第49回 ラムさん(24)
生年月日:1984年9月8日
年齢:24歳
血液型:O型
趣味:恋愛と妄想、おばあちゃんとお喋りすること
お仕事歴:6年
出勤:4日/週
月収:80万/月
店舗:ブーケ
http://www.buuke.net
モバイルサイト
http://www.buuke.net/i
場所:池袋北口
e-mail:info@buuke.net
「厳選された経験豊富なスタッフが、尊敬の気持ちを持って貴女をバックアップいたします。
もう一人の自分になりきって、目標を立て、達成したら引退してください!それが幸せの証拠です」
恋愛を頑張るために、この仕事を始めました。
●このお仕事を始めたきっかけは?
「同棲してた彼が実家に帰ってしまいまして、遠距離恋愛になっちゃったんです。彼に逢いに行きたいし、浮気されたくないから、かわいく着飾りたいし。恋愛を頑張るためにお金が必要で。それ以外にも、かなり支払いもあったのでこれはもう風俗しかないかなと。逢いにきてくれるような人じゃなかったので、あのころは必死でしたね」
●ほかの支払いって?
「友達には『あんた貢いでるよ』って言われるけどプレゼントしちゃう癖があって。同棲してた彼にも消費者金融でカードつくって買ってあげたりしてました。光熱費なんかはお互い半分ずつだから、ローンの返済と生活費でもういっぱいいっぱい」
●返済は順調?
「4年遠距離恋愛してる間に、返済も終わってお仕事を辞められる状態になったから、残った貯金握りしめて、彼のいる田舎にに引っ越したんです。6年もつき合ってるし、行ってしまえば結婚!? なんて思ったら、ホント申し訳ないんですけど結婚以前に田舎暮らしが無理! だって5時以降真っ暗になっちゃうから真っ暗闇からいきなり人が現れるし! マンションの排気口に鳩が巣作っちゃってお洗濯物干せないし(泣)。本当に彼でいいのか、最後の賭けでもあったんですけど、本当に会いにきてくれないし、かまってくれなくて。3ヵ月で見切りをつけて東京に帰ってきました!」
●追いかけてきた彼女のこと気にならないのかね?
「音楽で食べていきたいっていう夢に向かって、ローカル局やラジオに出られるようになってきてたときだったので、本当に忙しいから、寂しいとか、かまってとか言うなよ? って約束だったし。それがイヤなら俺の実家の近くに住むか実家に住め! とも言われたんですけど、それは止めてくれと、うちの両親にも言われ。それが間違いだったんですけど。だから時間が経って思ってみたら我がままだったのは私のほうなんです」
彼とのつき合いは、私のストーカーから始まりました。
●彼とはどこで知り合ったの?
「前職のお洋服屋さんです。となりの店の正社員で、カッコイイ人が入ってきた!って。この愛はストーカーから始まったんです(笑)」
●す、ストーカー?
「仕事終わりまでずっと待って『偶然ですね!』なんて毎日だし、一日中彼の目に留まるところで立ってたり、ゴミ捨てやタバコに行けば私も行くし。『この間中央線沿いに引っ越したんです!』って中央線なんか使わないのに隣でずっと喋ってるし」
●ストーカーっていうか……ウザい人(笑)?
「人にどう思われてもいいんです。わたしがそうしたいから。初めは嫌がられましたよ~(笑)。そんな毎日を4ヵ月続けてたら彼も悪いなって思ったんでしょうかね? 食事OKしてくれて、そこから数回ポンポンと。彼の部屋に上がり込んだ3ヵ月後には彼の部屋に引っ越してきてましたっ!」
●マジ!?
「いっつもそういうパターン(笑)。部屋に入ったらこっちのもん、くらいな気持ち!?」
●NOって言われることないの?
「追っかけてる時点で、本当にイヤな人は本気で断ってくるし。それ以上は自分が傷つく(笑)。彼の場合は所々に優しさが出てくるし、女性慣れしてない感じがどうにかなるかなと(笑)」
●でも、それだとつき合うまで本当の性格ってわかんないよね?
「そこは妄想するんです! その代わり食事に行ったときにすんごい質問しますよ。好みのタイプからSかMまで。データを徹底的に取って合わないなと思ったら引く。ストーカーにも順番があるんです(笑)。でも、彼はど真ん中にタイプだったんですよ~」
●引っ越すときもめなかったの?
「本当に昔からこんな恋愛が多いんですよ。好きだと思ったらとにかくアピる。まわりの友達にも『すげーっ! キモー!』て笑われながらアピってましたね~」
●そういう人が、よくここまで風俗を続けられたね。
「最初は6畳一間の薄暗い部屋で泣きっぱなし。面接で『イヤなことは無理せずイヤって言えばいいから』って言われたもんだから、お店から許されてるんだと勘違いしちゃって。あれもイヤ、これもイヤって全部イヤイヤ言ってお店の人に怒られました(笑)脱いで寝ててやるから好きにすりゃいいじゃん、くらいな。『お前つまんねぇ』って帰られて、逆に私もキレて。そんな毎日の繰り返し」
●彼には仕事のことバレなかったの?
