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第70回 胃腸風邪
タイトル寒くなってくるとインフルエンザと同様に毎年流行する、おなかの風邪が、胃腸風邪です。
急に吐き気や猛烈な下痢に襲われる……。
こうした症状は体力の消耗も激しいですよね。
今回はそんな「胃腸風邪」に注目してみました。

監修/伊藤都(伊藤メディカルクリニック)
イラスト/トシダナルホ

原因は?

ウイルス、細菌、寄生虫などが原因で発症します。

★ウイルス性
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、小型球形ウイルスなど

★細菌性
病原性大腸菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ、カンピロバクターなど

★寄生虫
アメーバ、ランブル鞭毛虫(べんもうちゅう)、クリプトスポリジウムなど

症状

胃腸風邪とは、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などを伴うもので感染性の胃腸炎です。
原因は右記のようにさまざまですから、それによって症状の出方も一つではありませんが、主な症状は嘔吐、下痢、腹痛です。
発熱や全身の倦怠感を伴うこともあるようです。
さっきまで元気だった人が、いきなり吐き気や腹痛に襲われるというのも胃腸風邪の特徴の一つです。
個人差もありますが、トイレから離れることができなくなるほど下痢や嘔吐が激しいことも少なくありません。

経過

大人の場合、潜伏期間が2、3日あり、症状が出てから治るまでに、通常2、3日かかります。
下痢と嘔吐が続くため、胃腸の中がからっぽになり、安静にしていると症状は緩和されますが、その間、何も口にすることができないと、脱水症状を引き起こすこともあります。
白湯、イオン飲料を少量ずつ、こまめに取りましょう。
「おなかの風邪だから……」と軽く見ずに、早めに受診することが大切です。

治療法

嘔吐や下痢といった症状を抑える対症療法が一般的です。
整腸剤、吐き気止め、などの投与が行われます。
ウイルスを早く体内から出すしかないので(この反応が下痢や嘔吐です)、下痢止めは処方されません。
※細菌性が原因と疑われる場合は、抗菌剤が処方されます。
脱水症状がある場合は、点滴をすることもあります。

予防法

これは胃腸風邪に限らず、全般的にいえることですが、こまめに手洗い、うがいを心がけることは予防には効果的です。
また同じ状況にあっても、ウイルスに感染する人もいれば、しない人もいます。
この違いは何かといえば、免疫力と考えられます。
この免疫力を維持するためにも、普段から規則正しい生活を送り、栄養バランスのとれた食事を心がけることは大切です。
厄介なのは、一度胃腸風邪にかかったら、もうかからないというたぐいのものではない点です。
油断していると何度もかかる可能性があるので、予防に手は抜けません。

お答え

先日、家族で生ガキを食べたのですが、私だけがノロウイルスに感染しました。
同じ物を食べたのに、なぜ私だけがかかったのでしょうか?

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ご家族で同じ物を食べたのに、あなた一人だけがノロウイルスによる嘔吐や下痢の症状に苦しんだわけですから、「なぜ私だけが」という気分にもなりますよね。
体質的に生ガキが合わない場合もありますし、体調が万全でなく、免疫力が低下していたことも考えられます。

伊藤 都

内科医
伊藤 都

伊藤メディカルクリニック院長。医学博士。平成7年、杏林大学医学部を卒業後、平成15年には女性の健康と美しさ、若々しさを保つことを目的に同クリニックを開院。女性ならではの細やかな配慮と気さくな応対は、同世代の女性たちからも評判が高い。