——もともと、AVに興味はありました?
「いえ、実はこういうお話をいただくまで、まったく知らなくて。触れる機会がなかったんです」
——じゃあ、全然知らない世界だったんですね。
「はい。むしろ、知らない世界だから『おもしろそうだな』って思ったところもあるかもしれません」
——すごく真面目な印象ですが、学生時代はどういうタイプだったんですか?
「本当にどこにでもいる普通の学生でした。目立ちたいほうでもないし、先頭に立って仕切るタイプではなかったですね。どちらかというと後ろに回ってサポートするタイプでした」
——そういう性格だったのに、こういう目立つお仕事をしようと思ったのは、どういう心境の変化があったんですか?
「こういうチャンスが自分に巡ってくること自体、なかなかあることじゃないんだから、やってみたいという気持ちがまずありました。あとは、したことがなかっただけに、自己表現っていうのがすごく楽しそうだなと思ったんです」
——迷いはありませんでしたか?
「チャンスが来たらすぐに思い切って行動しないと、チャンスは目の前を通り過ぎていっちゃうから、考えて『これだ』と思ったらやるしかない、って思ったんですよね。けっこう『よし、これだ』って思うとパッとやっちゃうほうなんです。自分が『これだ』って思ったことだったら、失敗してもためになるかなって。失敗しても成功しても、自分の経験にはなるからいいやって」
——デビュー前は、男性経験ってどのくらいあったんですか?
「実はこのお仕事を始めるまで、3人しかなくて。私自身、そういうことにそれほど興味もなくて、自分からアプローチしたり、積極的に求めたりっていうこともなかったですね。でも、高校を卒業してから急に興味が出てきて(笑)」
——どうして急に興味が?
「友達がそういう話をするので、それに刺激されちゃって……」
——そのお友達には、今のお仕事のことは話しましたか?
「仲のいい友達には話してます。まわりの反応は、最初はみんなビックリしてましたね。それまですごく真面目だったので、ギャップが大きかったみたいで(笑)。でも今は応援してくれるコのほうが多いです」
——今まで真面目だったぶん、考えて決断したんだという信頼があるんでしょうね。
「そう思ってもらえるのはすごくうれしいですね。実際、すごく考えて決めたことなので」
——初めての撮影はどうでしたか?
「人見知りなほうなので、ガッチガチでした。本当に初心者だから、まず撮影の用語がわからなくて台本が読めないんです(笑)。体位とかも『これは一体、どんな動きをすればいいんだろう』って感じで。監督さんや男優さんが協力して教えてくれたので、すごく勉強になりました」
——男優さんとのエッチってどうでしたか?
「すごいこんがり焼けてる人が来て、全然接したことのないタイプの方なので不安だったんですけど、お話ししてみたらすごく気さくないい方で、安心して撮影に臨めました。それに、ちょっと気持ちよかったかな(笑)」
——この世界に飛び込んで自分が変わったと感じることはありますか?
「今までは自分を表現するのが苦手で、人と話すのも苦手だったんですけど、最近は少しオープンになれて、心が開けた感じ。今は人に接するのも、話すのも大好きですね」
——読者の皆さんにアドバイスをお願いします。
「この世界に対して、すごい偏見を持ってる人もいますけど、私は体験してみて、世間で思われているようなつらい仕事じゃないと感じてます。踏み出すのは勇気が要るけど、やってみると自分の感性が変わる仕事だと思う。やりたいと思ったら、行動することが大事かなって思います」