タトゥーとか傷とか、そんなことが気にならないくらいの接客をすれば問題ナシ!
●風俗を始めたきっかけを教えて。
「もともと水商売やってたんですけど、あんまり向いてなかったみたいで…。営業っていうのが苦手で。そういうこと考えながら話してると、あっちもこっちもになっ ちゃうでしょ。かといって1人と話し込んでも(お客さんが)回らなくなっちゃうし。感情入れすぎてもまずいことになっちゃうけど……。あとお酒も飲めなくなっちゃ ったんで。それで風俗にきました。」
●お酒が飲めなくなっちゃったって、どうかしたの?
「病気しちゃって。大腸全部取っちゃったんです。」
●ええ~っ!? 大丈夫なの???
「はい、もう平気です。大腸腺腫症(だいちょうせんしゅしょう)っていうんですけど、大腸にそれこそ100個以上のポリープみたいのが出来ちゃったんです。遺伝系で 起こる病気らしいんですけど、その中にガン性のものも見つかって。先生が『取っちゃいましょうか~』と仰ったので、そうしました。」
●早期発見だったんだ。本当に早く見つかってよかったね~。
「最初は大変でしたよ~。朝起きてまず下血。すっごいおなか痛いんです。でも出しちゃえば楽になる。下血はマズいなと思ってたけど、怖くて病院行けなくて……。 けど我慢出来なくなって病院行ったら、そこからたらい回し。場所が場所だけに、婦人科に行ったり、あっちこっち。それでようやくわかって。今もおなかに手術の跡 残ってるんですよ。」
●大変だったんだね…。それで風俗のお仕事に移ったんだ。抵抗なかった? 水商売と違って身体を使ったサービスしなくちゃいけないし。
「ん~。それは別に。おっぱいパブで働いてたこともあったんで。おっぱいパブって水商売と風俗の真ん中みたいな仕事ですよね。触らせるし、営業しなくちゃいけな いし。じつは(水商売の中で)一番キツイかもしれないですね。」
●手術の痕、お客さんから言われたりしなかった?
「ううん、全然大丈夫ですよ。出来ちゃったのはしょうがないし、隠せないし……。傷があろうとしっかりサービスをしてあげられれば、お客さんも気にならないのか なって思います。タトゥーとかしてる子もいるでしょう。それも、そんなことが気にならないくらいの接客をすればいいんじゃないかと。」
落ち着いた雰囲気の恵比寿の街は、今の私には合っているんだと思います。
●水商売から風俗に転向して、自分にはどっちが向いてると思った?
「営業しなくていい、お部屋で待ってればお客さんが来てくれる、っていうところでは、風俗は楽ですよ。サービス中でも無理に営業することないし。個室に入ったら 最低でも1時間は二人きりの空間になりますよね。見た目苦手そうだな、って思う人だったとしても、じっくり話してみると意外と話せる人が多いんですよ。『男を見る 目』は風俗に来てから養われたかもしれません。たまにチョコザイなのとかいますからね(笑)。」
●水商売のときと今と、お客さんに対する接し方って違うの?
「違うっていうか…。風俗って裸の付き合いじゃないですか。そのぶん素直になれるというか…。お客さんも素直なんですよね。すごくかわいいし、甘えられると『よ しよし』ってしてあげたくなる感じ? お客さんだって正直になってくれてるんだから、私も心開かなきゃ…って思いますよ。実際、そういう付き合いってすごく楽で すよね。」
●お客さんの質って違うのかな? 例えば地域性ってあったりする?
「今まで新宿、渋谷、って回って来たんですけど、新宿はやっぱりネクタイ締めてる人が多いです。締めてるけどお仕事なにしてるの? みたいな人もいますね。渋谷は 新宿や恵比寿よりやっぱり若い。ネクタイしてなくてお仕事なに? って聞きたくなる感じが渋谷。恵比寿はほかよりちょっと落ち着いてますね。もっと若い頃だったら 物足りなかったかも。」
●いや、今も十分若いんですけど……
「友達にもよく変だって言われます。友達同士でも敬語使ってしまうときがあるんですけど、そのほうが楽なんですよ。だんだん敬語が友達にも移っていくんです(笑 )。"超"って言葉も恥ずかしくて使えない……」
●ほんとに~!? 「マジうざい」は? 「ヤバい」はどう?
