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第52回 肥満
まだまだ健康に障害が出るほどの肥満に悩む風俗嬢は少ないかもしれませんが、見た目はやせていても内臓のまわりに脂肪が付く「隠れ肥満」は、若い女性に結構見られるようです。
内臓脂肪型肥満は、高血圧、糖尿病、高脂血症等の生活習慣病になりやすいと言われています。
そうしたことも含めて、今回は、肥満の知識を深めちゃいましょう。
監修/伊藤都(伊藤メディカルクリニック)
イラスト/トシダナルホ
肥満と聞くと、「あ~、太っていることね」という程度に受け止めがちですが、厳密にいうと、身体全体の割合から見て、脂肪が一定量以上になった状態をいいます。
ですから、アスリートなど、どっしりした大きな身体をしていても、割合的に筋肉量が多く脂肪は少ないので、体重が多くても、肥満とはいいません。
そして、どこからが肥満かという線引きを示すのが、「BMI(肥満指数)」です。
自分のBMIを知っておくのは、健康維持のためにも大切ですから、算出しておくといいでしょう。
ただしこの数値は、見た目で太っている、やせているということを重視しているのではなく、糖尿病や心臓病など生活習慣病にかかりやすい基準として示したものということを念頭に入れておいてください。
【BMI計算式】
BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
*低体重(やせ)・・18.5未満
*普通体重・・・・・18.5以上25未満
*肥満(1度)・・・・ 25以上30未満
*肥満(2度)・・・・30以上35未満
*肥満(3度)・・・・35以上40未満
*肥満(4度)・・・・40以上
肥満の2大要因といわれているのが「食べ過ぎ」と「運動不足」です。
ただ、ここ10年の日本人の平均エネルギー摂取量は、ほぼ横ばい状態ということですから、それでも肥満が増えているとしたら、運動不足が大きな原因と考えられるでしょう。
どこから見てもスリム、BMIも25 未満、体重も標準以下なのに、内臓脂肪(胃腸のまわりに付いている脂肪)が多い状態のことをいいます。
過度のダイエットを繰り返したり、運動不足の生活が日常化することで筋肉量が減り、体脂肪が増えてしまうのです。
見た目はキレイでも、体脂肪が多いということは、病気になりやすい身体ということですから、どうせダイエットするなら、見た目も中身もすっきりボディを目指しましょう。
【隠れ肥満の目安】
ウエスト(cm)÷ヒップ(cm) →0.9以上は隠れ肥満
原因が食べ過ぎと運動不足ですから、この2つに絞って予防策をとれば効率的です。
まず、食べ過ぎについては、量もさることながら、三食以外に食べたり飲んだりしているものに気をつけることが大切です。
例えば、間食のお菓子や清涼飲料水など糖分の高い飲み物です。
また、つい忘れがちなのですが、お酒が高カロリーだということ。
お酒を飲んで揚げ物を食べたら、ものすごい高カロリーになることをお忘れなく。
さて次に、肥満のみならず、健康維持のためにもぜひ解消しておきたいのが、運動不足です。
いきなり運動をするといっても、なかなか習慣づけるのは難しいものです。
まずは、日常の中で無理せず身体を動かす習慣をつけることから始めましょう。
一日20~30分の運動が必要と考えられているので、それを目安に、まずは歩く機会を増やしてみましょう。
エレベーターやエスカレーターを使わず、階段移動にしたり、最寄り駅の一つ手前で降りて、1駅分ウォーキングすることで運動不足は解消されます。
これまで過度なダイエットを何度もやってきましたが、実は運動どころか、普段は車移動ばかりで超運動不足です。
隠れ肥満の疑いアリですよね?
過度なダイエットの繰り返しは、減量の際に筋肉も一緒に落ちて、リバウンドするときは脂肪だけが付くので悪循環です。
今後は少しずつ運動量を増やして筋肉を付けていき、基礎代謝量を上げれば食べても太りにくく、引き締まったボティを維持することができると思いますよ。
内科医
伊藤 都
伊藤メディカルクリニック院長。医学博士。平成7年、杏林大学医学部を卒業後、平成15年には女性の健康と美しさ、若々しさを保つことを目的に同クリニックを開院。女性ならではの細やかな配慮と気さくな応対は、同世代の女性たちからも評判が高い。