第41回 綾瀬かれんさん(24)
生年月日:1984年10年5日
年齢:24歳
星座:天秤座
血液型:A型
趣味:カラオケ
お仕事歴:1年半
出勤:4日/週
月収:50万/月
ファッションヘルス「町屋オースリー」
http://machiya-o3.com/
「業界内でも老舗店舗に入る当店では、稼いでいただくのはもちろん、お金では買えない安心感も提供しております。
従業員の優しさでは他店さんに引けを取りません!ビギナーさんも大歓迎!一度ご連絡ください」
裸を見られるのは恥ずかしかった。ダイエットしなきゃ!って思った
●この世界に入ったキッカケは?
「友達に誘われたのが一番かな。一人じゃ怖いから一緒にやらない?って。その子もすごく風俗やりたくて、って感じじゃなくて、知り合いがお店やるから手伝ってくれない?って言われてたみたい」
●何かがやりたくて、ってわけじゃなかったんだ?
「車の免許が欲しかったから、そのお金を作りたいってのもあったな。貯金もしたかったし。最初はデリヘルだったんです」
●ある程度下調べとかした?
「なんにも(笑)。デリヘルがなにをやるかも知らなかったし」
●風俗のお仕事はどんなものか?は知ってたの?
「なんかイヤらしいことをするお仕事(笑)」
●実情がわからない世界に入るのって怖くなかった?
「あんまり考えてなかったかな~? マズいことになったらお店の人がなんとかしてくれるだろうって思ってたから。まぁ、ダミーのケータイを作って置いてたりはしてたけど」
●わざわざ風俗のお仕事じゃなくても、教習所に通うお金くらいなら貯められたんじゃない?
「そうかもしれないけど、性に合ってたんだと思う。気持ちよくなってくれるのを見るのは好きだし。イヤって思いながら仕事しても自分が保てないですよね」
●普通のお仕事と違って身体を使ったサービス、裸になったりすることに思うところはあったかな?
「裸を見られるのは恥ずかしかった。どうしよう!? ダイエットしなきゃ!って思って。やってないけど(笑)。面接で太ってるコが好きな人もいるからやらなくてもいいよって言われたし。それまでにたいした経験があったわけじゃないから、やり方とか手順とかは不安だったなぁ。それもお客さんに教えてもらったりしながらちょっとずつ覚えていって。本当に何も知らなかったから、ローションってなによ?みたいな(笑)」
●ところで風俗始める前はなにをしていたの?
「高校出てすぐに風俗始めたから学生? あとはコンビニでバイトしたり、スーパーのレジやったり」
●風俗と掛け持ちで?
「ううん。どっちかしかやってない」
●風俗と普通のお仕事を行ったりきたり?
「風俗やってるときはこんなことでいいのかな~? 私はちゃんとお客さんに求められるものを提供できてるのかな?って不安になって離れるんだけど、普通の仕事だと物足りなくなっちゃう。3ヵ月限定の派遣の仕事でもなかなか続かないの。おもしろくなくて飽きちゃって……。お金じゃなくて、毎日の生活に変化が結構あるでしょ?この仕事って。それが楽しいみたい。行ったりきたりしてる間に、自分ではお客さんに真心込めて接客できるようになったとは思うけど」
「かれん」じゃない私は結構世話焼き!?
●真心? それはどんな行為だったり言葉だったりするのかしら?
「なにって聞かれたらわからないんだけど、お客さんが背中痒いって言ったら掻いてあげるでしょ? やってあげようって思えるというか。そういうことなんじゃないかな。私だったら『掻けば?』ってなるところを、かれんだったら『え~どこどこ?』みたいな」
●あなたが思うかれんさんってどんなコなの?
「別に設定はないよ? お客さんが落ち着いた人だったら落ち着いた対応をするし、ワーワーくる人だったら一緒にワーワーやるし。お客さん次第かな!? プライベートでもそうじゃない? 私のまんま、といえば私のまんまだし」
●私のまま接客することもあるの?
「それはない。それやったらお仕事できなくなるから。お仕事とプライベートは別物でしょ? もともと性格悪いし優しくないし」
●そうなの(笑)? それじゃ私が憧れを『かれんちゃん』に投影してたりするんじゃない?
「そうかも。言われて初めて気が付いた」
●ぶっちゃけ、「本当の私」ってどうなの(笑)?
