元ヤン・AV女優・タレント・作家etc.と、一筋縄ではいかない肩書きを持つすぎはら美里。某民放テレビ局プロデューサーで、目には見えないセーターがいつも肩にかけられているマーキー。この両極端な男女2人による赤裸々な往復書簡。
第32回 「愛が輝く時」
「キラキラ☆カオスの思い出」
2丁目体験か……つか、歌舞伎町で店をやってた時の従業員がセクシャルなコたちだからね、いまだ交流も多い街♪
2丁目とは、ホモレズオナベオカマと、さまざまなコたちが住人の新宿の一角にある街。そこへ初めて行ったのは、東京に上京して1年目くらいだったかな。サプライズ好きな知り合いの男性に連れられて「超ビックリするよー! 世の中にはこんなブッ飛んだ店とこんな人たちがいるのー!?って♪」と、田舎から出てきたみりに相当ショック与えたろって、だいぶハードル上げてましたが(-_-;) 何だろ、特に物珍しくておもしろかったという印象は全くなく。とは言え、姉がレズですみたいな、昔から身近にセクシャルな人がいた訳でもないんだけど。とにかく狭いカウンターの店にオシャレホモたちがキャッキャ楽しそうにしてて、そこにちょいブス女子が便乗しててみたいな状況に「ああ、東京は自由だな」って思ったのが最初の印象(笑)。セクシャルも恋愛も自由で、もちろんそれぞれにいろんな悩みはあるだろうけど、めちゃめちゃ生きてんなーって実感させられたというか。とにかく凄いパワーだった。だからどっちかっていうと、おもしろいというよりは尊敬の眼差しでそこに居た感じ^_^; 一緒に行った男性はホモの恋愛ターゲットにされていて、彼はノンケだけど、今思えばバイキュリアス(同性愛の可能性のある人)だったんじゃないかなと思う。「アンタのチンコ舐めたぁい♥」というホモ発言に、ノリノリで嫌がってみせておきながら、断じて嫌じゃなく、みりが酔い潰れたら一緒に帰るだろうなって空気だったから(笑)。
そんな中、後ノリで来た若い男のコ。茶髪でちっちゃくて可愛い感じのコ。ママが「あのコ、ジュンっていうんだけどいろいろあってね~、まだ16歳なんだけどこの街で働いてんのよ~」。みりも未成年からバイトしてたから何気なく聞いてみると「だいたい20歳くらいでーす♪」と明るく返ってきた。嘘つけ!とママたちにイジられながら、柔らかいイメージだけど信念が強い印象のジュンちゃんの店に次行こうという事に。着いて扉を開くと……一般的なオカマのイメージにぴったりなママがいて、まず大爆笑。が、このママは出オチで、トークはジュンちゃんにみな引き込まれた(笑)。今、店はジュンちゃんが継いで5年。最近では業界人も多く出入りし、今年に入って3店舗経営。何時でも必ず電話に出る名物ママとなった。
愛が輝く時。都会でちょっと寂しくなってその扉を開けると、それはいつでもそこにある。
イラスト:川崎タカオ
すぎはら美里◎レディース総長→AV女優→芸人→タレント&作家…テレビ・ラジオ・歌舞伎町(?)など、様々なメディアで活躍中の男前すぎる姉御。特技は喧嘩。シングルマザー。新潟県出身。
マーキー◎某キー局勤務、TV番組&コンテンツ制作マン。朝シャン&昼シャン&当然、夜シャン!!三度の飯よりシャンパンを愛す、ちょいワルならぬ“ 極ワル”アラフォーギョーカイ人。東京・下町出身。ソウル・ミュージック好き。