私ってすごく尽くすタイプなんですよ。メイドはまさに天職です(笑い)
●どうしてこの業界に?
「前の仕事は私の夢に近い感じの仕事だったんですけど、とにかく寝る暇もないくらい忙しくて、それでテンパっちゃったんです。女の子って頑張り過ぎちゃうところがあると思うんですよ。『頑張らなくちゃ頑張らなくちゃっ』て、特に私はその傾向が強かったので、自分を追い込む結果に。結局、会社を辞めちゃって、このお店に勤めることになったんです」
●風俗に初めて足を踏み入れた時ってどんな気持ちだった?
「他の子は嫌悪感とか持つのかもしれないけど、私は大丈夫でしたね。この業種があってたのかな?ご主人様(=お客さん)が優しくしてくれるのが嬉しくて……。私、すごいコンプレックスの塊なんですよ。『私ってデブでブス!』みたいな」
●ええ~ッ!??? そんなことないよ~!
「みんなそう言ってくれるけど、それがわからないんです。ご主人様がお店に毎日5人も6人も来てくれて『君に会いたいよ』って。必要とされるのが嬉しいなんて、弱い子みたいなんですけど」
●誰だってそう言われたら嬉しいし、それは頑張る気力になると思う。風俗をやるにあたって、どうしてメイドというジャンルを選んだの?
「私、すごい尽くすタイプで、本当にメイドが向いてると思うんです。どこまでも気持ちよくさせてあげたいっていうのがあるから、それで喜んでくれて「楽しかった」って云ってもらえるのは楽しい仕事だなって。このまま極めていってもいいかも!」
●さっき女の子って頑張り過ぎちゃうって云ってたじゃない? 具体的にちゆさんはどんな時に頑張り過ぎちゃうんだろう?
「今の若い女の子って『やってやるぜ』っていう気持ちがあると思うんですね。腹も座ってるし。そういう子たちに私も負けたくなくて、『結果を出さなきゃ』、って思い過ぎちゃったんですね。でも会社員で結果を出すなんて1年2年じゃ土台無理」
●それで空回り。
「風俗だと、朝イチで着いたご主人様が2時間後くらいに『またちゆちゃんに会いたくなった』って帰って来てくれたりするんです。私、自信ない子ちゃんだから頑張った成果がお金に表れたりすると、少し自信にも繋がりますよね」
●自分が思う程、他人はちゆさんの外見を気にしてないし、つ~かむしろ、レベル的には高いと思うけどな~。
「自分が気にし過ぎだとも思うんですけどね。私、片親なんですけど、母親がすごい美人なんです」
●それは血筋が出るんだから、すばらしいことなんじゃ…
「あはは。ちっちゃいころは全然似て無くて、母親はちやほやされてるのに、私だけぽつーんって感じ。おとなになって徐々に似てきたけど、身近にちやほやされる人がいたから…かわいいよって言ってくれても、本当? って疑心暗鬼に…」
●ちょっと言葉悪いけど、トラウマなのかな。
「そうかも。母親がかわいいよ、って言ってくれなかったから。すごく理想が高いのかも。だから今の自分の状態が苦しいのかも」
●でもここに来てたくさんの人に可愛いって言ってもらえて。自信なし子ちゃんだったちゆさんは少し改善された?
「されてきてはいますね。今の自分と理想の自分の距離は少し縮まったかもしれないけど、もっともっと頑張ろうって思ってます」
●それでまた空回りしなきゃいいけど。
「『満足な接客が出来ないくらいなら店にいきません』っていう人間だから、張り詰めていたものがはじけちゃうと大変。自信がないくせに負けず嫌いだから手に負えない(苦笑)。ある程度は上手く力を抜けるようになればいいんだけどな」
●2ヶ月じゃまだ難しいよね。
「もう必死です。もう少ししたら指名が落ち着いて、収入も落ち着くからって、お店の人にはアドバイスしてもらってます」
お客さんは『性的ファンタジー』を求めてるんですよ(笑)
●お客さんってどんな感じの人が多いの? やっぱり今流行りのヲタク系?
