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第59回 多形日光疹
春、真っ盛り!
日ごとに、日差しの強さも増してきます。
今回は、日光に当たることで皮膚に発疹が現れる光線過敏症のうち、若い女性に多く見られる多形日光疹に焦点を当ててみました。
監修/戸佐眞弓(まゆみクリニック)
イラスト/トシダナルホ
太陽の光を浴びることによって皮膚に異常な反応が起こる多形日光疹。
はっきりとした原因はわかっていませんが、紫外線が皮膚に何らかの影響を与えていると考えられています。
若い女性や普段日に当たる機会の少ない人に多く見られる傾向があります。
日光に当たったところに複数の赤い隆起や不規則な形の赤い湿疹が生じます。
強いかゆみを伴い、日光に当たって30分から数時間以内に現れます。
ただし、数日たってから現れるケースも。
湿疹は1週間ほどで消えていきます。
紫外線はその波長によって、A波(UVA)、B波(UVB)、C波(UVC)に分類されています。
この中で地上に届くA波とB波が皮膚にさまざまな影響を与えているのです。
紫外線A波(UVA)
皮膚の深い部分(真皮)まで到達し、肌の弾力やハリを保つためのコラーゲンやエラスチンを変性させ、皮膚の老化を早めます。
紫外線B波(UVB)
皮膚の浅い部分(表皮)までしか届きませんが、ヒリヒリと炎症を起こさせる作用があります。
しみ、しわを生み、また大量に浴びると皮膚がんの原因ともなります。
多形日光疹は光線過敏症の一つで、これ以外にも日光に当たることで起こる湿疹はいくつかあります。
日光じんましん
日光に当たって数分でじんましんが現れる。
大きく赤くはれ、強いかゆみを伴うのが特徴。
日光に当たらない状態に戻すと1~2 時間で湿疹は消える。
光線過敏型薬疹
降圧薬や消炎鎮痛薬などの薬を服用している人の中で、まれに日光にさらされた際に、発疹が現れる。
慢性光線性皮膚炎
中年以上の男性に多く見られ、日光が当たった場所に激しいかゆみを伴う発疹が現れる。
日の当たらない状態になると数時間で症状は治まる。
皮膚が露出している部分に発疹が出た場合は、光線過敏症を疑います。
ステロイド外用薬が有効ですが、このような症状を起こしやすい人は、何より事前の予防を心がけることが大切です。
予防法
外出時は日傘や帽子、長袖の着用で紫外線をカット。
顔、手の甲、腕など露出している部分に日焼け止めクリームを塗る。
日差しが強い季節になると、ただ街中を歩いているだけで腕が赤くなります。
湿疹ではないのですが、これも日光疹の一種でしょうか。
湿疹まではいっていないようですが、日光に対して過敏に反応してしまう体質のようですね。
外出する際は、肌を露出している部分が紫外線にさらされないように十分な準備が必要です。
常に念入りなUVカットを心がけて敏感な肌を守ってあげてください。
形成外科・皮膚科医
戸佐 眞弓
11月3日生まれ。東京女子医科大学卒、医学博士。東京女子医科大学 形成外科学教室、帝京大学医学部附属病院 皮膚科学教室を経て、まゆみクリニックを開業。専門は、ピーリング、レーザー治療、脱毛レーザー、スキンケア。