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オトナの世界におじゃまします。-第9回-

オトナの世界におじゃまします。

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ぶっちぎりの清純派AVアイドルまりかが、オトナの世界で働く人々に突撃インタビュー!オトナの世界におじゃましちゃいます!

第9回
スタイリスト、寺島さんに突撃!
(前編)

寺島さん

はじめまして! ぶっちぎり清純派まりかです!! 『女子が選ぶてぃんくる賞』に選んでいただき、これから、まりかがてぃんくら〜を代表してオトナの世界にを突撃していく事になりました!
まだまだ私もAV業界に足を踏み入れたばかりで、わからないこともたっくさんあるけど、頑張って皆様にリアルなお仕事の裏側をお伝えしていきたいと思います。

トピック1AVのスタイリストって そもそも、そういう募集があったんですか???open

写真1

まりか(以下ま):今回は女優さんの衣装のスタイリングをしてくれている、スタイリストの寺島さんにゲストにお越しいただきました!! いらっしゃいませ~♪ パチパチパチ!

寺島(以下寺):よろしくお願いします。メチャクチャ緊張しています…。ものすごいカッチカチなんですけど…大丈夫ですかね?

ま:大丈夫です! もっとリラックスしてくださいな★ それではまずお仕事についての質問! スタイリストさんって、「モデルさんたちが身につける服とかアクセサリーとかを集めて、さまざまなメディアに合ったものをコーディネイトするお仕事」だとまりかは思っているんですけど、具体的にはどういったお仕事内容なのですか?

:具体的に…具体的にですか。えっと、監督・またはプロデューサーから衣装の発注があります。そして打ち合わせの場でVTRの構成を見て、そのコーナーに見合ったものを提案します。または監督から「こういうの集めて」という漠然とした依頼を受け、衣装などを集めて現場でコーディネイトする。VTR撮影の時のお仕事はそんな感じです。

ま:“監督の依頼”ってどんな感じなんですか?

:「こういう感じ」といった、ものすごい抽象的なお願いですね。

ま:え? 本当にそれだけ? すごい抽象的! たとえば? まりかの場合はどんな感じだったの?

:まりかちゃんの時は「ワンピースな感じ」って(笑)、その一言でしたね。

ま:幅広っ(笑)。

:ワンピース一つにしてもいろんなのがあるじゃないですか。「なんでもいいよ」って言われると、本人に似合うものが一番良いので、何が似合うのかイメージして。あと、撮影するスタジオの背景の色味に合わせてみたりだとか、細かく決めていってます。

ま:じゃあ例えば、シンデレラ一期生の3人の女のコのデビュー作の衣装を用意するとしたら? ゆっきー(周防ゆきこちゃん)は優等生で、まりかは清純派で、ひなにゃん(くるみひなちゃん)はギャル系、って違うでしょう。どうやって集めてるの?

:どんな感じ…。えーと、それぞれキャラに合ったキャッチフレーズがあるじゃないですか。それに合わせて買い出しに行く場所を決めるんですよ。たとえばギャル系だったら渋谷に行く。ギャル服は渋谷以外では買わないという、勝手なスタンスを自分の中で作っているんです(笑)。

ま:おお! 買い出しの気分からギャル思考になるんだ(笑)。

:例えばまりかちゃんの「清純派」だったら百貨店系が多いです。例えばマルイとか伊勢丹とか。いろんな系統のファッション雑誌を参考にしながら、女のコのイメージをどんどん広げていく感じですね。

ま:なるほど~。話がスタート地点に戻っちゃうんですけど、スタイリストさんを目指したきっかけは何だったんですか?

:高校卒業してから八年間、アパレルの販売をしていまして。販売って結局販売でしかないんですよ。お客さんは結局、そのブランドが好きで買いに来ているわけで、販売員はこの商品がどうとかっていう手助けをすることしか出来ないんですよ。だったら自分で作り出すほうがいいな、って思って転職を考えて。そんなときにたまたま転職サイトを見ていたら、「SODスタイリスト募集」って載っていて。

ま:ええ?! スタイリスト募集って! そんなふうになれるものなの? 資格とかっていらないものなんですか?

:スタイリストは資格とか特に必要ないですねえ。

ま:じゃあスタイリストの中でも「AVのスタイリスト」を選んだのは、転職サイトに載っていたから?

:そうですね。本当にたまたまAVでした。本当に偶然です。

ま:ご縁があったんだね~。それじゃあTVのスタイリストだったらTVだったりしたんだ。

:別にAVだろうとなんだろうと、関係無かったですね。

トピック2SODでの最初の仕事は「失禁のイメージ衣装を買ってきて」でした(笑)open

写真2

まりか(以下ま):スタイリストになったって事は、小さい頃から服が好きだったの? スタイリストになる前のアパレルの仕事はなぜ始めたの?