「私? 他人に興味がないよーな? 『好きにすればー?』みたいな人。でも一回なついたらトコトン付いていっちゃう、犬っぽい部分もあるかな。他人はどうでもいいよ、って思うし、仲のいい人たちには私がどうにかしなきゃ!って、この極端さがいけないと思うけど、つい世話焼きになる。それでも結局は(仲良しでも)他人のことだから関係ないって思う自分もどこかにいて、それはイヤだな、排除したいなって思う」
●じゃあ、さほど仲良しでもない誰かから「風俗やってるんだ」と言われても気にならない?
「うん。誰に言われたって楽しくやってるから気にしない。相手は選ぶけど仕事何やってるの?って聞かれたら風俗って答えるし。負い目になってることはないよ。好きでやってるんだからいいじゃない」
●話した相手はどんな反応をしてた?
「うぇー!?って。でも意外とね、実はあたしも……っていう人が多かったよ? 『同業者だから言うけど……』なんてカミングアウトされて、こっちのほうがビックリしたりして」
●ご両親はなんて?
「いないんですよ」
●え?
「父は幼い頃に離婚して、それから母子家庭。じいちゃんもいたから3人暮らししてたんだけど、中3でじいちゃんが亡くなって、その3ヵ月後に母も亡くなって一人になって。施設に行くか親戚に家に行くか?って、とりあえず親戚の家にお世話になってました」
●そのご親戚には当然、言ってないよね。
「言えないですね。でも一度家でお客さんと話してるときに聞こえちゃったみたいで、会話の内容からバレちゃった。もうやらないって約束でまたやってるからね(笑)」
脱落して「人生もう無理」って思ってしまうときも……
●やっぱりどこか風俗ってお仕事に惹かれてるから続けてるんだろうね。
「あのね、でも怖いなって思うこともあるよ社会に出るのが。月曜~金曜でルーティンワークなんて無理だと思うし。甘えてるとは思うんだけど。ここ(風俗)でガッチリ貯めて社会に出て行くこともできるけど……いろいろ、怖い」
●怖い気持ち、すごいわかるな。
「こんな自分がどんどん脱落していくような気がして。人生もう無理、って思っちゃうときもあったりする」
●まだまだ大丈夫だよ。私なんか32歳で一般社会に出たみたいなものだしね。じゃあ風俗上がったらこれやろうかな?なんて漠然と考えていることはある?
「今のうちにエクセルとかいじれるようになっておきたいな、とは思う。普通にOLさんやりたいっていう気持ちもあるから。ちっちゃいお弁当箱持ってさー、公園で食べたりとかさー。いいと思いません? 高校のときに情報処理の資格は取ったので、それよりランクの高い資格を取っておけたらなって。でもその前にパソコン買わなきゃ」
●すぐ買えるでしょー。それだけの稼ぎがあれば。
「それがね、お洋服大好きなんですよ。それもレトロな感じの、例えば60年代のイギリスっぽいファッションとか。今みたいなネオレトロみたいのは好きじゃない。ダサくて結構!でもアンティークってなかなか手が出なくて。一着数万円とかしちゃうし。そうなるとなかなか貯金もね~」
●洋服にお金がかかってるわけだ。
「今日使っても明日入ってくるって思っちゃってるのがいけないよね。でもさ、そんだけのお金がもらえるのもこういう仕事をしているからでしょ? それだけの代償を支払っているからこその高給だと思うし。だからってこの仕事が大好きか?って聞かれたらそうでもないんだけど」
●あんまり好きじゃないの?
「大好き、ではないかな。だからこそ仕事としてやっていけるのかもしれないとは思う。だって大好きだったら趣味になっちゃうかもしれないし。お客さんに恋愛感情だって持っちゃうかもしれない。それじゃ仕事にならないでしょ。大金もらってるんだからちゃんとしたお仕事はしないといけないと思う。だから今くらいの距離感?大好きではないけど性に合ってるし嫌いじゃないし、っていうくらいが私には気持ちいいんだと思う」
●ところで、このお仕事いつまでに上がろうって考えていたりする?
「まだわかんないかな。でもあせってはいるよ。もう23歳だしこんなつもりじゃなかったし。この年で社会経験もなくて本当に働けるんだろうか? って思うと怖いよね」
●大丈夫だよ。まだ若いんだし未経験でも雇ってくれるところもあるよ? エステティシャンになんかは逆に経験者として考慮してくれるところもあるみたいだし。
「ホントですかぁ~? まぁ社会へのリハビリも兼ねてゆっくり考えていきたいと思います」