ぶっちぎりの清純派AVアイドルまりかが、オトナの世界で働く人々に突撃インタビュー!オトナの世界におじゃましちゃいます!
第1回
AV監督、神保さんに突撃!
(前編)
はじめまして! ぶっちぎり清純派まりかです!! 『女子が選ぶてぃんくる賞』に選んでいただき、これから、まりかがてぃんくら〜を代表してオトナの世界にを突撃していく事になりました!
まだまだ私もAV業界に足を踏み入れたばかりで、わからないこともたっくさんあるけど、頑張って皆様にリアルなお仕事の裏側をお伝えしていきたいと思います。
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AV監督って、どんなお仕事をしてるの?open
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まりか(以下ま):ということで、第一回目の記念すべきゲストは、まりかのAVデビュー作を監督してくださった新保監督です! パチパチパチ!
新保(以下新):どうも。こういうのあまり慣れていないから危険なことをしゃべってしまいそう…(含み笑い)。
ま:う?、まりかはいつも監督さんにいろいろ聞かれたりする立場じゃない? でも今日は逆に聞いていかなきゃいけないのに、監督を目の前にするとなんだかやっぱめちゃくちゃ緊張しますね!(笑)
新:いやいや何をおっしゃいますか。
ま:よし。じゃあ早速質問。「AV監督」とはまりかにとってもなんとなーく、現場で一番偉い人っていうのはわかるんですけど、具体的にはどんなお仕事をしているんですか?
新:わかりやすく言うのであれば、「出演者、技術スタッフさん、あと美術や衣装だったり、カメラのフレームに映るもの全てを作品として作り上げる」ってことかな。
ま:おお?すごい! やっぱり偉いんだ!
新:どういうノリなんだ(笑)。
ま:その監督のお仕事は、何がきっかけで始めたんですか?
新:僕は監督になるのにきっかけは無かったというか…。「ソフト・オン・デマンド」っていうAV会社に入社して、最初は漠然とAD(アシスタントディレクター)をやっていたんだよ。ADは監督の下について演出を学んだり、ロケの準備をしたり、とにかく制作に関わるあらゆる事をする。映像制作において、「演出が一番大事で勉強になる」という教えの元、がむしゃらにたくさんの現場での経験を積み重ねてきた。そのお蔭で演出のトップである監督になれた、っていう感じかな。最初は僕も「将来は監督になろう」とか、そういう気持ちがあったわけではなかったんだよね。
ま:監督はどんな人生を送ってきたのですか? AV監督になる人って、どれほど屈折した人生を送っているのか…、と勝手に思っているのですが(笑)。
新:めっちゃくちゃ普通だと思うよ! コレ、聞いてもつまんないと…つまんない人生ですよ…。
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アダルト業界に入ったきっかけは?open
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まりか(以下ま):はっ! 落ち込まないでくださいっ!! 人生は置いといて、そもそもアダルト業界に入ったきっかけは何だったんですか?
新保(以下新):大学の頃に「映像制作をしたい」と思っていて。だけど、その頃は超怠けもので、大学もほとんど行ってなかったの。そんなこんなで就職活動もスタートが遅くて、気がついたら映像関係の募集は終わっちゃっていた。
ま:えええ?!
新:だから大学卒業してひとまずは普通の会社に就職をしたんだよ。だけどやっぱりまだまだ若いし、やりたい事をしたいなあって思ったから転職活動を始めたんだよね。その時ちょうど二次新卒枠ってのがあって、東京の大きい会場で合同就職セミナーに行ってみたの。そしたらそこに唯一映像業界として「ソフト・オン・デマンド」のブースがあったんですよ。
ま:普通の就職セミナーにAVの会社が…?
新:普通に一般企業の中にまぎれていたわけですよ(笑)。それで話を聞いてみたら、とにかく勤務地が当時僕の住んでいた家からとっても近かった。それを話したら、「じゃあ明日からバイトで来てみない?」って誘われて、気がついたら10年経っていたって感じかな。
ま:最初はバイトだったんだね。じゃあ、「よし、俺はAVやるぞ!!」って感じではなかったんだ。
新:そうだね。漠然と「映像をやりたい」ってのがあったのと、とにかく働いている人たちが元気で、活気があって、自分の人生では見たことのないような景色がいっぱいあったんですよ。僕もどこか「どうせAVだろ」って馬鹿にしていた部分もあった。だけど、先輩には一年ほぼ休みなしで働いている人もいるし、皆がとにかく真面目に奮闘していて、しかも「この中で誰か一人でも欠けたら、この会社は終わる!」ぐらいの勢いだったんだよね。頑張りが半端ない。
ま:話を聞いているだけでも壮絶…そんなに大変で、辞めたいとは思わなかったんですか?
新:これだけ頑張っているからお客様に評価される、世間が馬鹿にしてるAVを真面目にやっているから評価される、成功できるんだ、っていうのを知って、このバカ真面目さを身につけていけば、将来きっと役に立つ、って自信が持てたから、そのまま続けて頑張ってこれた。ただ、本当に夢と現実の区別がつかなくなるくらいがむしゃらに働いていたねえ…(笑)。
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AVってどうやって作られるの??open
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ま:AVって、どうやって作っているのか教えてください! まりかもまだ、よくわかっていない事も多いと思うので…。
新:まずは市場調査だね。今何が流行っているのか、アンケートハガキだったり、お客様が今何を求めているのかを考える。
ま:ほほう。
新:その中で、コレは良いんじゃないかという企画を書き起こしてまとめる。そして構成や台本を書く。それと同時に小道具、スタイリング、技術スタッフ、キャスティングをどんどん決めていく。
ま:企画が決まってから、女のコをキャスティングするんだ?
