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オトナの世界におじゃまします。-第11回-

オトナの世界におじゃまします。

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ぶっちぎりの清純派AVアイドルまりかが、オトナの世界で働く人々に突撃インタビュー!オトナの世界におじゃましちゃいます!

第11回
葛西社長に突撃!!!!!
(前編)

葛西社長

はじめまして! ぶっちぎり清純派まりかです!! 『女子が選ぶてぃんくる賞』に選んでいただき、これから、まりかがてぃんくら〜を代表してオトナの世界にを突撃していく事になりました!
まだまだ私もAV業界に足を踏み入れたばかりで、わからないこともたっくさんあるけど、頑張って皆様にリアルなお仕事の裏側をお伝えしていきたいと思います。

トピック1いよいよ最終回!!ゲストはなんと……SODの社長さんっ!!緊張しまくりですっ!open

写真1

まりか(以下ま):今回で「ぶっちぎり清純派! まりかの“オトナの世界におじゃまします。」も遂に最終回です! 約半年にかけてAV業界で働く人々を突撃してきたのですが、やっぱりシメは社長さんでしょ!! ということで、まりかのお世話になっているSODクリエイトの社長である葛西さんにお越しいただきました!! …なんか今までにない緊張が…自分でお願いしておいてなんですけど(汗)。

葛西(以下葛):いやいやいや(笑)。大丈夫ですよ、まりかちゃんをずっと撮ってた新保(監督)とずっと一緒にやってたので。安心してください(笑)。

ま:そうなんだ!! じゃあ大丈夫かな?(笑)

:その辺にいるペラい兄ちゃんだと思ってもらえれば(笑)。

ま:わ、わかりました(笑)。よろしくお願いします!

:僕もどうしたらいいか心構えが出来てないんですが…(笑)。よろしくお願いします。

ま:それでは、まずはAV会社の社長である葛西さんの一日を教えてください!

:結構バラバラなんですけど、大体は朝十時に出社して、まずはパソコン立ち上げてメールのチェックをします。それで返信とかしたり。そしてスケジュールをチェックして…社長の業務はいろいろな事を決定していくっていう事が多いんですよ。だからそういった打ち合わせや会議をして、夕方になると決済印が必要な資料や伝票を確認や整理したりして…後はプレビューですね。

ま:プレビュー?

:DVDを発売する前に、編集したものを見るんです。まりかちゃんのデビュー作も、実は僕、プレビューで見ているんですよ。

ま:わあ!! そうなんですか…あのガチガチなやつ(笑)。なんか恥ずかしいですね。

:あとSOD卒業作品も見ましたよ。

ま:デビューと最後では、まりかは成長してましたか?

:魅せれるようになったな、って思いましたね。まりかちゃん自身もそうだし、撮ってる監督の技術だったりも。ちゃんとまりかちゃんと監督との信頼関係が出来ているなと。

ま:プレビューでは作品の中身がちゃんと出来ているか、だけじゃなくて、社員の皆がちゃんとしてるか、まで見てるんですね!

:そうですね。ちゃんと丁寧に作品づくりに挑んでいるか、ディレクションしているか、SODの看板をつけても大丈夫かな、というところを気を付けて見ていますね。

ま:そんなところまでチェックしているんですね! さすが社長さん…。

:僕も監督やってたからわかるんですけど、自分が撮って編集したものは、最高なものだと思いがちなんですよ。一人でやってると、大前提を説明してなかったり、説明不足だったりする部分に気付かなかったりする。そういった部分を、お客様の立場になって客観的に見てアドバイスをする、というのがプレビューでの僕の役目ですね。

ま:ほほーう。

:まあそんな感じで、ほとんど一日会議で終わってしまいますね。大体夜の11時くらいまで立て続けに会議が入っているので、帰宅するのは夜中になっちゃいますね。

ま:社長さんって大変なんですね。葛西さんはどうして社長になったんですか? どういう経緯でAVの会社に入ったんですか? 最初からAVに興味があったんですか?

