第55回 あやこさん(39)
名前:あやこ
年齢:39歳
生年月日:ヒミツ
趣味:料理
お仕事歴:6年
出勤:4~5日/週
月収:???/月
所属店舗:渋谷「ママとお姉さん」
PC版URL
http://www.mamaone.com
携帯版URL
http://www.mamaone.com/i
「女性が心からこのお仕事を楽しんでもらうことを目標にしています。
女性指導員や、心理カウンセラーを常駐させることで、より一層安心できる店舗作りを目指しています」
ショーパブデビューが33歳でした。
●この世界に入って6年目になるんですね。
「元々華やかな世界が好きだったのもありますが、この仕事以外に本職を持ってまして。そちらの仕事でお店を持ちたいとも考えておりましたので、思い切ってこちらの世界に。初めは六本木のショーパブで働いて結婚を機に、一度辞めたんですけど、本職に(収入の)波があるんですね。それも困るので最近風俗を始めました」
●ショーパブデビューが33歳。思い切った決断ですよね。
「日舞をやっておりまして、クラブや海外で踊ったりしているんです。なので、ショーパブの求人を見てこれだ! と。風俗を探したときは年齢も年齢なので、かなり限られてくるんです」
●お店探しは苦労されましたか?
「昼間仕事しながら夜に働きたかったので、キャバクラかクラブ……と思っていたのですが、同年代の女性に話を聞くと、キャバやクラブはこの年齢になったら多少お客さんを持ってないときびしいわよ、と」
●お仕事に抵抗はありませんでしたか?
「嫌いではない世界なので……(笑)。ショーパブでも女性同士セクシーなショーもやっていましたし。なかなか楽しいですよ。その日組んだ相手と、即興でお芝居をするような感じで。頭使うからショーが終わるとドッと疲れますけどね」
●ご結婚なさってるんですよね?
「パブに来ていたお客様です」
●えっ!??? そうなんですか?
「そうそう(笑)。お名刺をいただいて一緒に食事行こうかって。ショーを見ていただくための同伴だったので、キャバクラにありがちな駆け引きとか一切なく、自然な形でお付き合いが始まって」
●お客様とショーガールの関係が変わる瞬間って、どんなときなんてすか?
「お互いの家に遊びに行ったときかな? 初めのうちは『いつか遊びに来てよ』なんて銀座や赤坂でご馳走になっていたんですけど、今思えばだんだん自宅に近づいてたかも(笑)。ある日タクシー乗り場まで送ってもらったとき『あそこにマンション見えるでしょ? あれ、自宅』って。それから2週間くらいして遊びにいきました」
●色眼鏡で見られてたりとかなかったですか?
「勘ぐるところはありましたけど、彼(旦那様)の友達から話を聞くとそういうヤツではないと。今までもキャバクラの女のコを追っかけて振られたとかあったらしいです(笑)。OLさんとか興味がなくて、そのコの世界を持ってて一芸に秀でた人が好きみたいで、ライブハウスやクラブで踊るよって伝えると、必ず見に来てくれたので、徐々に信頼できるようになりましたね」
●お店やお客様はなにも言わなかったんですか?
「お客様とトラブルにならなければ、いいよってあたたかく見守っていただいて。常連さんも私たちがつき合ってることは知っていたので、ほかのお客様とも問題なく。つき合ってからもお客様として彼、観に来てましたし(笑)」
男性は風俗OKで、どうして女性がNGなのかと思いました。
●風俗のお仕事されてみていかがですか?
「元々私自身タブーがないんです。ママという存在を求めて通われるお客様の、ママを演じきることを楽しめています。身体の快感だけでなく、脳で感じる、といいますか。お会いして好みをお伺いするんですね。その上でこちらも『こんなのはどうでしょう?』と提案して、ストーリーをその場で組み立てて。ただヌけばいいものではないので、お客様が脳で感じてくれているのが見えると私もゾクっとします」
●お仕事されて落ち込むことはないですか?
「お客様が望んでいるプレイと違ったり、自分が得意とするプレイが、お客様にはイマイチだったりしたときはヘコミますけど、自分自身の問題でネガティブになるってことはまったくないです。友人にゲイもレズもいるし、昔の彼氏はジョソコちゃん(女装趣味の男性)だし。変な話、男性は風俗に行くのに、どうして女性は行っちゃイケナイの? 自分の望みを叶えたい男性がお金を払って来ているんだから、これは社会経済活動なのに、それがどうしてイケナイの? と」
●風俗って表立って言える職業ではないですよね。
「ショーパブのときは主人も観に来ていましたけど、さすがにこっちは……お客様の前で裸になるってとは言えませんからね」
●あれ? 風俗のお仕事のこと、旦那さんは……?
「知りません知りません。本職がお客様次第で、時間が変わるんですね。遅いと帰りが22、23時とか。なのでバレないよう風俗もそれくらいで上がれるようにシフト組んでもらってます」
●本職の穴埋めに風俗を始められたわけですが、旦那様に援助を求めることはしないんですか?
