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オトナの世界におじゃまします。-第5回-

オトナの世界におじゃまします。

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ぶっちぎりの清純派AVアイドルまりかが、オトナの世界で働く人々に突撃インタビュー!オトナの世界におじゃましちゃいます!

第5回
女性AD、河崎さんに突撃!
(前編)

河崎さん

はじめまして! ぶっちぎり清純派まりかです!! 『女子が選ぶてぃんくる賞』に選んでいただき、これから、まりかがてぃんくら〜を代表してオトナの世界にを突撃していく事になりました!
まだまだ私もAV業界に足を踏み入れたばかりで、わからないこともたっくさんあるけど、頑張って皆様にリアルなお仕事の裏側をお伝えしていきたいと思います。

トピック1 AV業界で女性が働くのって、やっぱり大変ですか?open

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まりか(以下ま):どうも! まりかです。なんと今回のゲストは、初めての女性です! みなさん、AV会社にも女性スタッフの方が実は結構いらっしゃるんですよー! AD(※アシスタントディレクター。監督見習いの意)の河崎はるなさんです! パチパチパチ!

河崎(以下河):ADの河崎です。SOD入社2年になります。よろしくお願いします。

ま:河崎さんは、女性でADというハードなお仕事をされているのですが、このコーナーを読んでくれている皆様からしたら、「AV業界で、女性がADとして働いている」って、とっても驚くことだと思うんです。(笑)

:そうですねー。AVに限らず、映像の制作系はやっぱり男性が多い業界ですからね。でも最近は女性も増えてきていますよ。ADの女のコも私以外にも何人かいますし。

ま:頑張る女性が増えてきてるってことですね! 実はこの対談をしている今日は、何を隠そうクリスマスイブなんですが…(笑)河崎さんはクリスマスは何をするんですか?って一応聞いてみちゃったり…(笑)。

:平日なんでふつうに仕事です(笑)。

ま:やっぱり…!!(笑)

:まったく普段と変わりのない、平凡な一日です(笑)。

ま:まあ、まりかもお仕事だしね! それじゃあまず、最初の質問。ADさんのお仕事はどんなことをしているのですか?

:監督が作りたい、と思っているものを形にするためのあらゆる要望にこたえる、ということですね。本当に仕事内容は多岐にわたるのですが、一つの作品が出来るまでだと、まず、監督の撮影する作品が決定する。そこで企画会議を重ねて、監督の撮りたいもののヴィジョンを打ち合わせしてすり合わせます。そこで決まった内容から、その監督の要望に見合った場所・人・物を準備していきます。

ま:作品を作るための材料集め、ですね! すごい大変そう…。

:場所だったら、カタログやネットでスタジオを探して、良さそうな所があったら下見にいってカメラで撮ってきます。これはいわゆるロケハンというものですね。監督がより作品を作るイメージが作りやすいように、というのと我々ADが現場を回すときの段取りを組むため、という理由です。

ま:へえ~! 事前にそこまでやっているんですね!

:その他、撮影の技術スタッフさんやメイクさんを依頼したり、カメラマンさんと打ち合わせして、必要な機材の発注だとか。小道具を作ったり、看板を作ったりと、作品を作るための準備は、ありとあらゆることをしますね。男優さんのキャスティングもADがやらせていただいています。まりかちゃんに関してはスタイリストさんが付いているけれど、場合によっては衣装もやったりしますね。

ま:うわー!! 本当にモリ盛り沢山ですね、いつもADの方は忙しそうにしているけど、本当に色々なコトをやっているんですね…!

:そうですね。ここまでは撮影前の準備のお仕事ですが、ロケの時には、段取り良く撮影が進行できるよう現場を仕切ります。それと、女優さんのケアだったり。やることはいっぱいですね。

ま:ADさんが男優さんのキャスティングをするって、どうやって決めているんですか?

:やっぱり作品の内容にもよるんですけど、例えば痴漢ものだったらイケメンの男優さんがいっぱい痴漢してたところで、お客さんも感情移入しづらいというご意見があるので、どちらかといえばちょっと気持ち悪い系の人だったり。女優さんのデビュー作品なんかの場合は、女優さんが極度に緊張するデリケートな撮影なので、現場慣れしていて、なおかつ女のコの盛り上げ方が上手くムードを作れる男優さんにお願いすることが多いですね。

ま:男優さんにも色々な人がいますもんね。ムキムキな人とか。

:そうですね。ドMの役なのにめちゃくちゃガタイの良い男優さんをキャスティングしたらやっぱりそれは変だし(笑)、あくまでも作品が良いものになるよう、考えてキャスティングしています。あと、女優さんによってはNGの男優さんもいたりするので、それも気をつけていますね。イケメンじゃないとイヤだ!って女優さんもいました(笑)。

ま:へー!! そうなんだ!(笑)

:やっぱり相性もあるみたいです(笑)。イケメンが相手でその女優さんが気持ちよくお仕事できるのなら、そのほうが良いですからね。表情にも出ますし。

ま:ロケの現場で、女性のADならではの「気をつけていること」ってありますか?

:女優さんによっては女性のスタッフがいると恥ずかしい、って方もいるので、そういう時は裏に回りますね。女優さんによって変えてます。逆に男性スタッフがいると恥ずかしいって女優さんもいらっしゃるので、その時はもうめっちゃ最前線でケアします!

ま:まりかはされているからわかるのだけど(笑)。読者の皆様に女優さんのケアって何をするのか教えてください!

