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第5回 睡眠障害
ぐっすり眠れた翌朝は身体が軽くて爽快だけど、よく眠れなかった日は何となく身体も頭も重い……。
「睡眠」は、一日を元気に過ごすためにとても重要。
快適な眠りを手に入れるには、毎日の生活を見直すことが大切です。
監修/榎本稔(榎本クリニック)
イラスト/トシダナルホ
不眠が続くと、健康や日常生活へさまざまな影響を及ぼします。
たった一晩の徹夜でも、ビールを1本飲んだときと同じ状態になるといわれているほど!
睡眠不足になると集中力を失い、頭の判断が鈍り正常なコントロールができなくなるので、車の運転などは非常に危険です。
また、睡眠不足はお肌の大敵。
睡眠中に分泌される「成長ホルモン」がストップし、新陳代謝が低下してしまい、吹き出物や目の下にクマができる原因にも。
そして、寝ているときに大きなイビキをかく人は要注意。
睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症」の可能性が!
呼吸が止まるたびに眠りが浅くなり、睡眠が妨げられるので熟睡できず、目覚めもスッキリしません。
脳と身体の疲労を回復させるのに、欠かすことのできない「睡眠」。
朝になると目覚め、夜になると眠くなるのが、人間の持つ通常の睡眠サイクルです。
楽しみにしていたことや不安に感じることがあり、ドキドキして一時的に眠れなくなる経験は誰しもあるものですが、中には「眠りたいのになかなか眠れない」「眠ってもすぐに目が覚めてしまう」「ちゃんと眠っていてもスッキリしない」など、眠りに関しての悩み(睡眠障害)を抱えている人も少なくありません。そして、その原因もさまざまです。
○心理的原因
ストレスや緊張、不安、悩み、興奮など
○生活的原因
不規則な生活、飲酒、時差ボケなど
○環境的原因
騒音、温度、照明、寝具など
眠らなきゃとあせるのは逆効果!
リラックスして眠りを誘って
なかなか眠れないと、明日のことを考え、早く眠らなくてはと焦ってしまいがち。
でも、それでは逆効果。
穏やかな眠りを誘うには、身体も心もリラックスすることが大切です。
また、快適な睡眠を続けるには、毎日の生活を改善する必要も。
それでも不眠が続いてしまう場合は、医師の診断を受けましょう。
●快眠のための過ごし方
■日中
・毎日同じ時間に起き、なるべく同じ時間に寝る
・昼寝をするなら長時間ではなく、10~20分程度
・家でじっとする生活は避け、軽い運動や散歩をする
・朝食は必ずしっかりとり、夕食は軽めにする
■寝る前
・お酒、タバコ、カフェインなどの刺激物は避ける
・手首や足首、肩などを回し、簡単なストレッチをする
・38~40度くらいのぬるめのお風呂にゆっくりつかる
・眠れないときは無理に眠ろうとせず、一度起きて過ごし眠気を待つ
快適な眠りはまくら選びから
自分に合ったものを選んで
ぐっすり眠るには、まくら選びもじつは重要。
間違ったまくらの使用は眠りを妨げるだけでなく、肩こりや頭痛、めまいなどの症状を引き起こす原因となることも。
形や素材なども多種多様なので、自分の身体に合ったまくらを選びましょう。
●まくら選びのポイント
1.高さ
女性の場合、1~3cmの高さがベスト。
高い場合は肩の下のすきまにタオルを入れて、肩部分を高くし、低い場合はまくらにタオルを巻くなどして、高さを調節すること。
2.硬さ、素材
硬めが好きな人はパイプやそばがら、柔らかめが好きな人はポリエステルや羽根素材がオススメ。
人気の低反発ウレタンは、寒いところではカチカチになる場合があるので注意!
3.寝返りのしやすさ
寝ている間は、あお向けになったり横向きになったりと絶えず寝返りを打っているので、実際にいろいろな角度からまくらに頭をのせてみて、違和感がないかチェックが必要。
眠れないことが多く、朝起きるのがつらいので困っています。
睡眠薬の服用を考えているのですが、簡単に薬を使ってしまって大丈夫でしょうか。
睡眠薬は、正しく使えば安全で、副作用もほとんどなく効果的です。
ただし、症状や体質によって処方が変わりますので、必ず医師の診断を受けてから服用しましょう。
また、長期間の服用は、睡眠薬依存症になり、薬を手放せなくなる可能性があるので要注意です。
心療内科医
榎本 稔
1月11日生まれ。東京医科歯科大学医学部卒、医学博士。日本外来精神医療学会理事長。成増厚生病院副院長、東京工業大学保健管理センター教授を経て、榎本クリニックを開業。 榎本クリニック/電話 03(3982)5321