「あ~、ダメです(苦笑)。鳥肌立っちゃうくらい恥ずかしいです。そういう言葉、中学卒業してからほどんど使ってないですね~。ホントダメです。」
●年上の人と話してるほうが楽だったりするのかな。
「いつも淡々とした感じなんで。恵比寿のお客さんくらいのテンションがちょうどいいですね。ほどほどに落ち着いていて。」
友達感覚のお母さんからダメ出しされることも...(苦笑)
●ところで。今彼氏はいるの?
「こないだ終わったばっかりです。」
●あっ……そうなの(汗)。聞いてもいいかな?
「全然大丈夫です。同い歳だったんですけど、一度別れてるんですよ。彼が女を作ったので。でもなんとなくまた会うようになっちゃって元サヤに戻ったんです。そし たらまたほかに女作ってて。」
●浮気? 二股かけられてたの? 半分病気だね……。
「わかってたんですけどね。けど彼は『そんなのいない』的な態度を取るんですよ。証拠掴んでやろうと思って、女の誕生日前日に彼の家に行ったんです。彼の家はも のすごく汚くて、誕生日を過ごすなら一度部屋を出てほかに泊まるだろうと思ったんです。(家に)行ったら見事にいましたね。二人とも。」
●私も同じような経験あるな……。
「辛いっていうか、二股かけられて別れてるのに、また同じ事繰り返すのはイヤだから。でも彼、偉かったですよ。ちゃんと彼女のこと守ってましたから。私を家に上 げなかったし。」
●私は逆に男に家から追い出されたクチで(苦笑)。ごめんね、辛い事聞いちゃって。
「全然大丈夫です。かえって今のほうが楽なんですよ。ほかの女と会ってるとか、いちいち気を揉まなくてもいいし。ようやく解放されたな、って感じです。悔しいと かいう気持ちもないんです。だって相手の女、ハタチですよ。そりゃ~、若いほうがいいに決まってるじゃないですか。」
●いや、ひなちゃんも十分若いって(笑)。話は変わるけど、ご両親はお仕事の事、知ってるの?
「今ここで働いてることは知らないけど、おっぱいパブまでは知ってます。うち、すごい放任なんで全然口出ししてこないんです。水商売やってたときも隠すつもりも なくて、小出しにバラしてましたね。給料袋置いてみたりして(笑)。」
●怒られなかったの? 反対されたりとか。
「お母さんはそういうことはないですね~。お酒が好きでよく一緒に飲みに行くんですけど、そのときに話したら『スネかじってるより自分で稼いでるんだからいいわ よ』って。逆にダメ出しされました。『こんな写真映りじゃ、あたしならいかないわね』って(苦笑)。」
●太っ腹だ……。お父さんは?
「多分知ってると思いますよ。お母さん経由で話が行ってると思うし。でも『そういう血筋だからしょうがない』って思ってるんじゃないでしょうかね。」
●血筋?
「私の本名って、昔お父さんがお店で遊んでた頃に熱をあげてた女性の名前をそのままつけたらしいんです。ほんと、イヤになっちゃいますよ(苦笑)。」
●ところで、この先風俗のお仕事はどれくらい続けていこうと考えてる?
「この仕事って、ずっと続けられるわけじゃないですよね。体力的にも、年齢的にも。考えなきゃいけないんだろうけど、まだ考えたくない。逃げちゃってるんだと思 います。真剣に考えれば考えるほど怖くなるっていうか。ヤメてもどうにかなるだろう的な、甘い考えもあったりして。」
●でも今なら「熟女専門店」とか、「人妻AV」とかの選択肢もあるよね?
「そういう選択肢もありですね。でもそのときになってみないとわかんないと思うんです。自分がどうするかは。」
●確かに。つ~か、まだまだじゃん!
「そういうこと考えちゃうと真剣にそっちばっかり考えちゃって落ち込んじゃうんです。だからカッコつけかもしれないけど、『私は大丈夫』『なんとかなるわ』って 強がっているのかもしれませんね(苦笑)。」