どんなお仕事だって、資本は自分。からだとこころの気になるお悩み、ガールズクリニックで解決しちゃいます!
第1回 大人ニキビ
大人になったらできなくなると思っていたのに、実は悩んでいる人は多い「大人ニキビ」。
「たかがニキビ」なんて放っておくと、あとが残ってしまうことも。
ひどくならないうちに適切なケアを行い、つるすべ素肌を取り戻そう!
監修/戸佐眞弓(まゆみクリニック)
イラスト/トシダナルホ
口元・ほほ・くびすじ……。
「Uゾーンニキビ」にご用心
学生時代はおでこや鼻にできていたニキビ。最近はニキビのできる場所が変わったと感じる人も多いのでは?
思春期のニキビは、皮脂の分泌が活発になる「Tゾーン」にできやすいのですが、「大人ニキビ」は、あごのまわりや口元、頬の外側や首などの「Uゾーン」にできやすく、大きく腫れ、治りにくいのが特徴なんです。
「大人二キビ」には大きくわけて3つの状態があります。
まず、皮脂や汚れが毛穴をふさぎ、皮膚の表面に塊となって顔を出した「白ニキビ」。
さらに分泌された皮脂が空気に触れて酸化し、塊が黒くなる「黒ニキビ」。
また、表面に飛び出した皮脂にニキビ菌などが繁殖し炎症を引き起こし、うみがたまった「赤ニキビ」などがあります。
思春期のニキビは、ホルモンバランスの乱れによって過剰に分泌された皮脂が、毛穴に詰まることが原因で起こります。
それに比べ、大人ニキビは次のような何げなく過ごしている毎日の生活の中に原因が潜んでいます。
●睡眠不足●
睡眠中に分泌される「成長ホルモン」の不足により、肌の新陳代謝が乱れる。
●ストレス●
ストレスを感じると「男性ホルモン」の分泌が促進され、皮脂の分泌も活発に。
●便秘●
体内に残った毒素が排出できず、有害物質を発生させる。
●メイク汚れ●
肌に残ったメイク汚れが毛穴を詰まらせ、雑菌を繁殖させることも。
●生理●
生理2週間前から直前にかけて、皮脂の分泌を活発にする「黄体ホルモン」が増加する。
自分でつぶすのはぜったいNG!
専門医の「ケミカルピーリング」なども有効
最近は、「大人ニキビ用治療薬」の種類も増えてきました。
ただし、市販の薬は有効成分の濃度が低く、炎症がひどい場合には効果が見られないこともしばしば。
より早くキレイに治したいという人は、皮膚科などの専門医に処置をしてもらうのがオススメです。
専門医なら、外用薬や内服薬の処方から、スキンケアの相談にも乗ってくれます。ついついつぶしたくなる膿んだニキビも、絶対に自分ではつぶさず専門医に診てもらうこと。
さらに、弱酸性の薬剤を肌の表面に塗り、古い角質をはがして新しい皮膚の再生を促す「ケミカルピーリング」などの治療が有効的。
いずれにしても、ひどくなってしまった場合は自己処理だけで済まさずに、早めに専門医に相談を。
できてしまったニキビを治すのはひと苦労。できないように、身体の外側、内側からしっかり予防しましょう。
ニキビ予防の基本は、肌を清潔に保つこと。一日2回の洗顔で、皮脂やメイク汚れをキチンと落としましょう。
ただし、大人ニキビは洗い過ぎると逆効果になることも。外食中心の人は、食生活を見直しましょう。
美肌作りに効果的なビタミンB2やB6は、マグロ、サンマなど、魚に多く含まれています。甘いものやアルコール類は炎症を悪化させるのでなるべく避けて。
大人ニキビは、生活環境と密接に関わってくるので、規則正しい生活を心がけて。睡眠をしっかり取り、ストレスをマメに解消するなど、身体をリラックスさせてあげましょう。
ニキビあとで悩んでいて、病院で本格的に治療を受けようと考えています。
ケミカルピーリングが効果的と聞いたので試してみたいのですが、通院回数や費用はどのくらいかかるのでしょうか。
症状の程度によって、通院回数が変わってきますので、最初にカウンセリングを受けることをオススメします。
保険外診療ですので、各医療機関、ピーリング方法、身体の部分により費用は異なりますが、8000~3万円となります。
また、平均6~10回ほどの通院でニキビあとが小さくなり、肌が変わったことを実感できると思います。
形成外科・皮膚科医
戸佐 眞弓
11月3日生まれ。東京女子医科大学卒、医学博士。東京女子医科大学 形成外科学教室、帝京大学医学部附属病院 皮膚科学教室を経て、まゆみクリニックを開業。専門は、ピーリング、レーザー治療、脱毛レーザー、スキンケア。