お仕事NAVI-第66回-
いろんなお仕事を先輩達のインタビューと共にご紹介。理想の環境を探そう。
てぃんくる業界におけるスタッフの重要性
てぃんくる業界では、お店を運営するスタッフは縁の下の力持ち的存在。業種やスタッフ自身の役職によって仕事の内容に若干の違いはあるが、風俗店でいえばお客様への接客、女のコの管理や清掃業務、さらにはホームページの更新などと多岐にわたる。これはカンパイ系の業種も同様といえるだろう。プロダクションであれば、出版社やAVメーカーへの女のコの売り込み営業や、現場への送り迎えがおもな仕事だ。 女性がメインである世界だが、実はスタッフの質でお店の経営が大きく左右される。スタッフの素行が悪く、だらしない人間が多いお店や会社は女のコも影響を受け、接客に身が入らずリピーターとして返ってこない。それ以前にスタッフの対応が悪ければ、お客様は受け付けの時点でお店の雰囲気を察知し、帰ってしまうケースが多いのも事実である。また、プロダクションなどであれば、モデルの意向とは違う仕事を取ってくることにより、モデルは仕方なく不機嫌な状態で、無理して現場の撮影をこなすことになる。結果的に女のコの不信感をあおることになり、発注元の会社から、モデルの仕事ぶりについてクレームを受けかねない。このように人間性や能力により、お店や会社の経営に影響を与えるスタッフの存在は、女のコの質やレベル以前に重要な鍵なのだ。
最近のスタッフ事情
ここ数年、業界を取り巻く法律の改正により、形態を変えながら進化してきたてぃんくる業界。10年ひと昔というが、風俗店は数年前に比べて客入りがシビアになってきているのも事実だ。以前は、店側や女のコが努力をしなくても(すべてではなく、努力していた店も多かったが)、ある程度の集客が見込めていた。ところが現在は、広告宣伝や丁寧な電話対応などといったスタッフの努力、女のコ自身の接客マナーや技術のスキルアップが必須となっている時代。そのため、スタッフ自体の人間性や能力といったものが高いレベルで必要とされるといえる。 以前は行き場をなくした男性が風俗店の店員に……などという暗いイメージがあった。しかし最近では、脱サラ組や起業を目指して飛び込んでくる、目的を持った若い人が多くなってきている。事実、スタッフとして入店し、下積み時代からはい上がって店長となり、お店の運営方法から女のコの管理などを学んだのち、コツコツ貯蓄をして独立する若者が増えてきているようだ。このように、スタッフ自身の個々の持つ能力が高くなってきているのである。それでいて、女のコとのコミュニケーション能力も必要になってくるため、人間性も重要視されてくるから大変な仕事だろう。
取材・文/桂 小伍郎