寺島(以下寺):うーん、気がついたら始めてたんですよね。なんとなく、大学行ってもしょうがないなって思ってて。四年間学生するより、四年先取りして働いて、四年後に入ってくる同年代よりも上を行きたい!って思っていたのはありましたね。その時も就職サイトを見てアパレルの企業を見つけて、オープニングスタッフで入社したんです。

ま:フィーリングな感じでお洋服関係に行ったんだ。

:そこの店は四年働いて、今度は外資系ブランドに行きたいなあと思いまして。募集はしてたんですけど、大卒しか採用しないって条件だったです。でも全く気にせず人事の方に電話して「高卒ですけど何か?」って(笑)。そしたら受かっちゃいました。

ま:すごーい! やってみるもんだね!

:そんなこんなで、結局飽きやすい性格なんですよ。それでまた転職サイトで「スタイリスト募集」を見つけて。これはおもしろそうだな、と。

ま:へえー。

:スタイリストの仕事って、毎日刺激的だろうなって。ブランド問わずいろいろな衣装を集めて、自分で考えてスタイリングできる、ってところが日々新しくて良いな、って思ったんですよね。

ま:これはみんなに聞いている事なんだけど、SODの面接はどうだったの? 結構変わってますよねSOD(笑)。

:一次面接は社長と、スタイリストの方がいて。もう一人受けに来ていた人と僕との2人一緒の面接で。その人ばかりに質問がいくんですよ。僕には一つ二つしか質問がこなくて。もう完全に落ちたな、って思いましたね。で、帰りにそのもう一人の受けた人にベローチェに誘われて。

ま:ベローチェ(笑)。あ、SOD近くの喫茶店ですよみなさん(笑)。

:「お茶しましょ」って言われてお茶したんですけど「いや~、俺受かっちゃいますね」って言われて…。

ま:わー! なんかヤなヤツだ!!(笑)

:「なんか申し訳ないっすね~」って言われて。僕も落ちたと思ってたので「いいっすよ」って言ってたんですけど、その後二次面接にも呼ばれて。

ま:そのヤなヤツは落ちちゃったの?

:彼も二次まではいったみたい。二次面接はSODの衣裳部屋に呼ばれて、いきなり「専属女優○○ちゃんをイメージした私服を3パターン作れ」って。

ま:ええ?! 確かにアパレルでお洋服に関わってはいたけど、スタイリストとしてはぶっちゃけ素人ですよね??

:そうなんですよ。でも何とかやりきりました。で、コーディネイトした衣装を写真に撮られて終了。それで結局僕が受かっちゃったんですよね。やったー!って(笑)。

ま:あいつは落ちちゃったのか(笑)。素人でもスタイリストとしてキラリと光るものがあったんだろうねえ!

:そのあと入社する前に一回だけ手伝い来てくれ、と頼まれて新宿に呼ばれたんですよ。そこでいきなり「次の撮影は“失禁”がテーマのパッケージだから、“失禁”のイメージの衣装買ってきて」って言われて。

ま:ええ? 入社が決まったばかりで、それまで販売員やっていた人にいきなり“失禁”って言われても…(笑)。

:それで新宿でポツンと取り残されて……。

ま:ええええ?! いきなり失禁でポツン(笑)。めっちゃ心細い~!

:失禁て、普段絶対あり得ないシチュエーションじゃないですか。で、探しても失禁なんかわからないし。ビデオ屋さんに行っていろんな作品のパッケージを見たりして探り探りで、透け感のある素材の衣装を買いました。

ま:それは採用されたんですか?

:残念ながらされなかったですね…。今になって思えば、生地が厚かった。もっと薄くて、濡れた時の感じがもっと透けてたほうが良かったなって。でもこの失敗は後々役立ってますね。そんな感じで入社したんですけど…初日にいきなり「専属の女優さんのデビューのパッケージ撮影あるから」って言われて、朝6時位集合で、山奥に連れて行かれて。

ま:山奥(笑)。どこ行くか告知なしなの?(笑)

:なかったですね~。とにかく朝6時に来いよと。それで現場に着いて師匠のスタイリングを見て。ほうほう、って思ってたら、「じゃあ、あとよろしく!」って。「撮影中衣装が崩れたら直して」って…。

ま:初日にいきなりですか!!

:直してって言われてもよくわかんないし、女優さんとも初めて会うから、どうコミュニケーションとったら良いのかかわからないし…。

ま:あれだ、“獅子は子を谷へ落して…”ってやつだ(笑)。スタイリストさんって、ブラのストラップとかズレたら直してくれるんですよね。それをいきなり初日にやったんですか?

:そうそう。その時はセーラー服だったんだけど、リボンとか直して。でもそのおかげで「甘えず自分で覚えていかなきゃ!」と思って。現場にいながら、どうしたらいいか常に考えてやっていきました。放置されたのが逆に良かったなあ(笑)。

ま:じゃあ入社前にその、一人での買い出し行って、入社してパッケージの現場行って。それからは師匠と一緒に行動していたんだよね?