:ぜんっぜん興味なかったです、AVには。僕は元々営業志望でこの会社に入ったんですよ。実は。

ま:営業!? 制作ではなかったんですか??

:ちょうど10年位前なんですけど『サラリーマン金太郎』全盛期だった時で。金太郎に憧れていたんですよ(笑)。なんとく社会に出るっていうのはスーツ着て営業をやるものなのかな、と思っていたんです。

ま:10年で社長に~! 凄いですねえ。

:僕は今、入社して11年目ですね

ま:どういうキッカケで入社したんですか? 営業だったらAVじゃなくてもいっぱいあるわけですよね。

:リアルに話すと、大学四年のときに就職活動の合同セミナーに行ったんですよ。そこに「ソフト・オン・デマンド」という社名の、「映像制作会社」とだけうたってる会社があったんです。

ま:まあ、嘘じゃないと言えば嘘じゃあないけど…(笑)。

:そしたらたまたまそこにいた営業本部長の方が、僕と同じ大学出身だったんですよ。「ウチみたいな馬鹿な大学でも部長をやらせてくれる会社があるんだ!」と、なんとなく面白そうだから会社を見にいってみようと思って見学に行ったんです。当時はエレベーターが開いたらすぐオフィス、というつくりだったんですよ。そしてエレベーターが開いた瞬間に、創業者で当時社長だった高橋がなりさんに社員が殴られて、まさに血を吹いている瞬間で(笑) 。

ま:えええええええええ!?(笑)

:いきなり人が口から血を吹いて膝が崩れ落ちるシーンを目の当たりにしたんですよ。でも周りの社員は普通に、僕に向かって「いらっしゃいませ!」って言ってるんです。同僚がまさに殴られているときに(笑)。

ま:あ、あり得ない~!

:という事はこれが日常なのか?!って。変な会社だなあ、なんか面白いな、いいなって思ったんです。

ま:それもまた凄いですね(笑)。

:もちろんそれだけじゃなくて、高橋さんは元々テレビ番組のディレクターをやっていた方で、そこからAVメーカーを立ち上げたんですよ。「テレビを見返そうよ」が口癖だったんです。僕も背が低いんで、ナメられないように!って生きてきたんで。コンプレックスがあって、それを見返してやろう、っていう気心と姿勢が好きだったんですよね。それと、社長の高橋さんはカッコいい人だったんですよ。見た目も。カッコいい人と一緒に働きたいって思っていたのもあって。それで入社しようと思いましたね。

ま:でも営業を志望していたんですよね? それがどうして制作になったんですか?

:入社してすぐ研修があって、制作会社なので最初は皆必ずADをやるんですよ。その時に「声がデカい」「現場で声が通る」という理由だけで僕は制作になりました。

ま:え? 強制ですか??(汗)

:いや、当時お花見があって、15人新卒がいた中で、僕含め4人だけ手伝いに行ったんです。そしたら「お前らは偉いから好きな部署に入れてやる」と言われて。みんな「制作です」って答えるわけです。そんな中、僕だけが「営業です」と答えたんです。そしたら「もう一回チャンスをやる。俺は営業とは口きかないし、飯にも連れてかない。制作は飯にも一緒にいくよ。どうする?」って詰め寄られて。気が付いたら「制作です」って言ってましたね(笑)。まあ、見事長いものに巻かれてしまったって感じですね。

トピック2“入社して3年間はマジックミラー号で全国津々浦々ドサ周りしてました(笑)open

写真2

まりか(以下ま):じゃあ最初はADさんから始めたんですか?

葛西(以下葛):そうですね。ADとして本格的に配属されて、すぐに大阪に行って毎日ナンパしてました。素人モノのナンパのロケだったんですけど、毎日街でナンパ三昧でした。

ま:それもまた過酷ですね(笑)。

:それで、その入社した夏に「マジックミラー号」をリニューアルすることになったんです。

ま:ああっ!! あの車両課・高鷲さんのマジックミラー号!!

:そうそう。いきなり4,000万円やるからって言われて…。

ま:え…?

