「東京で暮らしたい」そう思ったら、寮にすぐ入れるこの業界がいいかな...と思ったのがきっかけです。
●仕事を始めたきっかけは?
「東京で一人暮らしがしたかったので、寮付きですぐに入れるところを探してました。1対1で接客できる仕事がよかったんです。キャバクラで働いた経験はあるんです けど、キャバって友達と一緒に入店しても、指名の関係でギクシャクしちゃうじゃないですか。だったら一人でやれる方がいいなって。前から風俗には興味はあったの で、新生活と共に踏ん切りつけて始めた感じです」
●地方出身なの?
「静岡なんです。1年前に東京に出てきました。それまではウエディング関係の仕事をしてたんです」
●おお! 女性が憧れる仕事の一つだね。
「でも理想と現実はかなり違いましたよ。打ち合わせの最中にゴングがなっちゃって、新婚夫婦の喧嘩の仲裁とかしなくちゃならないし(苦笑)。でもそこで身につけ たマナーが今生かされてるんじゃないかな。一般常識や、お客様に対してのサービスとか。」
●どんなところで役に立ったの?
「最初に会った時の挨拶とか、話す内容、細かく言えばドアの閉め方ひとつ。お客さんは友達のように接してくれても、私は仕事。もちろん打ち解けてはいくけど、初 めは気をすっごい遣いますよね。そういうところでウェディングの経験が生きてると思う」
●業界に入ってみて、この世界にも理想と現実があったと思うんだけど?
「今仕事がすごく楽しいんです。思い描いてたより楽しかった。お客さんも優しいし、普通の人が多いし(笑)。性的なモノじゃなくて、日常のコニュミケーションを 求めている人が多いかな。恋人とか家族とか、寂しさを埋めるような会話。友達感覚ですよ」
●お客さんは40代くらいがメイン?
「20代もいますよ。中には60代のおじいちゃんも。そしてエロい! 年齢がいけばいくほどエッチな人が多いかも」
●求めてくるモノが違うのかな? 2、30代は肉体的、4、5、60代は精神的とか?
「逆かも! おじいちゃんの方が肉体的にも元気。若い人の方が疲れてて、癒しを求めてる感じ。私もよくマッサージとか行くけど、男の人も行くようになってるじゃ ないですか。それと同じなのかな?」
アロマの勉強もできたし、仕事自体もとっても楽しいし充実してますよ!
●アロマの知識はどこかで勉強したの?
「ここに入ってから3ヶ月の短期で学校に通ったんです。それで初歩的な資格を取って。お店にもアロマの先生がいて、ちゃんと教えてくれますよ。お客さんのところへ 行く時は6本アロマを持っていって、そこで調合します」
●どんな香りのアロマを使ってるの?
「今はラベンダー、イランイラン、ローズマリー、ペパーミント、ユーカリ、オレンジです。男の人はイランイラン好きですよね。ちょっと色っぽくて。今ならユーカ リがよく出ます。花粉症や風邪の症状を和らげてくれるので。空気の殺菌になるんですよ。あとはラベンダーやオレンジも人気です。オレンジは胃腸、イランイランは 性欲増強(笑)。実は髪の毛にも効くんで、ハゲてる人はそれで軽くマッサージしてあげたり(笑)」
●気持ち的に1年で変わったところは?
「ここまで仕事が楽しいって思えると思ってなかった。お金貯めてすぐ辞める世界なんだろうなって思ってたんだけど、自分の成果が目に見えて分かるじゃないですか 。お客さんがリピートしてくれたら、ああ、よかったんだなって」
●金銭的には?
「友達はOLが多いので、遊ぶ時もそんなに無駄遣いはないけど、お店のコと遊ぶ時は結構使っちゃう。あと自分たちが癒されたり、キレイでいたいっていう気持ちが出 てきて、エステや岩盤浴にお金を使うようになったな。洋服もお金かけてますね。『1日働けば買えるよね』って。でもそれはちょっとズレてるのかなって」
●前からキレイになりたいっていう願望はあったの?
「今思えば、前の仕事をしてる時はかなりイケてなかった。髪の毛も黒くて、帰っても寝るだけでメイクも車中で。働くために生きてるみたいでおかしいと思ってたん です。今はお客さんに会いにいくのが仕事なんで、キレイになるのは自分のためになってますね。周りもそういうコが多いし」
●逆にデメリットだった部分はある?
「本当はプライベートを充実させるために高収入の仕事に就いたのに、フリーの時間がないこと。やりがいを覚えたけど、仕事のために生活がある、みたいな。たまに 私は何やってるのかな? って思うことはありますよ」
●落ち込んだときはどうやって自分を盛り上げる?
「人に話を聞いてもらったり、お金をポンと使ってストレス発散。あとはまったく違う世界の人と遊びに行ったり」
●友達がこの世界の人ばかりじゃなくて、普通の仕事してる人も多いんだよね?
「この仕事してることは誰も知らないですよ。顔も出してるんですけど全然バレないですね~。男の友達もいるけど、こういう世界とはほど遠い人ばっかりなんで」
●自分から仕事の事を話したりとかは?
「まったくないです。してもいいんだと思うんですけど、そうすると世界が違うっていうか、金銭感覚も違うように思われちゃうんで、同じ土俵にいたい」
将来は、大好きな人と結婚したいですね。今は王子様待ちです(笑)
●この仕事を始めるにあたって、やっぱり覚悟みたいなものは必要だったんじゃない? キャバの経験があったとはいえ、サービス内容が全然違うでしょ?
ネットでいろいろ調べました。電話するのも面接するのもドキドキでしたよ。だけど、あれよあれよという間にことが進んでいったんです。静岡から出てきて住むとこ ろも決めてなかったので、とにかく寮に入らなくちゃって。東京着いて、そのまま面接受けにお店へ直行しました」
●チャレンジャーだな...(汗)。でも採用されるとは限らないからねぇ。
「この業界ってみんな当たり前に採用されるものだと思ってたんです。落ちる人もいるんですね。そういうことも知らなかった(笑)。それにかわいいコばっかりでし ょ。てっきりお店が至れり尽くせりでかわいくしてくれるものだとばかり(笑)。もう図々しい限り」
●寮には即日入れたの?
「ちょっと掃除とか入ったので、2、3日後に。その間は彼氏の家にいました。もちろん彼氏には仕事の事は内緒ですよ」
●じゃあ仕事を始めた時は彼氏いたんだ? 仕事の事は知ってたの?
「話さないですよ~。東京に出てきたのも一緒にいたかったから。『寮付きの仕事を探す』って。別れるまで全然バレなかったな~」
●今彼氏は?
「仲いい人はいるけど、彼氏じゃない。友達。欲しくないわけじゃないけど、出会いがない」
●この仕事はいつまで続けようと考えてる?
「まだ考えてないけど、アロマの仕事には関わっていたい。でもあと3年くらいかな」
●3年後にはアロマの資格も取って?
「自分でサロンを開いたり、学校の講師も出来るし。でも結婚出来たら一番いいかな」
●お。結婚願望はあるんだね!
「ありますよ~。大好きな人と結婚したい! そういう人がいて結婚しようって言ってくれたら、仕事はいつ辞めてもいいですね。欲を言えば、この世界を知っちゃっ たんで、少しリッチな生活をさせてくれる人がいいな(笑)」