私、ビアンなんです
「あの、私のセックスはちょっと特殊なんですけど、それは聞いてくれてます?」
メイミーは私と会ったなり、不安そうに言った。「私、ビアンなんです。レズビアン」。
ええ大丈夫。少数派かもしれないけれど、自分なりのセックスタイプを持っていることはむしろ素敵なことだと思うの。話してくれる? そう言ったらメイミーは安心したように笑って、すんなりと小さい頃のことから話してくれた。
「私ね、性に関して目覚めたのは、保育園の時なんです。保育園てお昼寝するんですけれども、冬はお布団をかけるじゃないですか。その中で、隣の男の子と触りあったりすると、とっても気持ちがよくって。楽しくていつもその子と一緒のお布団に入るようにしているうちに、だんだん不思議な快感が芽生えてくるのに気づくようになりました。
それがもっとはっきり性的なことだって気づいたのはもうすこし後。小学校1年の時の仲良しの男の子とよく『おとうさんおかあさんごっこ』っていうのをやってたんです。それは、おままごととは少し違っていて、お互いの体を舐めまわす遊びだったんです。ちょっといけないって感じはあったんだけど、楽しくてやめられなくて。私はお尻の穴を舐められるのがすごくよくて。それを男の子にさせるのが好きでした。男の子は結構言うなりで、20分でも30分でも舐めてくれた。私は相手が嫌って言うまでやらせてましたね。で、交替して私も男の子のお尻は舐めてあげるんだけども、私は相手を舐めるのがあまり好きじゃなくてすぐやめちゃってましたね」
──おちんちんをいじりたい気持ちはなかったの?
「皮を引っ張ったりはしましたけれど、私には弟がいるんで、あまり珍しくはなくて。自分にないものがあるのが憎らしい部分もあったのであんまり。私、そのうち自分におちんちんが生えると思っていたんですよ(笑)」
妄想が肥大していた子供時代
「子供の頃の遊びが一番純粋で官能的だったかも。小学校の高学年くらいになっちゃうと、嫌さが先に立っちゃって。たとえば私は体が大きくて、胸も早く膨らんだんですけど、そうすると男子が掃除の時間にモップで突ついてきたりするんですよ。そうなるともう本当に嫌。子供の頃のあの妖しい楽しさは微塵もなくて。でもね、性的なことに関してはずっと興味はあったんですよ。清水の海岸の近くで大きくなったんですけど、浜辺にしょっちゅうエロ本やコンドーム、エロ下着なんかが転がってて。で、それがまたハードなんですよ。SMとか、そういうのばっかで。私も好きで夢中で拾って読んだり見たりしましたね。あとは文学。そうやって妙にハードな、一番すごいのを見たり、文学の思い入れタップリのセックス描写を読みすぎたせいか、セックスを過大に神聖視するようになっちゃって。だから案外体験は遅いんです。妄想ばっかりすごくて、すごいこと考えすぎるせいか、触られるのは怖くて嫌っていう」
──私もそのタイプでした。でも体験が遅くて妄想が豊かだとむしろセックスにはいいみたいですよ? 結局は脳でするものだから、事前のイメトレはたくさんした人のほうが、濃いセックスをするようになるとデータに出ています。私の私見データ(笑)。ところでオナニーなんかはしました?「好きでした。小さい頃から自分の性器を見るのが好きだったんですよ。自分のって、唇よりピラピラが大きくてはみ出しているタイプなので、小さい頃は奇形たと悩んでいて。心配だから毎日見る。見ても変わらないんだけど(笑)。
で、子供って洗い方とかよくわからないじゃないですか。だから恥垢とか溜まりやすくって。ティッシュでふいたりとか。で、クリトリスはこれから大きくなるおちんちんだと思って、皮を剥いて見ていましたね。楽しみにしていたのに、大きくならなかったけど。
私、女の人は男より偉いと思ってたんで、母とか家では父より存在感があったし。なのに外では男が偉いことになってて、おちんちんも男だけにあるのがなんだか納得いかなかった。でも、そんな思いも成長とともになくなっていくっていうか、クリトリスを触ったときの気持ちよさに、すべてがどうでもよくなっていく(笑)。