「一切バレませんでした。顔出しで取材も受けてたしビデオにも出て、友達には『絶対バレる!』って言われたけどそれでもバレず。そのころ、自分のショップを持たせてもらってたので忙しいことは何とでも言い訳出来たんですよ。ただ、一日でも連絡つかないと仲間つれて捜索しにきちゃうような人だったので、夜には絶対に家に居ました。家の番号から連絡しなきゃいけないお約束もあって。ショップも風俗も昼間のうちにやらなきゃいけない。一時期は死ぬかと思いましたよ(泣)。」
●彼との関係がいつの間にか逆転してない?
「ガラっと変わりましたよ。支配されるのが好きなんで(笑)それは全然OK。私ね、気付いたんです! 支配されてるように見えるけど、実は私が彼を操っているんだって。持ち上げておいていい気分にさせるっていうのが私のやりかたなんですよ」
●それだとラムさんが我慢しなくちゃいけない部分もあるでしょ?
「『明るいね、元気だね、いい子だね』って言われるとそれがうれしくて、バカみたいにキャピキャピしちゃう。男の人に苦しいとかつらいとか言えないんです。ストレス溜めてひとりで泣いて。友達に『偽りの自分を無理して作ってつき合って本当に楽しいの?』って言われるけど、それも私なんですよね。確かに無理してるしつらいけどしょうがない、っていうか」
●そんな自分が好きだったりする?
「悲劇のヒロイン的なところがあると思う。彼が会ってくれないってわかってても特急飛び乗っちゃったり。で『私、可哀想……』(苦笑)」
●彼と別れるときはつらかったでしょう?
「6年間別れてはつき合っての連続で。別れてもそのうちまたくっつくわ、って思えたから悲しくも寂しくもなかったけど、本当に逢えないんだって思うと涙が止まらなかったです。でも寂しくはなかったかな。『終わった……』っていう……」
●やりきった感?
「ここまで頑張ったから本当に終われる、もう十分だよって。父も母もおばあちゃんも友達もみんな、とにかく別れろ別れろ言ってたんで、まわりはみんな大喜び(笑)」
●ご両親は仕事のことは知ってるの?
「母とは友達みたいに何でも話す仲で、私も話したいし母も何でも聞きたい人だったので、ありのままを正直に言いました」
●お母さん、なんて?
「『そういう仕事をさせてしまうのは親のせい。ほかのコがブランドのバッグやお洋服買ってもらってるときにあなたは、ひとりでバイトしてやりくりしてきた。今でも買ってあげたいけど稼ぎが少ないからそれも出来ない。ごめんね』って謝られちゃって。逆に『つらいお仕事だろうに頑張れるあなたはかっこいい』って」
●お父さんも知ってらっしゃる?
「父と大げんかしたときにこれまでの悪行三昧をすべてぶちまけた流れで風俗のことも。2ヵ月は口を聞いてくれませんでしたね。お父さんって腕に触ったら、ビクっとしてかわされたんです。それはさすがにショック。風俗嬢=汚らわしいもので、私に触られただけで自分が汚れた! って思っちゃってたのかな。辞めたって言ってあげないと可哀想かなと、思い次の月には引退したってことになってます」
新しい彼に、また貢いでいます。
●ラムさんは、今何のためにお仕事を続けているの?
「借金返済のためだけに働いてきたから、これからは自分のためにお金使うぞ!って。な~んて矢先に、最近また彼氏が出来まして(笑)」
●やっぱり恋愛のため(笑)?
「働いてますね~(笑)。大人の事情はわからないけど、お財布にお金があっても使えない状態なんですって。今は私がいろいろ出してるんですけど……」
●けど?
「その人元々お金持ちだから、お金の感覚が違うんです。この間も勝手に旅行の手配してきたもんだから我慢しきれなくて、生まれて初めて男の人にキレました」
●気持ちよくなかった?
「ちょー気持ちよかった~(爆笑)!! こんなにすっきりするものなのかと。彼もごめんね、って謝ってくれて」
●ラムちゃんにとって正直な自分を出せた彼って、特別な人かもしれないよ?
「本当にそう思います。キレたときに『私はこのまま、あたなのために一生働き続けるの?』って聞いてみたんです。今までは絶対に聞けなかったことですよ。このまま人妻店で働いて人妻ビデオに出て行く末は四十路ビデオか? って真剣に考えましたもん(笑)」
●早くあがれるに超したことはないね。
「この仕事は天職だと思うし、いい仕事だと思います。男相手の仕事って世の中には必要なもので、おこがましいけど私たちが男性を救ってるところはあると思います。逆に救われてる面もあるけど」
●救われたこともある?
「4年間ずっと会いにきてくれるお兄さんがいて、その人とは本当にいい関係でした。友達以上に私のこと知ってるし、家族と同じくらい安心感があって。この仕事じゃなくて、もっと普通の男と女で出逢えたらよかったのになって今でも思ってます」
●お仕事とプライベートは混同しない?
「絶対にしないですね。まず、この性格じゃお客さんつかないし(笑)。泣かずに営業出来るようになったころ、どうせやるんならもっと稼ぎたい、それには自分を演じることも必要だって。今ではそれも楽しんでます」
●では、最後に。3年後の自分の理想像を聞かせてください。
「平和で穏やかな毎日を過ごしていたいです。気持ちの上で穏やかに、好きな人と一緒に、そこに赤ちゃんもいたらもっとうれしいですね」