前にも書きましたが僕は自腹でも、よく風俗に遊びに行きます。一週間のうちに3人ハメ撮りして2回風俗店の体験取材して…、なんて連射(笑)しまくった時なんかでも、遊びに行っちゃったりするのです。やっぱりね、仕事と遊びは違うんですよね。
そりゃ、仕事でもエッチすれば気持ちいいんですけど、どうしても仕事となると、単純に楽しめない。これって、たぶん風俗やAVで働いている女の子たちでも同じなんだろうなぁって思うんですよ。気持ちいいけど、どこか冷めてる、みたいな。
風俗嬢の取材をする時に、僕がよく聞く質問で「本当のところ、お店のプレイで気持ちよくなったりする?」ってのがあります。この答えが見事に分かれるんですね。にっこり笑って「そりゃあ、気持ちいいですよ」という子と、複雑な表情で「仕事だから、本当に感じるわけないじゃないですか」という子に。ま、前者の場合は、取材者である僕へのリップサービスという場合もあるんでしょうが、それでもちゃんと感じちゃうという子は意外に多いみたいです。
で、面白いのが、この双方ともが、反対の立場が信じられないというんですね。ちゃんと感じるという子の場合は、「えー、だって触られれば気持ちいいじゃないですかー」なんて言うし、感じないという子は「仕事なのに、感じるなんておかしいですよ」なんて言ってる。お互い、みんな自分と同じだと思ってるんですよ。感じる派の子は、「感じない」という子は恥ずかしいから、そういってるだけだと言うし、感じない派の子は、「感じる」という子は、サービスでそう言ってるんだと思ってる。ま、実際には、どちらのタイプの子もいるということなんですけどね。
似たようなことで、風俗やAVの子とよく話すのが、「こういう仕事はエッチが好きな子と嫌いな子、どっちの方が向いているのか」というテーマ。 普通に考えると、エッチが好きな子の方が向いているように思えます。「エッチ好きだから、好きなことやってお金もらえるなんて最高」なんて笑顔でケロっと言われると、僕ら男としては少々面食らっちゃったりして。 でも、他の仕事でもそうなんですけど、あんまり好き過ぎる=思い入れが強くなりすぎると、仕事には向かないってこともあるんですね。
例えば風俗嬢でもお客さんに付く度にイッてたら、体がもたないですよね。それから、いくらエッチが好きだといっても、誰とでもどんなプレイでも気持ちいいわけじゃない。好きな分だけ思い入れがあるから、思い通りに行かないと逆に欲求不満がたまっていっちゃったりして。 本当はエッチがあんまり好きじゃないという風俗嬢やAVギャルでも、演技が素晴らしくて、売れっ子ってこともあります。むしろ売れっ子にはこっちの方が多いかも。エッチが好きじゃないからこそ、仕事と割り切れるというわけですね。 でも、やっぱりエッチが好きじゃないわけだから、どんどんストレスもたまって来たりして、こっちはこっちで大変なんでしょうね。
ということは、ま、そこそこエッチが好きという程度がいいのかなぁ。なんでも、そこそこが一番ってことですか。うわぁ、つまんねぇ結論(笑)。
僕ら、エロ業界で働いている男ってのも、結構いろいろありまして、本当はエロ仕事なんてやりたくないのに、仕方なくやっているという人も多いんですね。本当は映画が撮りたいのに、泣く泣くアダルトビデオ撮ってる! とか、本当は音楽誌やりたいのに風俗雑誌やってます、とか。ああ、男らしくない! そんなヤツはエロやるな! やめちまえ! とでも言いたくなりますが、そういう人が意外にいいもの作ったりするから難しい。エロを見下して手を抜いてる人は、やっぱりロクなものを作れないわけですが、エロに思い入れがなくても、よいモノを作ろうと考えている人は、いい仕事するんですよ。 要するに、好きであろうと、嫌いであろうと、手を抜かずにしっかり仕事することが一番大事ってことなんですけどね。なんか、これまた説教くさくて、つまんない結論ですね(笑)。ごめん。
で、僕はどーかといいますと、エッチが好き過ぎて欲求不満がたまっちゃうクチですね。ああ、仕事ヌキで遊びたいぞ。てなわけで、これからちょっと池袋の人妻ヘルスに遊びに行ってきます~(笑)。
撮影/安田理央
安田理央(やすだ・りお)
1967年生まれ 埼玉県出身 美学校考現学研究室卒業。
雑誌編集プロダクション勤務、コピーライター業を経て1994年よりアダルト系フリーライターに。得意なジャンルは、風俗、AV、デジタルエロ、マンガなど。現在、『デラべっぴん』(英知出版)、『BUZZ』(ロッキングオン)をはじめ多数の雑誌でコラムを連載中。著書に『OPEN&PEACE 風俗嬢ヴァイブス』(メディアックス)など。またAV監督、デジタルカメラマン、バンドのボーカリストなどとしての顔もアリ。妻子もアリ。