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第58回 本態性低血圧症
朝なかなか起きられない、なんとなくいつもだるい、立ちくらみがする……。
そんな悩みを持っている女子は少なくないのでは?
これらの症状は低血圧が関係していることも。
今回は、20代の女子に多く見られる本態性低血圧症をリサーチしてみました。
監修/伊藤都(伊藤メディカルクリニック)
イラスト/トシダナルホ
収縮期血圧が100ミリメートルHg以下の場合、低血圧とされます。
通常、血圧の話をするときに「上が120、下が60」などと言いますが、収縮期血圧とは、いわゆる「上」の血圧値のことです。
またひと口に「低血圧」といっても、原因となる病気がある場合の「症候(二次)性低血圧症」、
立ったときにフラッとくる「起立性低血圧症」
そして、病気が隠れているわけでもなく、コレといった原因が見つからない「本態性低血圧症」の3つに分けられています。
原因となる疾患はないものの、血圧が低いために血流量の低下による全身症状や精神・神経にも影響を及ぼし、自律神経の症状が表れます。
低血圧であっても、日常生活に支障がなければ特に治療の必要はありません。
ただし、症状がつらく、遅刻や欠勤が続くようなら、速やかに受診し、適切な治療を受けることが大切です。
治療法には、精神療法や生活指導、また症状が重い場合には、昇圧薬などの薬物療法が施されます。
薬物治療までは必要としない低血圧症の人たちに、症状を緩和、改善していくための食事と運動のポイントを紹介しましょう。
朝食を取る習慣をつける
いきなりガッツリとは無理ですから、好きなフルーツやシリアルなどから始めてみましょう。
固形物は無理!という人は、フルーツジュースやゼリーなどでもOKです。
朝食は体温と血圧を上昇させる効果があるので、朝食を習慣づけることで、元気の出なかった午前中も快適に過ごせるようになるはずです。
毎日の軽い運動
適度な運動は血流を促し、筋肉への刺激もあって、「疲れやすさ」を取るのに効果的。
といっても、運動がキライという人も多いでしょうから、ジムで週1回、筋トレしましょうとは言いません。
むしろ、毎日の生活の中で少しずつ身体に負荷をかけるほうがベターです。
例えば、いつもより遠いコンビニへ行く、駅や仕事場では必ず階段を使うといった程度の運動でも、毎日続けることで手ごたえが感じられるはず。
高校生の頃から朝がつらくてどうしようもありません。
ただ眠いというのではなく貧血のときのような気分の悪さです。
治療が必要でしょうか?
朝起きられずに遅刻や欠勤が続くようでしたら治療が必要ですが、何とか日常生活を送っているということであれば、食事や運動といった生活習慣の改善で徐々に症状は改善してくると思われます。
それでもあまりにつらいようでしたら、一度内科への受診をオススメします。
内科医
伊藤 都
伊藤メディカルクリニック院長。医学博士。平成7年、杏林大学医学部を卒業後、平成15年には女性の健康と美しさ、若々しさを保つことを目的に同クリニックを開院。女性ならではの細やかな配慮と気さくな応対は、同世代の女性たちからも評判が高い。