:ところが、一ヵ月もたたないうちに師匠がグラビアの撮影で海外に行くことになって。その時僕もパスポート作っとけって言われたから「やった! 海外行ける」って急いでパスポート作ったんですけど…案の定僕一人お留守番で…。

ま:わああ…悲しいね…。

:お留守番してたら、いろんなロケ隊から衣装の発注が来るんですよ。もう大人数モノばっかりで。一週間くらい一人でずーっと衣装集めて、買い出ししてって。全部一人でやりました。

ま:その一週間で、一人立ち出来たって感じですか?

:本当にそうっす(笑)。やるしかない!!って。

ま:なんかSODっぽいね(笑)。

:入った時は何もわからなかったけれど、なんでもやっていましたねえ。

トピック3スタイリストさんって、特殊なお仕事ですよね。衣装だけじゃなくて、おっぱい盛ってくれたりとか(笑)open

写真3

まりか(以下ま):このお仕事を始めてみて、スタイリストのやりがいとはどんなところだと思いますか?

寺島(以下寺):もちろんパッケージやVTRが出来上がったものを見た時です。あと、全然しゃべったことのない僕の事を知らない人から「あの衣装良かったね」って言われた時ですね。

ま:それはDVDを買ってくれたお客さんとか?

:そうですね。女優さんのサイン会のイベントについて行ったときとかに、お客さんから言われたりするんですよ。声掛けられて。嬉しいですね。

ま:へー! スタイリストさんもサイン会に来ることもあるんですか??

:もちろん仕事でついていってる時もあるんだけど、僕は割とサイン会に行くのが好きで。個人的にも行ったりしています。

:失敗…失敗というか、男性恐怖症の女のコがいて、そういうときって男に触られるのがだめなんですよ、AVやっている女のコだったんだけど。

ま:へえ? 男優さんと絡むのに? スタイリストさんは直接衣装を着るのを手伝って、おっぱい盛ってくれたりとかするもんねえ。

:そう。あと、「元彼にすごく似てる」って理由で、一言も口きいてくれない女のコとかいました。

ま:ええ?! 元彼? でもたしかに寺ちゃん、元彼とかにいそうな顔してる(笑)。

:女性のメイクさんに「ちょっと直してもらっていいですか、ぼく嫌われてるみたいなんで…」ってお願いしてます。

ま:か、かなしい…。

:で、よくよくメイクさんから聞いたら、元彼に似てるからって。元彼じゃないのに…(涙)。まあでもそれは女のコなんで。嫌な思いを現場でしてもらいたくないですからね。

ま:スタイリストって特殊な専門職じゃないですか。彼女とかに「服選んで!」って言われたりしないの?

:ああ、言われたことあります! でも僕はそういうのは一切断っています。

ま:ええ? なんで?!

:僕は仕事で選んでいるだけなので、プライベートではそういうのはしたくないですね。僕は人の個性を馬鹿にしたくないと思うというか、尊重したいな、って思っていて。例えばデートとかで、彼女が全身キティちゃんのジャージ姿で来ても全然平気です。逆に、俺もジャージ着て行っちゃうかもしれないし。仕事とは分けていますね。下着はうるさいかもしれないけれど(笑)。

ま:身体に合ったものを身につけろ的な? まあ仕事柄…そうですよね。

:結構AVの衣装って下着がメインだったりするので重要なんですよ。だから女のコ以上にいろんな下着屋さんを知っちゃっているんですよね。だから身に着けているのを見ただけでどこのブランドなのかとかがわかっちゃうんですよね。下着姿見て、何カップかわかりますし。

ま:ええ!? 恐るべし…(笑)。これを読んでる方はわからないと思うけれど、寺ちゃんは盛り師じゃないですか、胸の(笑)。ホント、寺ちゃんにかかると、かなり盛り盛りになっちゃうんですよ!! そういうテクニックはどうやって学ぶの?

:あれはたまたま、矯正下着を作っている方と知り合いになって、教えてもらったりしました。

ま:これは後半で…ゆっくりテクを聞こう(笑)。

インタビュー後記
「スタイリストさんへのインタビューということで、事前にいろいろ調べたんですが、アシスタントとして何年間か活動して、スタイリストデビューするのが普通らしいの。それを1週間でスタイリストデビュー!? SODらしいスタイリストさんの誕生秘話ですね。きっと、寺ちゃんは我武者羅に何でもチャレンジする一方で、裏では凄く勉強したんだろうな……。今回一番嬉しかったのは、「スタイリストさんのやりがいは?」って聞いた時に、「作品が出来上がった時」って答えてくださった事でした。スタイリストさんって、カメラマンさんやプロデューサーや監督と違い、撮影中は口出しして来ないでしょ? でも、一緒に作品を作ってる仲間って思ってくれてるんだな……って、感じて凄く嬉しかったです。
インタビュー後記イラスト