——デビューのきっかけは?
「高校を卒業して、東京でひとり暮らしを始めたときに、共通の知り合いに今の事務所の社長さんを紹介されて。前々から話は聞いてたんですけど、実家も出たし思い切って挑戦してみようかなって」
——わりとすぐに「やってみよう」って決断したんですか?
「いや、かなり抵抗がありましたね。最初聞いたときは『え、私が!? いやいやそんな〜!』って思いました(笑)。ただ、負けず嫌いな性格だから『できない』って言いたくなくて、やってみようと思ったんです」
——こういうお仕事をしてみたいと考えたことはありましたか?
「全然なかったです。自分は一生足を踏み入れない世界だと思ってました。普通のOLさんとかになるものだとぼんやり思ってたくらいですね」
——AVのどういうところが一番抵抗ありましたか?
「自分の裸を人に見せるっていうのが、まずそこの時点で『ムリ!』って思いましたね。恥ずかしいし、『友達とか見ちゃうかもしれないじゃん!』って。あと、どういう世界かよくわかってなかったので、ダークな世界なのかな?っていうイメージがありました。デビューしても全員が売れるわけじゃないから、先のことも考えると不安でしたし」
——そこまで考えても、やっぱりやろうと思ったのはどうしてですか?
「AVに出るだけじゃなくて、グラビアやインタビューのお仕事もあるんだなって知って、『あ、楽しそうじゃん!』って思ったんですよね」
——デビュー前に、イベントで全国を回るツアーをされたんですよね。北から南まで日本を縦断されて、大変だったんじゃないですか?
「大変でしたね〜。例えば北海道だと、一日の中で4、5店舗回るような感じだったので、時間がキツキツで。撮影会もあったんですけど、まだ慣れてないから戸惑うことが多かったですね。『セクシーなポーズして』って言われても、『セクシーなポーズ!? どんなポーズなんだろう……』みたいになっちゃったり(笑)」
——お客さんの反応はどうでし たか?
「まだデビュー作が出てないのに、『会いに来たよ〜』って言ってもらえたりして、すごく励みになりました。歌も作ってもらって、それを歌ったりもしたんです。スケジュールがハードだったので、体力的にはきつかったんですけど、オフの日よりもイベントで回ってる日のほうが全然楽しくて。全国いろんなところにも行けたし、こういうイベントができてよかったなって思ってます」
——初めての撮影はどうでしたか?
「行く前は『怖い感じだったらどうしよう』って思ってましたね。『女の人はいるのかな? いたら恥ずかしくて気まずいかな』とか。実際、撮影現場で女の人はメイクさんだけでした。ほかのスタッフの皆さんもおもしろくて、楽しい感じの現場でした。最初、私すごく緊張してつま先が冷たくなっちゃったんですけど、男優さんがずっと足を持って、つま先を温めてくれてて……。すごいですよね。『こんなに気をつかってくれるんだ』って、優しさに感動しました」
——お仕事を始めてみて、おもしろいと感じた部分はありますか?
「やっぱり、普段の自分じゃない自分を演じてるというか、カメラを通して見ると自分じゃない別のコがいるみたいな感覚があって、それがおもしろいですね。ちょっとだけ、カメラの前に出ることにハマってきたのかもしれません」
——読者の皆さんにメッセージをお願いします。
「怖がらないで自分で応募してみて!って言いたいですね。もし先入観でこのお仕事に尻込みしてる人がいたら、そういう世界じゃないし、勇気を出して挑戦してみれば、想像を超える充実感や楽しさが待ってるよ、って思います。私も、中途半端で投げ出したくないので、『このお仕事20年続けます』ってマネージャーに宣言してるんです。それぐらい、やりがいのあるお仕事ですね」