新:そうだね、女のコありきで始まる作品もあるけど、基本的にキャスティングは構成ありきだね。そして全部が決まってロケが行われて、編集をして、ジャケットをデザインして、AVだからこそのモザイクを掛けて、音楽をつけたりするMAをして、工場に納品して…プレスして…佐川物流に納品され、そこから全国のお客様の手元へ…ってここまで言わなくったっていいか?(笑)
ま:すごい詳しく教えて頂いてありがとうございます(笑)。こうやって聞くと、本当にいろんな行程があるんですね。監督はどんな時に企画を思いつくんですか?
新:いついかなる時も、考えているよ。それこそお客様ありきのAVだから、市場調査を元に、ロジックで組み立てて企画を考えることが多いね。
ま:へえ?! そうだったんだ! まりかね、このコラムを始めるにあたって、いろいろな友だちに「AV業界で働く人ってどんなイメージ?」って聞いてみたの。
新:ほう(笑)。
ま:そしたら「ドエス」って答えが返ってきて(笑)。
新:いやいやいや(笑)。
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AV業界って「エロい人」「怖い人」だらけのイメージがあるんですけど…?open
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ま:ドエス以外にも、ただ単にエロい人っていうか…。AV業界で働く人=マイナスなイメージ、ってのが殆どなのね。AVに出演する女のコって、皆何かしら目的があるじゃないですか。例えばお金の為だったり、まりかみたいに芸能界でずっとやっていきたい、有名になりたい、とか女のコによっていろいろ違うと思うのだけれど。普通の女のコから見てAV監督って、「怖い人」だったり「エロいだけの人」ってイメージばかりなんですよ。その辺については実際にAV業界で働く監督はどう思いますか?
新:あくまでAVっていうものは、「とにかく見ている人にとってヌケるもの」であって、見ている人がオナニーできなきゃいけないっていうのが大前提にあるわけですよ。何故ならお客様はオナニーしようとして、AVを買う。その人たちが何を見てオナニーしているかといったら、AVに出ている女のコを見ている。その女のコに何を求めるのか、というのは人によってバラバラなわけです。例えば、「可愛い女のコがエッチをしている、素のリアルなセックスが見たい」という人がいる。それとは別に、「その女のコが泣かされて、いじめられているところが見たい」という人もいる。僕らはお客様がどんなものが見たいのか、それは何なんだろう、というものを常に考えているんだよ。
ま:まりかはてっきり、それぞれの監督の性的趣向で作っているのかと思っていた…。
新:例えば、僕はまりかちゃんのデビューから3作品を監督させてもらうんだけど、デビュー作の場合は、とにかくヴィジュアルを重視して、「まりかちゃんはこんなに可愛い普通の女のコなんだ」っていうのを見ている人に植え付けて、ファンになってもらおう、という思いで作品の構成を考えた。2作目は、まりかちゃんの内面にさらに迫るといいますか、グラビアアイドルという肩書きを持っている女のコがAVに出演したというギャップを魅せようと考えていて。さらに3作目はまりかちゃんの事を知っている人も知らない人も、改めて楽しめる、一番わかりやすくヌキやすい「恥じらい」にポイントを置いて作ろうとしている。だから決して僕自身の性癖だとか、趣味趣向が映像の中に表れているのかというと、必ずしもそうでは無いんですよ。
ま:これはホントビックリ…。確かに、新保さんの趣味でまりかの作品を監督されていたら、まりかとっくに凌辱されてたもんね!(笑)
(※新保監督は本来、凌辱もの作品を得意とするお方です)
新:はっはっは(笑)。AVを作った事が無いと絶対にわからない事かもしれないけれど、AVは見ている人を「どうやってヌカせるか」って事なの。テレビとかバラエティ番組だったら、見ている人を「どうやって笑わそう」と監督が考える訳じゃないですか。映画だったら、「どうやって感動させるか、泣かせるか」を考える。
ま:ほほう! なるほどー、すごくわかりやすい!
新:僕らがやっているAVの目的がたまたま「どうやってヌカせるか」だった。そこが一般の人からすれば、違和感を感じるところなんだろうけど。映像って見た人の感情をどう動かすか、どんな感情にするかの道具に過ぎない、って僕は定義しているんだけどね。
ま:すごい納得しますね。
新:泣かそうと作るなら映画になる。笑かそうと作ればバラエティになる。だけど僕らはヌカせようと作っているからAVになっている。目的が違うから、他とは違うってだけのことだと思う。
「死ね! 腐れ!」AV監督さんなんて女の敵!
……改めましてまりかです。
このコラムを読んで下さっている皆と一緒かそれ以上に、まりかは今まで「性」に関して潔癖な女のコだったので、業界のトップであるAV監督さんなんて大嫌いでした。
そんなまりかが、監督に出会い「この業界で頑張りたい」と思えた。
そのくらい、皆が真面目に作品作りに向かっている、本当に素敵な業界だということを、これからこのコラムでは、皆さんにお伝えして行きたいです。
今回は「AV監督のお仕事」を中心に伺いましたが、次回は監督にデビュー作から3作目までを撮っていただき、いかにまりかの「AV業界」に対する思いが変わって来たかをお伝えしたいと思います。