俗から巣立っていって、そのまま一般社会でも成功しているコが多いの。だから、できれば『貯金の目標金額を決める』とか、目標や夢を持ってた方がいいと思うな。お金が貯まってきたら、そこで新たな目標や夢が出来るかもしれないしね。
やっぱり、ここは長くいる業界ではないと思うよ…。トシを重ねるごとに女の商品価値はどんどん下がっていきますからねぇ…(苦笑)。逆に、この風俗の世界での経験や収穫(貯金)を踏み台にして、一般社会の中でバリバリ活躍してもらいたいというのが私の希望かな。みんなも頑張って! 幸せになろうね!
長く風俗していると、将来の人生大変だなあと身に沁みています。結婚が決まり、話が進んで彼の不要になるんですが、その為には源泉徴収票とか出さなければいけないんですね。OLをやっていることになっているから、今さらないなんて言えないし。今から就職しようと思って内定までいくんですが、やはり源泉や社会保険などの書類を提出してと言われてしまいます。
風俗やるんじゃなかったと、今さら後悔しています。この先どうすればいいんでしょうか?
後悔しても過去は消せないですよね。でも、書類一枚ですべてが円満になるんだったら『過去を買う』ことにすればいいんじゃない? 今の世の中、本当にいろんな商売があります。例えば、よく風俗系の雑誌に広告の出ている『アリバイ会社』とか、一度調べてみたらどうかな?
でも、完璧なアリバイを目指すなら、十分に気をつけて! いいかげんなアリバイ会社は危なそうだから、きちんとした会社を選ぶ事も大切。でもね、お金では解決できない問題もあることは忘れないで。私の知人の元風俗嬢の女性も、完璧に決めたつもりだったんだけど、こんなことがあって破滅しちゃいました。
彼女の場合も、やはりあなたと同様に結婚した旦那さんの家庭が厳しくて、源泉徴収から年金の書類まで買って用意をしたのね。もちろん『過去を売る会社』に依頼して作った書類で。でも、旦那の友達が彼女の風俗時代のお客さんだった人で、バレてしまった…。
完璧に隠したつもりでも、ひょんなことから発覚してしまうケースもあります。隠し続けるつもりなら、ある程度の覚悟は必要かもしれませんね。個人的な意見を言わせてもらえば、そういう結婚は好きではないかな…(笑)。すべてを打ち明けられる相手であり、そうした過去をもすべて包み込んで、ありのままの自分を愛してくれる男性と結ばれたい……。私って、意外に純愛主義者でしょ(笑)? でも、結婚するにあたって、本当に彼の親が過去の事にこだわってるのかなぁ? 私はそのことの方が気になります。彼の親は本当に過去にこだわる人たちなのかしら?
あなたが「風俗嬢をやってきた自分」ということに自分自身でこだわりすぎているのではないかしら? 他人は自分が思いこんでいるほどあなたのことを見ていませんよ。もっと自然に生きてみたら?
『眠らない女』(幻冬舎)などの代表作をもつ作家。95年、自身の風俗&AV体験を綴った著作『東京・夜の駆け込み寺』でデビュー後、ジャンルを問わず執筆活動を展開中。9月公開の映画『トウキョー・ノワール』にも監修として参加中。観てね!