「考えたことないです。ダメならお店閉めちゃおうって。家庭のお財布を女性が握るっていうのは日本独特の思考で、海外では男女それぞれお財布をもって、家計費もお互いに出すんです。うちもそれに似ていてお互いの財布でやりくりしています。ただ、主人が住んでいた今の家はちょっとお家賃のいいところなので、お家賃と光熱費だけは主人の口座から落としてもらっていますが」
●旦那様に頼らないのはプライドもありますか?
「そうですね。自分のケツは自分で拭く、といいますか。日舞をやっている手前、日本の美意識は意識していて『まだできる、まだやれる』と引き際を間違えることはしないようにしているつもりです」
●近頃「草食系男子」なんて言葉が流行ってますけど、男性にそういう面を感じることはありますか?
「ボク甘えたいの、できれば気持ちよくして欲しいの、っていう男性が多くなった気はしますね。ガツガツしてる男性は以前より減ったかもしれません。お店に来るお客様は、もちろんママやお姉さんに甘えたい男性がメインではあるのですが『どこがいいの? 乳首? タマタマ? お尻の穴? お尻の穴は撫でるだけ? 舐めるだけ? お指入れていいの? 太いの入るの?』って一字一句聞かないと答えを引き出せない、とは感じますね。やってほしいことがあるんだけど、『お、お聖水……』までで、漠然と好きなんだけどそれをどうしたいか言えないんです。お姉さんや女のコがやってくれるまで待っているんです」
●う~ん、それはいわゆるマグロですよね……
「ここにいらっしゃる男性は、してほしい男性が多いので、そういう方が多いとは思います。受け身の男性は脳も満足して初めて本当の満足が得られると思うので、身体だけ気持ちよければいいというわけではないのが難しいところですね」
●SMとかトークを絡めたプレイをなさる方って、頭の回転いいですよね。
「KYの方は出来ないと思います。痛いのが好きだって気持ちいい範囲があるんです。それを表情や声で瞬時に見分けないと。それに実は、受け身の男性って頭良い方が多いんです。お互いに気持ちよくなるための、頭を使うゲームをすると思ってもらえれば」
普通の風俗店じゃ満足できなかったかな
●あやこさんはここに来るべきして来たんですね!
「スタートとゴールが同じでも、そこに行き着くまでにいろんなシチュエーションがあるじゃないですか。気持ちよくしてさせられて、ヌいておしまいっていう風俗店じゃ私自身満足できなかったと思います」
●あやこさんが男性に求めるものってなんですか?
「思いやり。お金を払うお客様でも女のコに思いやりを持ってくださるかどうかで、二人の間に生まれる関係も変わりますよね。あとは清潔感です」
●風俗のお仕事を知っている方はいらっしゃるんですか?
「元カレくん。彼とはソウルメイトっぽいんです。つき合っていた頃も女装した彼と一緒に電車乗って(新宿)2丁目に飲みに行ったり。かえってそういう人のほうが好きなんです。人は必ず一つくらいフェチな部分があるのに『俺はノーマルだ』って隠しちゃう人はつまらないんです」
●例えばされるのが好きで好きで仕方ないの!って言われたら?
「ヤッテヤッテちゃんでも反応してくれれば、自分が楽しめるから大丈夫です。プレイ中でも興奮し過ぎちゃってお客様から『鼻息荒い!』って何度も言われました(笑)。男性がよい顔をしてくれると私も『もっともっと』と思ってしまうので(笑)。このお仕事はとても楽しいですよ」
●そんな楽しい世界を知ってしまうと辞めるとき大変そうですね。
「そこは引き際だと。いつかは足を洗わなければと思ってます。いろんなきっかけがあって周囲のバレかもしれないし、年齢的なものかもしれないし。でも、この年齢になるとまわりの人が風俗情報から離れていくので媒体や職種を選べばバレる心配は少ないのかなと思います。父は亡くなっておりますし、母も70歳を過ぎておりますので、両親にバレる心配もないかと」
●本職のほうでバレたら困りますよね?
「ショーパブでお客様に会ったことありますよ(笑)。私もお客様も固まりましたけど、そこでお客様が言いふらしたとしたら『あの人、エッチなショーパブ行ってるんだ』と逆に見られてしまいますから。お店を選ぶときに普通のお店を選ばなかったのは、そういう意味もあります。その方はよいお客様になってくれて、ほかの方を連れてよく観に来てくださいましたね」
●辞めるタイミングなどは考えていらっしゃいますか?
「もしかしたら目標額に達するのが一番早いかも。当面は現金で2000万です。本職のほかに自宅でお料理教室も開きたくて」
●本当に多才といいますか……
「いえいえ、平々凡々で主人におんぶに抱っこさせてもらえばいいわ~、っていう人生が歩めないだけです。ある占いで水星人プラスなのです。エッチが好きで華やかで、自分から事業を興すような」
●それはそれだけのことをやれるだけの素質がおありになるからですよ!
「でも、自分にここまでぴったりな仕事があると思わなかったので、すごく楽しいです。誰かと同じことはしたくないです。マイノリティでなんぼ! 日舞でもセクシーなショーでもこんな世界があるんだよって伝えたいです」