「みんなリュック背負ってくるのかな(笑)って思ってたんですけど、そういう人は1割くらい。客層は若くて、20代中盤から30代前半までが一番多い気がします」
●ちゆさんが接客の際に気を付けてることってある?
「シャワータイムを楽しめるグッズを揃えていたりしますね。あとは時間があまったらマッサージオイルでマッサージしてあげるとか」
●お客さんの求めてくるものってやっぱり癒しだと思うんだけど、それ以外になにかある?
「過激なプレイ、というか濃厚サービス。性的ファンタジー」
●性的ファンタジー???
「可愛いメイドさんに優しくしてもらうんじゃなくて、こう…『御主人様のくせにチ○コなんか立てやがって』みたいな(笑)」
●わははははは! なるほど『性的ファンタジー』ね!!
「面白いのが、ある日突然メイドとご主人様の攻めと受身が逆転する時があるんです。すごく攻められ好きの人が「この子はどんな反応をしてくれるんだろう?」って自分が攻めてみたくなるみたいなんですよね」
●そのバランスを楽しめてるってのはいいね。逆に大変なことは?
「新しい御主人様が続いた日とかはかなりぐったりしてますよね。緊張しながら高いレベルのサービスを提供し続けていく、っていうのは心も身体も疲れますよ。初対面の人に好かれようとするのって疲れるじゃないですか。でも指名のお客さんだと、私の事を好きで来てくれるわけだし、お客さんの気持ちいいところもポイントも分かってるから、少し気持ちが楽になりますよね」
●対人間の商売だからさ、ある程度自分を演出することは必要だと思うよ?
「セルフプロデュースってことですよね。確かにこの仕事だけじゃなくて、先の事が見えてないと辛いかも。それは芸能人でもAV女優でも同じだと思います」
彼氏がいると切なくなっちゃうので、この仕事をしている間は彼氏を作るのは難しいな・・・。
●ちゆさんって、タフそうだよね~。
「そんなことないです! タフになりたいですよ~。今は人前だから気を張って応えてるんだと思いますよ~。いつもはふにゃふにゃ(笑)。今はとにかく恵まれてるな~。彼氏が作れないってことだけがネガだけど」
●作れないことはないんじゃない?
「彼氏がいると切なくなっちゃうんです。やっぱり彼氏と上手くいってないと、ボロボロになっちゃったりするじゃないですか。喧嘩した次の日なんか、きっとチ○コくわえられないですよ~(笑)。何もかも分かってて付き合うのも難しいだろうし。かといって嘘ばっかりついてるのも嫌だし」
●ところで、仕事のことをお友達や御両親は知ってる?
「親は仕事の事は知ってるけど、仕事の内容は良く分かってないみたい」
●親御さんの反応は?
「身体に気を付けてね、って。私がやりたいことがいっぱいある人間だっていうのは分かってて、それにはお金が必要だって事もわかってるから。効率良くお金を稼いで、やりたいことをやるためにこの仕事を選んだって。でもいい気持ちはしないだろうな」
●まさか自分の娘が…、っていう気持ちはあるだろうね。
「母親がAV女優だった、風俗やってたって人はこれから増えていくと思うんですけど、自分がやってて楽しかったり救われた部分があったとしても、やっぱり自分の娘にはやって欲しくないかな。普通に恋愛して、普通に結婚して欲しいです。私は今まで好きなことをやってこれたから、楽しくて仕方がないんですけど、と言いつつ、自分の娘には普通でいてほしい(苦笑)」
●この仕事の終着点、って見えてたりする?
「30までかな。それまでに夢を叶える。それが無理だったらマッサージの勉強をする」
●仕事に未練は残ると思う?
「んふふふふふ。…うん。だってファンが付くって普通の生活してたらないじゃないですか。毎日こんなに好き好き云ってもらえるってないですよ」
●私もそうだけど、いつまでもこの仕事が出来るわけじゃないし。自分でも「小室友里」の名前にしがみついてるな、って感じるもの。どこで線を引こうかなって悩んでるところはあるよね。
「あと2年の間には、なにかを形にしたいなとは思いますね。うん、頑張る!」