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第66回 自律神経失調症
頭痛、肩凝り、動悸、便秘、生理不順……。
全身のあちこちにさまざまな症状が表れるのが自律神経失調症の特徴です。
女子の間ではかなりポピュラーな病気ですから、悩まされている人も多いのでは。
その実態に迫ってみました。
監修/榎本稔(榎本クリニック)
イラスト/トシダナルホ
自律神経は、精神面の調整を行うほか、外部からの刺激があっても体温を一定に保つ「ホメオスタシス」、ホルモンの分泌や免疫作用など、さまざまな器官と深くかかわっています。
自律神経は交感神経と副交感神経という2つの神経が必要に応じて自動的に切り替わりながら、身体全体の調整を行っています。
交感神経
活動的なときに作用
瞳孔: 拡大
脈拍: 速くなる
血圧: 上昇
副交感神経
休息、リラックス時に作用
瞳孔: 収縮
脈拍: ゆっくり
血圧:下降
自律神経は全身の器官に作用しているため、バランスが崩れると身体のあちこちにさまざまな症状が表れます。
疲れ目
肩凝り
背中の痛み
腰痛
生理不順
生理痛
下痢、便秘
頭痛、めまい
不眠、微熱
食道のつかえ
せき
のどの圧迫感
息切れ、動悸
食欲不振
吐き気
むくみ
手足の冷え
その他の症状
発汗、倦怠感、体重減少、イライラ、火照り、朝起きるのがつらい、など
原因もまたさまざまです。
ストレスや環境の変化に対して、身体を守ろうという防御反応が過剰に働くことで発症します。
外から与えられるストレスが主な原因と考えられています。
〈主な原因〉
活習慣の乱れ…夜更かし、朝晩逆転した生活(人体のリズムを無視したライフスタイル)
過度なストレス…激務、人間関係のトラブル、精神的なプレッシャーなど
環境の変化…職場の異動、離婚、近親者の死など
治療法には、薬物療法やカウンセリングなどの心理療法などがあります。
薬物療法は、頭痛がひどい場合には鎮痛剤、不眠が続いている人には睡眠導入剤、といった対症療法です。
ただし、薬だけで完治するのは困難です。
大切なのは、身体のリズムを根本から整えていくことです。
できるだけストレスを避け、睡眠や食事をきちんととるといった、生活習慣に戻す努力が症状改善につながります。
セロトニンという神経物質は、自律神経を安定させる効果があるといわれています。
そのセロトニンの分泌を促進させる以下の3つのことを心がけてみてください。
1朝日を浴びる
2ウォーキング(ほかのスポーツ、カラオケ、ダンスなどでも◎)
3食事はゆっくり、よくかんで
以前よりも仕事量が増えて、休日返上で働いています。
肉体的にも限界ですが、精神的にも行き詰まっています。
何かいい解決法はありますか?
とにかくまずは休養です。
仕事が休めないようなら、帰宅後、好きなものをたっぷり食べて、食後は好きなことをしてゆったり過ごしましょう。
入浴もゆっくりして頭も身体も緩めてあげる時間をつくることです。
睡眠時間は6~7 時間くらいは確保したいですね。
心療内科医
榎本 稔
1月11日生まれ。東京医科歯科大学医学部卒、医学博士。日本外来精神医療学会理事長。成増厚生病院副院長、東京工業大学保健管理センター教授を経て、榎本クリニックを開業。 榎本クリニック/電話 03(3982)5321