:今あるマジックミラー号は、入社間もない僕が4,000万円渡されて設計してリニューアルしたんですよ。

ま:えーーーーーーー?!?!?! よ、4,000万円を新入社員に…(滝汗)。

:で、「作っちゃったからには稼げよ」と言われまして、それからはずっと全国津々浦々マジックミラー号と共にドサまわりです。丸3年位。

ま:ま、丸3年(笑)いちいちスケールが大きいですね(笑)

:本当、マジックミラー号とどこへでも行きましたね。都内でも新宿、渋谷…。おかげで今でも渋谷を楽しめないです。なんだか渋谷に行くとロケの時の事を思い出して、口の中が乾いてくるんですよね(笑)。

ま:ひーっ!! ロケの恐ろしさが伝わりますね。

:それでずっと制作をやって、ある時湘南でナンパロケをしていたら、早めに撮り終わって日にちがあまったんですよ。そこで「日にちあまってるから、明日お前好きなの撮っていいよ」って言われて、そこで自分で企画を考えて初めて監督をしました。

ま:へえー! じゃあ監督をやったキッカケもたまたまだったんですね!

:その作品が面白い、って事で、それから監督をやらせてもらえるようになったんです。

ま:営業志望だったのが、AV監督になった瞬間ですねー!

:それでAD・監督を4年ぐらいやった時に、ちょうどこれからAV監督としてもうワンステップという時に、「テレビ番組制作に出向してきて」って言われて、一年間テレビの制作をやってたんですよ。で、テレビで演出力とか構成力を見につけて、もう一度AV監督としてやっていこう、と思った矢先に今度は会社が独立採算制というものになりまして。各事業部が出した結果で採算をとるという事になったんです。そのタイミングで事業部長になり、経営の勉強もして。4つの事業部で、僕のところが一番になれたんですよ。その後に独立採算制がなくなって、社員一致団結してやろう、という体制に代わって制作を束ねるセクションの編成部を経て、社長に就任し、今に至るって感じです。

ま:なるほどー。なんだか10年の間に物凄い濃密な経験をしてらっしゃるんですね。ところで新保監督はいつぐらいに会社に入ってきたんですか?

:新保は僕の1こ下ですね。僕がチーフADになったくらいの時です。一時期僕と新保を含め3人しかADがいない時期もありましたね。それだけ苦楽を共にしてきました(笑)。

ま:めっちゃ大変そう(笑)。よく新保監督が、嬉しそうに葛西さんの話をしてましたよ~!

:そうなんですか?(笑)

ま:大好きみたいです(笑)。それじゃあAV会社の社長という、珍しい職業の葛西社長のプライベートな話も…。休みの日は何をしているんですか?

:漫画とゲームくらいですね…。ほんっと、そればっかりなんですけど、この間新しく出たゲームを20時間ぶっ続けでやってました(笑)。

ま:夏休みのこども?!(笑)

:未だにジャンプは日曜の夜中の早売りを買ってますからねえ(笑)。まさか三十過ぎてまでジャンプを買っているとは思わなかったですね…。まあホント地味だし無趣味なんですよ。土日もどっちかは会社に行くことが多いし。

ま:そんな純粋な少年の心を持った人がAV会社の社長になれるんですねえ…(笑)。

インタビュー後記
「エンターテインメントって人生に必要ないよね!!」社長さんを呼んでおきながら、いきなりまりか持論です。←自分勝手な女ですみません(笑)。衣食住と違い、生きる上で必要の無い物をわざわざ選ぶ。 「必要の無いものを選らんだからこそ、真面目に取り組まないと成功しない!!」 そんな社長さんのスタンスで、SODと言う素敵な会社が出来上がったと思いました。だからSODの皆さんは、仕事の時は真面目過ぎる体育会系な真剣さで、寝る間も無く、拳が飛び交う(AVの世界って怖くないよー!ってコラムなのに、こんな事書いていいのかな・笑)だけれど、その反面、皆、優しくて、馬鹿で(いい意味で……)少年の心を忘れていないのかな?
インタビュー後記イラスト