レディコミ人生劇場
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第2回『ごちそうさま』の巻

このページもはや二回。みんな元気でやってるーー???今回紹介するのは摩姫カワバタ先生。一度、目にすれば忘れないその作風とペンネームは、個性派揃いのレディコミのなかでも、ひときわ光ってます。  摩姫先生の作品って、なんといったらいいのでしょう、巻頭タイプではないのだけれど、読むと忘れられないの。その独特のエロスにハマると、次もまた読みたくなる不思議な魅力に満ちてます。なんだかんだでその作品の載っているレディコミを買うと、なぜか巻頭の作品より先に読んでしまうのよね、わたしは。幕の内弁当に入っているシャケが巻頭作品なら、先生の作品はつい最初に食べてしまう毒々しい色の、だけどわたしたちの懐かしい味覚を刺激するウィンナーみたいなもんでしょうかね。
 作品は水戸黄門顔負けの黄金「パターン」。新妻や夫との関係に少し退屈した妻が、パートに出たり学校の面談に行ったり、のちょっとした「いつもと違う空間」で、男たちにたのしーい悪戯をされて感じさせられてしまう、というものなの。でもそのパターンがクセになるのよ~☆
 たとえば今回の『マガジンWOOOO!』8月号((株)マガジンマガジン)掲載の「ごちそうさま」(あっ、最近の摩姫先生はレディコミ以外に男性誌でも活躍していらっしゃいます)。ファミレスにバイトに入ったばかりのおんなのこが上手にお辞儀や接客ができないせいで、すごーくエッチな『特訓』をされてしまうお話なの。
レディコミ
色っぽく歩けるように、裸にエプロンでお辞儀させられたり、メニューでおっぱいをつつかれても、感じたり声を出したりしないよう訓練したり。ちょっと感じすぎの彼女には、「エッチすぎる体だからちゃんと接客ができない。だから体に満足を与えれば、よくなるだろう」との『判定』が下ります!!
 かくて店長はじめ店員みんなの「フランクフルト」や「バナナ」をご馳走になって、満足した主人公は見事接客上手に変身!なんとも脳天気な筋といえば筋なんだけど、これがなんともたまらず面 白く、一気に読んでしまうのですよ。そして飽きない!!
 それはありそうで決してありえない、「罪悪感のない、楽しいエッチ」という、わたしたちの心の奥にある秘密の願望の元型がそこに描かれているからだと思うの。だれだって本当は、学級面 談に行ったとき『この先生のアソコはどうかしら……』とか、うんと真面目な仕事の最中に『ああ。課長のアレをなめたい……』なんて思ったりするもの。しないか(笑)。
 つまり、そんなふうに罪悪感と理性をとりはらったら、「ほんとはこんなこと考えてまーす☆」「やってみたいでーす☆」。みたいなことを、てらいなく見せてくれるのが、カワバタ作品。是非みんな先生の作品を楽しんでね!どんなに疲れて帰った日にも、カワバタ漫画を読めば、脱力してオナニーして良く眠れること太鼓判!です☆
■さかもと未明
OLから漫画家へ。レディースコミック、エッセイ等各誌で連載を持ち、最近「文學界」で小説デビューも果たす。著作は「ゆるゆる」(マガジンハウス刊)「だって幸せになりたいんだもん」(朝日ソノラマ刊)等多数ありのスーパーお姐さん。