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第12回 外陰部のかゆみと痛み
気になる場所にかゆみや痛みがあっても、恥ずかしいからそのままにしちゃってる……なんて人はいませんか?
そんな症状が表れたら、迷わず産婦人科へゴー!
素早い対処がトラブル解決への近道です。
監修/赤枝恒雄(赤枝六本木診療所)
イラスト/トシダナルホ
とてもデリケートな女性の外陰部。
ちょっとでも異常を感じたら、病気に感染していないか調べてみる必要があります。
もしかゆみや痛みの症状があれば、下のチャートで確認! 病気の目安にしてみましょう。
▼おりものの様子がおかしい
原因
トリコモナスという原虫が発生し、膣が炎症を起こした状態に。
原虫は30分に1回というスピードで分裂するため、あっという間に繁殖してしまいます。
おもな感染源はセックス。
症状
おりものが黄色や緑色の泡が混じったような状態に。
悪臭、かゆみ、痛みをともないます。
おりものの量が増えるのでかぶれてしまうことも。
治療、予防
内服薬や膣錠を使った治療が効果的。
薬を服用している最中は飲酒は控えましょう。
感染源がセックスのため、予防としてはコンドームの着用が必須。
「YES - b. おりものはぽろぽろしたカッテージチーズ状」
カンジダ膣炎の疑いあり
原因
産婦人科にかかる病気として、もっとも多いのがこれ。
原因はカビの一種です。
カンジダは膣の中にもともといる常在菌。
過労や寝不足によって身体の抵抗力が弱まっているときや、抗生物質を飲んだあとに増殖し、炎症を起こします。
セックスで感染するだけでなく、自己発生も多く見られます。
カンジダ菌は濡れているところを好むため、お風呂場のイスを通じて感染するケースも。
症状
白っぽい、カッテージチーズ状のぽろぽろとしたおりものに変化。
強いかゆみが出て、外陰部が赤くただれます。
かゆみに耐えられず、外陰部を爪で引っかいてしまうと、痛みや腫れにつながります。
治療、予防
おもに膣錠と塗り薬で治療。
体調不良のときに起こりやすいので、規則正しい生活を送ることで予防することができるはず。
治るまではセックス、飲酒、刺激物は避けること。
「NO - a. 陰毛のあたりがかゆい」
毛ジラミの疑いあり
原因
頭ジラミとは違い、陰毛にしかつかないシラミが寄生。
陰毛に卵を産みつけ、ふ化したシラミが皮膚の血を吸います。
感染源はセックスですが、あまり一般的な病気ではありません。
症状
耐えられないような激しいかゆみに襲われるため、すぐに異常に気づくはず。
シラミがつぶれてポツポツと赤い斑点や、フンによる黒い斑点が下着につきますが、色の濃い下着の場合は気づかないことも。
治療、予防
シラミの居場所をなくすため、治療には必ず陰毛を剃ります。
毛の接触による感染なので、コンドームは予防効果なし。
セックスのパートナーを特定することが一番の予防策。
外陰部にかゆみがあるため、産婦人科で診察を受けようと思っています。
受診前に何か気をつけることはありますか?
受診の前にシャワーを浴びる女性が多いのですが、洗い過ぎてしまうと症状がわかりにくくなることもあります。
特に検査を受ける場合、膣の中まで洗ってしまうと正確に検査結果が表れません。
軽くシャワーで流すか、濡れたタオルで拭く程度がいいでしょう。
また、生理中は検査を受けることはできません。
産婦人科医
赤枝 恒雄
1944年生まれ。東京医科大学卒、医学博士。1977年、赤枝六本木診療所を開業。六本木での「街角健康相談室」やラジオパーソナリティなど、活動は多岐にわたる。女のコの身体の悩みをQ&A方式でまとめた『これってヘン?』(小社刊)が好評発売中。