:現場でのありとあらゆるケアをします。撮影中にVTRのカットが掛って、ちょっと時間が空いたときはローブを掛けてあげたり、お水を渡したり。カラダが資本のお仕事なので、何かつらそうにしていないか、とか、常に気を配って接しています。女優さんが気持ちよくお仕事ができるよう、色々しています。

ま:そうなのよ、まりか、AV女優さんは裸を見せるお仕事なんだから、現場では常にスッポンポンなのかな、と思いきやカメラが回っていないとすかさずローブを掛けてくれるんだよね。

:それはもちろん女性ですからね。あと、恥じらいは大事なので(笑)。

ま:当たり前に、ひとりの女性として扱ってくれるのに感動したなあ。

トピック2そもそも、どうしてアダルトの会社に入ったんですか?open

写真2

まりか(以下ま):かなりのハードワークだと思うのですが、入社する前から大変なのはわかっていて入社したんですか?

河崎(以下河):AVに限らず、テレビも映画も映像制作会社は大変だろうな、っていうのは最初からなんとなく覚悟はしていましたね。元々大学が芸大で映像系だった、というのもありまして。。

ま:それじゃあ元々映像関係を目指していたんだ!!

:そうですね。でも周りの映像関係で働く友達の話を聞くと、ウチは大変なほうらしいです(笑)。

ま:どうして映像系の大学に進んだんですか?

:とにもかくにも、映画が好きだったんです。色々あるんですけど、日本映画が好きで。特に『鉄男』という塚本晋也監督の映画の影響を受けまして。

ま:どんな映画なんですか?

:朝起きたら、顔に鉄屑が付いていて、それがどんどん増えていって、最後には鉄の塊になってっちゃう男の映画です。

ま:それはヒューマンドラマものなのかな?(笑)

:カルト映画ですね(笑)。

ま:それを見て映画を撮りたいと思ったんですか?

:その方は監督脚本出演まで全部やっちゃう方で。あと自分は絵を描くことが好きだったので、アニメーションもやりたいなって。

ま:じゃあ、高校生のときは映画っ子だったんですね!

:まあ、その映画を知ったきっかけっていうのが…その時つきあっていた人が好きな映画だったんです…(照)。

ま:でたー!! 女子ならではのラブい話!! それでそれで??

:好きな人のことは知りたいし、好きな人が面白いって言うのならば、見たいって思うじゃないですか、乙女としては(笑)。

ま:ヒューヒュー!! なんかほっこりする~!

:まあでも見てみたらカルトムービーだったと(笑)。血とかいっぱい出てるし。

ま:じゃあその彼氏の影響なんですね~、ピュアだなあ!

:ピュアですね。

ま:おお、言いきった(笑)。女性なのにSODに就職するなんて人は、どんだけスットンキョーなのかと思っていたら、あれですね、ほんと乙女ですね!

:そう…なりますね(笑)。それで大学に入って、アニメーションを制作をしたりしていました。

ま:映像がやりたかった、というのはわかったのだけれど、どうしてAVの制作を選んだんですか? 他にどこか受けたりしなかったんですか?

:ここだけですね。

ま:ええっ!! 最初からアダルト一筋?!

:というと誤解があるんですが(笑)。アニメーションにも興味があって、そっち方面も受けてみようとはしていたんです。だけど、受けるより先に、SODクリエイトの内定が決まりまして。

ま:ほほう。

:一番最初に「ほしい」って言ってくれた会社とは、きっと何かご縁があるんだろうなって思って。

ま:「あたしを呼んでいる!」って。

:そうですね。決めました。

ま:だけど、なぜ敢えてアダルトの会社を受けようとそもそも思ったんですか? 映像だったら他にもいろいろあるのに。

:実は大学時代に、AV女優さんと知り合う機会がありまして。その時に、仕事に対する姿勢が真面目で、尊敬しちゃうなあ、って思ったんです。その姿を見てAVのお仕事に興味が湧いて。

ま:そのAV女優さんとはどうして出会ったのですか?

:大学の卒業制作で映画を撮ったときに、出演してくださった方が元AV女優さんだったんです。フリーでお仕事をされている方で、学生映画にも出てくれるというのでお願いをしたんです。

ま:へえ~! その方とお会いするまでは、AV女優さんって河崎さんにとってどんなイメージだったんですか?

:とにかく物凄いお金を稼いでいるようなイメージで「お金のためなら何でもやる!」って感じかなって、思っていましたねえ。完全に偏見ですよ。その女優さんは、AV自体はもう引退していて、ピンク映画とか舞台に出ている方だったんです。でもカラダ張って、学生の我々の作品にも凄く力を入れて下さって、物すごく、真面目で、有難いなあ、すごいなあって。

ま:それでAV会社もアリだな、って思ったんですね。

:普通の就職活動のポータルサイトの募集を見て応募しました。しかも私は二次募集のギリギリな選考だったんです。クリスマスに内定を頂いたので、今からちょうど二年前ですねえ。

ま:クリスマスプレゼントだ!

:内定のお電話をいただいたときは、思わず聞き返しました。「本当ですかそれ」って(笑)。素直にうれしかったです。

インタビュー後記
「自分の人生を人のせいにせず、自分の責任で生きる」このコラムも3回目に入り、アダルト業界で働く人たちに対して、まりかが感じたことです。アダルト以外のどんなお仕事にだって、まりかには分からない真剣勝負があると思う。だから、アダルト業界を特別扱いして欲しいわけじゃない。だけど、皆「自分の人生を自分の責任で切り開いている」。今までインタビューしてきたメンバーは特に、今の日本では、まだまだ日の当りにくいアダルト業界でも、自分の責任で生きている。そこに「何の罪も無い。むしろ誇りだけだ」。
インタビュー後記イラスト